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中国メーカー「ユービテック」のプログラミングロボット、日本市場に本格参入

 リンクスインターナショナルは、ヒューマノイドロボットメーカー、中国のUBTECH(ユービテック)との国内代理店契約を締結したことを発表した。

 ユービテックは、2012年に中国で設立された、ヒューマノイドロボット製造やR&Dに従事する企業。ロボット開発における、ハードウェアとソフトウェアの両面において、多くの特許や実用新案、ノウハウを持っているという。

日本で販売するユービテック「Alpha 1 Pro」

 日本市場に投入するのは、16のサーボモーターを搭載し、ダンスなど滑らかな動きが可能な「Alpha 1 Pro」。価格は62,640円(税込)。スマートフォンやタブレット用の簡易操作アプリを用意するほか、ロボットの動きを分かりやすい3Dで表現できるパソコン用のプログラムソフトが同梱。楽曲を読み込ませ、ダンスなどの動きを簡単にプログラミングできるとする。

高い身体能力を実現したユービテック「Alpha 1 Pro」

 また、対象年齢を小学生からとしているブロック型の「Jimu Robotシリーズ」も展開する。サーボモーターや赤外線センサー、ブロックなどの多彩なパーツを組み立てられる学習ロボット。子どもでも扱いやすい同梱のプログラミングソフトにより、好きな動きをさせられるという。また、公式デザイン以外にも、好きなようにパーツを組み合わせて、自分だけのロボットを作りだすこともできる。

 Jimu Robotシリーズは、TankBot(18,792円)、KarBot Kit(18,792円)、Mini Kit(16,308円)、Explorer Kit(24,840円)、Inventor Kit(49,680円)をラインナップする。

TankBot
ブロック、モーターやセンサーを組み合わせて作る
KarBot Kit
Explorer Kit
Inventor Kit

 同社によれば、Jimu RobotはSTEM教育(科学、数学領域の教育)にフォーカスした製品。物理学や電子工学、モーターやセンサーを用いることによりテクノロジーでの知見を高め、組み立てやソフトウェアのプログラミングが学べるほか、ブロックを自由に組み立てることで、独創性を育むのにも適しているという。

ブロック型のプログラムを組んでいきJimu Robotを動かすデモ
Jimu RobotのPRP機能

 発表会では、リンクスインターナショナル代表取締役 川島義之氏が登壇。ユービテックのポテンシャルを語るとともに、今回は、総代理店契約の締結を発表するものとした上で、次のように続けた。

 「残念ながら新製品の発表はないものの、今後はユービテックが開発する新製品を、日本でも発表していけるようにしたい。また日本の技術力とユービテックとが融合し、様々な製品が出てくることにも期待したい」と今後への意欲を示した。

リンクスインターナショナル代表取締役 川島義之氏

Amazon Alexaを採用したAIロボットを開発中

 また、続いて登壇したユービテックの海外セールスマネージャーのハリー・フー氏は、これまでの同社の歩みとともに、今後の買付計画についても言及。人工知能、Amazon Alexaを採用したロボット「Linx(リンクス)」を開発中で、北米では7月に発売予定だと明かした。

ユービテックの海外セールスマネージャー、ハリー・フー氏
北米ではAmazon Alexaを搭載した「Linx」を発売予定

 同モデルでは、音声認識によってロボットの動きをコントロールできたり、プログラミングができたりするようになるだろうという。

 発表会後の話によれば、同社R&D部門には約400名の開発者を揃えているという。ハードウェアだけでなく、ソフトウェア、特に人工知能に関する開発に力を入れている。既に中国語のみに対応したALPHA 2という、人工知能搭載のコミュニケーションロボットも発売している。そんな同社が、なぜAmazon Alexaを採用するのか? と質問してみた。

 「もちろん我々はAIの研究にも力を入れています。ただ、Amazon Alexaの音声認識のレベルまで到達させるには、莫大なコストと時間が必要です。そのため、ALPHA 2の流れで、AI搭載モデルは今後も開発を続けていきます。現在は中国語対応のみですが、日本語の音声認識について、日本で良いパートナーが見つかれば、ぜひ一緒に、日本語対応のALPHA 2も発売したいです」

 発表会では「未来は各家庭に一台以上のロボットと一緒に暮らすようになっているはず」と語っていた同氏。そうした未来を現実化するために、今後のロボットには何が必要なのかも聞いた。

 「第一に低価格化です。我々が既に発売している、高いコミュニケーション性能を備えたロボット クルーザーは、コンシューマーが購入できる価格ではありません。あくまでもB to Bという位置づけ。こうした高性能なロボットを低価格化していけば、家庭での導入も進むはずです。

B to B製品として発売されている「Cruizr(クルーザー)」

 さらに、人それぞれの“好み”を把握できるようになる必要もあります。例えば、同じ『テレビをつけて』と話かけた場合でも、お父さんが言った場合には、お父さんが好きなスポーツ番組を選局する。同様に子どもが『テレビをつけて』と言えば、アニメ番組を選局するなど、同じコマンドでも、誰が言ったのかを識別しつつ、個々人の好みに応じた動作ができるようになるべきでしょうね」