長期レビュー
パナソニック「スチームオーブンレンジ 3つ星ビストロ NE-R3200」 最終回
パナソニックのスチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-R3200」 |
最終回となる4回目は、蒸し物、炒め物、合わせ技料理、NE-R3200限定メニューをご紹介しよう。
■えびと青梗菜の蒸し物(魚の蒸し物)
低カロリー料理に目のない筆者。蒸し料理はその代表格といっても過言ではない。ビストロには「魚の蒸し物」というメニューが用意されており、レシピを見たところ、「たいの中華蒸し」「さけとあさりのハーブ蒸し」「あさりの酒蒸し」などが紹介されていた。特にこの中でも「えびと青梗菜の蒸し物」は一人分がなんと約91kcal! 「あさりの酒蒸し」も約39kcalとさらに低いのだが、がっつり食べたい派としては、食材のコントラストも美しく、食べ応えもありそうな「えびと青梗菜の蒸し物」に目が釘付け。当然試してみた次第である。
材料は大きめのえび4匹(塩を少々まぶす)、青梗菜2束、かいわれ大根少々。作り方は極めて簡単で、グリル皿の上に野菜、えびの順に重ねるだけだ。ダイヤルを回して「魚の蒸し物」を選んだら仕上がりボタンを2度押して「弱」にセット、スタートボタンで調理開始だ。所要時間は約18分である。
調理用に用意したえびと青梗菜。えびには塩をまぶしておく | 青梗菜、えびの順に重ねて広げる | 「魚の蒸し物」を選択 |
できあがったら盛りつけて、かいわれ大根を散らし、最後にお好みのドレッシングをかけたらあっと言う間に完成。非常に簡単なわりに、見栄えのする料理ができあがるのでちょっと感動だ。食べやすいこともあり、結局一人で全部食べてしまったのだが、それでもかなりヘルシー。おかずサラダとしても十分である。カロリーが気になる方だけでなく、お料理ビギナーにもお勧めしたい。
「仕上がり」ボタンを使って「弱」にセットしたら、スタートボタンを押す | 完成直後の様子 | えびにもバッチリ火が通っている |
お皿に移し、ドレッシングとかいわれ大根を散らして完成 | スチーム料理はつゆ受けに水が溜まるので、こまめに捨てよう | 1回の料理で排出された水は50cc弱だった |
スチーム料理といえば、レンジ用スチーマーを利用してレンジ加熱で調理する方法もある。しかしスチームで時間をかけてじっくり加熱するほうが、素材が優しく調理されるような気がした。
タップリのスチームでじっくり蒸し上げる |
■フライパンなしで、ソース焼きそば作りに挑戦
ビストロのメニューでは、「炒め物・煮物」カテゴリに「焼きそば」が用意されており、当然レシピ集にも焼きそばが紹介されている。しかしそこにあるのは、よくあるソース焼きそばではなかった。そこで調理方法を参考にしながら、身近な市販のソース焼きそばを作ってみることにした。
用意したのは粉末ソース付き焼きそば3玉、豚こま切れ肉、キャベツ、もやし適量に塩、胡椒、50cc程度のお湯。ボウルで野菜に塩胡椒をまぶし、グリル皿に野菜、豚肉の順に重ねる。麺は3玉すべてほぐし、お湯で溶いたソースをまんべんなく絡めたらグリル皿へ。野菜、肉、麺の3層構造が完成したところでビストロにセットした。自動メニューで「焼きそば」を選択したらそのまま加熱スタート。所要時間は約19分だ。
用意したソース焼きそばの材料 | 野菜や肉に下味をつけて、グリル皿で重ねる | 麺は3つともほぐし、ソースを絡める |
グリル皿に麺を載せて準備完了 | グリル皿はビストロの中段へ | 自動調理メニューから「焼きそば」を選ぶ |
庫内から取り出したら全体をよく混ぜて完成。フライパンと油を使わずに、3人分の焼きそばができあがった。焼きそばというより蒸しそばだろうか。油で炒めていない分、味にはややパンチに欠ける印象もあるが、3人分がまとめてできるというのはすごい。雰囲気としてはあと一人分追加しても対応できそうなので、大きなフライパンやホットプレートがないときでも心強い。
今どのメニューで調理しているか、残り時間がどれくらいかがハッキリ表示されるので助かる | 調理後の焼きそば |
麺の下の豚肉にも火が通っている | よく混ぜて完成。グリル皿の周りにソースが流れでているので要注意 |
■「合わせ技セット」で「ぜんざい」を作ってみた
上段では焼き物、下では煮物などができるという合わせ技調理。何を作ろうか迷っていたときが、ちょうど「鏡割り」というタイミングに。見ればビストロには「もちと汁物」というメニューがあり、レシピには「ぜんざい」が紹介されていたのだ。餅を焼きながら熱々の小豆を同時に作れるというのである。
鏡餅の容器から餅を取り出したところかなり小さかったため、パック入りの餅を1つ追加してグリル皿へ。深めの耐熱容器の中で缶詰のゆで小豆と水を混ぜて、ラップはせずにそのまま庫内のテーブル中央へ置いた。
「ぜんざい」作りに使用した一式 | 耐熱ボウルの中で、ゆで小豆と水を混ぜる | 餅は取り出してグリル皿に並べる |
ダイヤルを回して「合わせ技セット」の中から「もち&汁物」を選択。今回は2人前の量だったため、調理開始時に強さを「弱」にセットした。所要時間は約9分弱。
グリル皿は上段へ、耐熱ボウルはテーブル中央へ | 「合わせ技セット」で「もち&汁物」を選択 | 仕上がりは「弱」にセットして調理開始 |
