TOTO、タンク式としては“国内最少”洗浄水量4.8Lのトイレ
ウォシュレット一体形便器 GG3 |
TOTOは、タンク式としては洗浄水量が国内最少の「ウォシュレット一体形便器 GG」シリーズ3機種を4月1日より発売する。オート開閉機能などが搭載された最上位機種の「GG3」の希望小売価格は285,000円(排水方向が床の場合)。
タンク式としては国内最小の洗浄水量4.8Lのウォッシュレット一体形便器。
同社では環境配慮の高まりにより世界各国で洗浄水量に規制を設けている地域が多いことから、「洗浄水量4.8Lがこれからのクローバルスタンダード」とし、昨年8月に発売した電気制御方式のタンクレストイレ「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」で洗浄水量4.8Lを実現している。タンクレストイレとは方式が異なるタンク式トイレでは今回のGGシリーズが国内最少の洗浄水量になるという。
本体側面 | 本体上部 | フタを開けた状態 |
本体付属のリモコン | 上部にも操作ボタンが設置される |
一般的にトイレの方式では、電気制御で水の流れを管理する多機能タイプのタンクレストイレと、便器後方にタンクが設置された単機能タイプのタンク式トイレの2種類がある。同社のタンクレストイレ「ネオレストハイブリッドシリーズ」では洗浄時、ポンプであらかじめ加圧した水を使用することで、洗浄水量を少なくしていた。一方、タンク式トイレでは、ポンプなどを使用しないため、電気制御方式のタンクレストイレに比べ、水圧が低く洗浄水量を抑えるのが難しかったという。
GGシリーズではこれらの問題を解決するために、便器ボウル上部とボウル下方の2箇所で水流を起こし、旋回流のパワーで汚れを落とす「ツイントルネード洗浄」を新たに開発した。ツイントルネード洗浄では、水平方向と垂直方向の2つの水流が合流することで起こる旋回流により、少量の水でも効率よく汚物を排出・搬送することができるという。これにより洗浄水量は、従来のタンク式の6Lから4.8Lに削減した。
トイレには電気制御方式(タンクレスタイプ)とタンク式の2種類の方式がある | タンク式の水圧でも充分な洗浄能力を得るためにGGシリーズでは便器ボウル上部とボウル下方の2箇所で水流を起こし、旋回流のパワーで汚れを落とす方式を採用 |
水平と垂直の水の流れを使って便器ボウル内に旋回流を生み出す | 便器ボウルの上部側面とボウル下方の2箇所に水の吹き出し口が設けられている | ツイントルネード洗浄により、洗浄水量は4.8Lになり従来タイプと比べると使用水量は約1/3になった |
また、便座に断熱材を使用することで保温効果を高め、消費電力を抑える「保温便座」を採用する。これらの機構により、洗浄水量13Lの従来型タンク式便器に比べ、使用水量は約68%、使用電力は約36%削減できるとする。
また、本体の形状にもこだわった。同社のアンケートによると「タンクがないのでスッキリして見える」「デザインが良い」「広く感じる」などの理由からユーザーの約8割がリフォーム時にタンクレストイレを希望しているという。GGシリーズでは、タンク式でありながら、タンクの高さを抑えることでタンクレストイレのデザインに近いローシルエットデザインを実現した。
ユーザーの約8割がタンクレストイレを希望するという | タンクの高さを抑えることで、タンクレストイレのデザインに近いローシルエットデザインを実現したという | タンク上部部分のカットモデル |
また“意志を持った環境配慮”ができる機能として水量3.8Lの「eco小洗浄」を設けた。これは、掃除の時や男性の小用時に使用するモードとしており、水量4Lの小洗浄を使用するときに比べ、4人家族(男性2人、女性2人)で年間438Lの節水効果があるという。
住宅衛陶商品開発グループ 浅田協二氏 |
会場では、「タンクレストイレがリフォームの主流となっているときになぜタンク式なの」という質問が出た。これに対し、住宅衛陶商品開発グループ 浅田協二氏は「タンク式トイレの一番のメリットとしては価格の問題がある。ネオレストシリーズに比べ、約9万円近く安い価格で提供できるので幅広いユーザーに使っていただける」とした。
GG3の下位機種として、eco小洗浄、オート開閉機能を省略した「GG2」と、温風乾燥機能を省略した「GG1」も同時発売する。希望小売価格はGG2が245,000円、GG1が225,000円。
(阿部 夏子)
2010年2月15日 16:37