パナソニック、新型IHクッキングヒーター・オーブンレンジを公開

~プロによる調理例も披露

 パナソニックは、同社が7月1日より順次するIHクッキングヒーターとオーブンレンジ「3つ星ビストロ」の最新モデルを、報道関係者向けに公開した。いずれもビルトイン式で、電源は単相200Vを使用する。希望小売価格は、IHクッキングヒーターの最上位機種「KZ-FT75VC」が420,000円、オーブンレンジのシルバーモデル「NE-DB901」が273,000円。

“いつもの鍋”で揚げられるIHクッキングヒーター

 

KZ-FT75VC
  IHクッキングヒーターは、鍋底の温度を素早く検知する「光火力センサー」を改良し、これまでは本体に付属の鍋以外ではできなかった揚げ物料理がそれ以外の金属鍋でも使用できるようになった点が特徴。これにより、食材や量に合わせた鍋が選べるため、より幅広い調理が可能になった。

 また、付属の金属鍋よりも小型の鍋を使うことで、従来と同じ量の油を使っても、食材が浸かるほどの深さが確保できるため、油を使う量が節約できる効果もある。同社では、お弁当のおかずづくりや、揚げ物が少しだけ食べたいときに便利としている。

 このほか、弱加熱時の運転音は「業界No.1の静音」となる25dBとなっている。

揚げ物を調理する場合、これまでは付属する鍋しかしようできなかったが
本製品ではステンレスやホーロー、アルミのフライパンなどの鍋でも揚げ物が調理できるようになった揚げ物料理を作る場合に使用する油の比較。左側の付属鍋よりも、右側の小型の鍋の方が、同じ油の量で深さが確保できる
加熱中はプレートに丸く赤いリングが表示されるグリルの排気は上方へ飛ぶ。そのため、壁の汚れが抑えられるというプレート表面の、鍋底の温度を測るセンサー部

余分な塩分と脂を落とすヘルシーなオーブンレンジ

オーブンレンジ「3つ星ビストロ」。オーブンの上には、IHクッキングヒーターが設置されている
 オーブンレンジ「3つ星ビストロ」は、余分な脂を落とす「両面グリル」調理が特徴。これは、食材を載せる「ヘルシーグリル皿」が、本体底面から発生するマイクロ波を吸収し発熱し、さらに本体上部から発生する1,300Wの高火力遠赤外線ヒーター、過熱水蒸気で食品の両面を焼き上げるというもの。オーブンのみの過熱と比べて、短時間で余分な塩分と脂を落とすことができ、さらに食材を裏返すことなく、自動で両面が調理できるという。

 操作パネルには、従来より約1.6倍の面積で「業界最大」を謳う液晶画面を搭載。文字も大型化し、さらにホワイトバックライトも取り入れることで、より見やすくなった。また操作ボタンは、次の操作を光で知らせる「大型ネクストサイン」を採用するなど、使いやすさを向上している。
「両面グリル」の仕組み。マイクロ波とヒーター、スチームを併せて使うことで、食材の余分な塩分と脂を落とす効果がある。また、裏返すことなく両面を焼くこともできる
「ヘルシーグリル皿」の裏面。マイクロ波を集中するよう、ゴム状の素材を使用している庫内のようす。奥の白く穴の開いた箇所からスチームが吹き出る
3つ星ビストロの操作パネルの下に従来機種の操作パネルを置いた写真。画面が大きくなっており、さらに操作ボタンもシンプルにまとめられている操作ボタン上部には、次の操作を知らせるためのランプ「大型ネクストサイン」が用意されている
オートメニューは鶏の唐揚げや焼き魚、スポンジケーキなど


面倒臭いイメージの揚げ物も手軽に作れる

 

辻調グループ校 西洋料理担当 教授の中田淑一さん
 会には、調理師の専門学校「辻調グループ校」で西洋料理を担当する助教授の中田淑一さんが登場。鶏の唐揚げやカツレツなど、IHクッキングヒーターで作った料理のVTRを紹介した。

 中田さんはIHクッキングヒーターの新製品について、付属の鍋以外で揚げ物料理ができるようになった点を評価。「子供たちに料理を作る際など、少しだけ揚げたい、という時があります。そんなときは小さい鍋も使えるというのは強み。『揚げ物』イコール『面倒くさい』というイメージがありますが、少量の油で揚げられるのなら“ちょっとやったろうかな”という気持ちになると思います」と、使い勝手の良さが調理意欲の向上につながることを説明した。

 従来機種から継承した機能では、予熱温度を達したことを音声で知らせる「予熱おまかせ機能」に触れ、「私たちは指を入れたり手をかざしたりして温度を測りますが、一般の人はなかなかそれができません。揚げ物は高温で揚げないと、油切れが悪くベチャベチャとしてしまい、見た目も良くないし、あまりおいしくないです。温度が分かるというのは、特に大事なことだと思います」と説明。加熱中の温度管理が家庭でおいしく作るために重要であることを強調した。

 3つ星ビストロについては調理例が紹介されなかったが、中田さんは「プロから見ても200V電源のオーブンレンジは使い勝手が良いので、すごく欲しいです。僕の家のキッチンでは、IHクッキングヒーターの下に(オーブンレンジの設置スペース)を開けています」と、プロも認める製品であることをアピールした。

中田さんがお手本として作った「鶏の唐揚げ」
こちらが調理中のようす。付属鍋(左)で作ると肉をひっくり返す必要があるが、それよりも小型の鍋で作れば、肉が浸かるほどの深さが確保できるため、返す手間がいらないという

こちらは「洋風カツレツ」。たたき伸ばした豚ヒレ肉に、ハム・チーズ・バジルを挟み、小麦粉と卵とパン粉をまぶして揚げる揚げている最中のようす。付属鍋よりも広い鍋を使うことで、2枚同時に揚げるスペースが確保できる
できあがったカツをカットしたところ。中からはチーズがトロっと出てくる。芯まで熱が通っている証拠だ
ドーナツショップでよく見かける「チュロス」の調理例酒の肴にぴったりのおつまみも作れる小型の鍋とフライパンを手にし、付属の鍋以外も使えることをアピールする中田さん。「IHクッキングヒーターやオーブンレンジなど、こうした調理器具を使って料理を楽しみ、そして家族での食事の時間も楽しんでください」


(本誌:正藤 慶一)

2009年4月8日 00:00