餅はきつね色の焦げ目がつき、思い切り膨らんでいる。テーブル中央の小豆も熱々に煮上がっている。餅と小豆をお椀に移し、ぜんざいの完成だ。鍋の様子を見て、トースター(または魚焼きグリルなど)の餅の様子を見て……ということはなく「あとはよろしく!」状態。餅がグリル皿に焦げ付かず、取りやすいのもうれしい。簡単に季節の料理を用意できてよかった。
ほどよく焼き上がって膨らんだ餅 | 十分に温まった小豆 | 焼き餅と小豆を合わせて「ぜんざい」の完成 |
餅がグリル皿にくっつかないというのも嬉しい |
■NE-R3200限定メニューの「パリパリ焼きそばの五目あんかけ」を作る
パナソニックのサイト「Panasonic Cooking」を見ていたら、「パリパリ焼きそばの五目あんかけ」なるものを発見! 焼き物と煮物の同時調理が可能な「NE-R3200」だからこそできるメニューなのだという。パリパリ歯ごたえのよいそばはお店で食べるばかり。自宅で手軽にできれば最高である。
レシピに従って材料を用意。麺はあらかじめほぐしやすいタイプを選んでいる。手順通り、豚肉、玉ねぎ、にんじんだけ下味をつけたら、耐熱ボウルに入れて、いったんレンジで加熱して下ごしらえだ。その後他の材料と混ぜあわせ、別途用意したたれを入れ、クッキングシートで作った落とし蓋でフタをする。麺はほぐしたらグリル皿に広げ、表面にサラダオイルを適量塗っておく。
「パリパリ焼きそばの五目あんかけ」の材料。せっかくなので、大好きなカニかまも追加 | 下ごしらえした肉と野菜に、たれを合わせる | クッキングシートで作った落とし蓋を被せる |
「ぜんざい」でもやった通り、グリル皿は上段へ、耐熱ボウルはテーブルの中央へ。あとは自動メニューの「合わせ技セット」→「ご飯物&汁物」で加熱だ。最初はスチームで調理されていたので、中はほとんど見えなかったが、残り6分程から麺の表面に焦げ目がつき始めていた。加熱の所要時間は20分程。
麺はグリル皿に広げ、ハケを使って表面にサラダオイルを塗布 | グリル皿と耐熱ボウルをビストロにセット | 選択するメニューは意外にも「ご飯物&汁物」 |
加熱が終了したら、あんをよく混ぜあわせ、麺とともに皿に盛りつけ、最後に万能ネギを散らして完成だ。
これはおいしい! ヘルシオで作る酢豚に匹敵する喜びである。20分という調理時間は少々長いようにも思うが、ネギを刻んだり器具の片付けができる時間とも考えられるので全く問題ない。
焼きおにぎりと豚汁などもこのメニューで対応できるようだ | 完成した2品 | 麺の表面は確かにパリパリになった |
よく混ぜたあんかけ用のあん | わけぎを散らして「パリパリ焼きそばの五目あんかけ」が完成 | 歯ごたえがあって香ばしく、おかわりするほどのおいしさ! |
用意されている合わせ技セットのメニューでも、アレンジ次第で可能性が広がることを教わった気がした。
麺が焼ける様子から調理後、盛りつけ後の様子。同時調理でここまでできるのは楽しい |
■非常に使いやすく、バランスのよいスチームオーブンレンジ
今回は約1カ月間、ビストロを使用したわけだが、最後にはここといって大きな不満を感じることもなく使い終えることができた。当初は遠くのメニューほどグルグルと回転させねばならないダイヤル操作に戸惑ったが、気がつけば慣れていた。
情報表示がハッキリしていて見やすいため、今何を選んでいるのかが明確で安心できるのだ。おかげで操作に失敗することもなかったといっていい。当初はダイヤルを回しながら、「もっとショートカット的ボタンがあればいいのに!!」と思うことがあったのだが、むしろ最低限のボタン配置と、1つのボタンを一定方向に回して押すだけという単純な操作性だからこそ、迷わずに済んだのかもしれない。
自動メニューの階層が2つまでというのも、わかりやすさのポイントだろう。「焼き物」や「蒸し物」といったジャンルを選択したら、液晶に見えている範囲のメニューから選ぶだけなので覚える必要がない。
メニュー数そのものはヘルシオほど多くないのだが、ビストロの自動メニューの場合、「とんかつ」や「鶏のから揚げ」のようにメジャーな料理名がピンポイントで選べる場合と、「肉の蒸し物」や「ご飯&汁物」のような汎用的なメニューがある。「ご飯&汁物」で「パリパリ焼きそばの五目あんかけ」を作ったように、汎用的なメニューを使いこなすことでかなり幅広く対応できるようのなので安心だ。(もちろんレシピ集などの情報や、ある程度の経験は必要)
各種温め機能も比較的スピーディで、あまり待たされているという気がしないうえに、温度表示、残り時間表示が親切だ。同時に2品温められる機能もありがたかった。
調理においては、これまでグリル皿しか使っていないことに気がついた。角皿は2枚もついているのだが、結局一度も使わずじまい。パンやケーキ、お菓子類を作らなかったからだと思うが、グリル皿1枚で、蒸し物から焼き物までこなせてしまうというのも面白い。同時調理の必須アイテムでもある。しかも、そのグリル皿は一般家庭の流しにすっぽり入り、水切りもしやすい!
強いて不満を述べるとすれば、テーブルがやや高いことと、つゆ受けが少々取り外しにくいと感じたことくらいだろうか。
ヘルシオの時に感じたような強烈な個性はないものの、ノンフライ調理は可能だし、全体的にそつなく使える、バランスのよいスチームオーブンレンジだと思う。これから料理を始めたい方から、料理の幅を広げたい方にまで、広くお勧めできる1台だ。
2010年3月5日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)