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【ミラノサローネ2012】
世界最大級のデザインイベント「ミラノサローネ」が開幕

 4月17日、世界最大級のデザインイベント「ミラノサローネ」が、イタリア・ミラノで開幕した。会期は22日まで。 

 「ミラノサローネ」は、毎年30万人前後が参加する世界最大規模のデザインイベント。「ミラノサローネ」というのは日本での通称で、実際には多数のイベントの複合イベントになっている。

ミラノ大学の廊下に飾られた6人のロシア人アーティストによる「HALL AULA MAGNA」。アートとデザインの境界線はどこかを問う作品

 家電Watchでなぜデザインの記事が、と思う読者もいるかも知れないが、デザインとは、生活のすべてに関わってくるものだ。実際にミラノサローネは、出展する企業の幅も広ければ、展示されているデザインの幅も非常に広い。

 今年は日本のKDDIが携帯電話のコンセプトモデルを初展示したかと思えば、シトロエンやポルシェが車のデザインを展示、スイスのエネルギー会社「REPOWER」は環境に調和した新しい火力・水力発電所のデザインを展示している。同じスイスのオードマ・ピゲが腕時計「ROYAL OAK」の過去40年のモデルを陳列する横で、イタリアのデザイナーが最新スパの空間デザインの展示を行なっている。

 我々の生活を支える道具すべて、人がつくったものすべては、その開発にデザイナーが関わっていようが、いまいが「デザイン」が介在する(中国語ではデザインは「計画」と書くそうだ)。「いいデザインの製品」と「悪いデザインの製品」は存在するが、デザインが存在しない製品はない。

 家電製品のデジタル化が進み、パソコンの世界同様、機能やスペックによる競争は終わりを迎えつつある。1社がどんなに機能が豊富で、スペックの優れた家電製品を出してきても、すぐにもっといいスペックの製品が出てきて、機能も追いつかれてしまうからだ。

 そんな今、家電においてもっとも大事なのは、使い心地の良さや、応用の広さ、そして製品への愛着を生み出すデザインだろう。

 そこで家電Watchでは、ミラノサローネで見かけた面白い展示やデザインアイディア、そして家電のデザインをいくつか紹介する予定だ。

CITROENは、ミラノの高級ショッピング通り、モンテナポレオーネ通りを占拠し、同社の車に合う家具の提案を行なった REPOWER社による革新的火力発電所の提案 スイスのオードマ・ピゲ社は時計「ROYAL OAK」の40周年を祝い歴代ROYAL OAK 102点を展示
LASVIT社は、同社の新しい素材「LIQUIDKRISTAL」を3、5種類の表紙バリエーションを持つパンフレットと同素材でつくられた部屋で表現。空間デザインはイギリスの有名デザイナー、ロス・ラブグローブ氏 Samsungの展示。同社のタブレットを通してみるAR技術で未来の生活のようすを映像作品としてみせた。映像制作はイタリアのBONSAI NINJA

ミラノサローネとは?

 冒頭でも書いたように「ミラノサローネ」は、日本での通称であり、正式なイベント名称ではない。なぜ、通称を使うかと言うと、イベントが無数のイベントの集合体になっていて、全体を総括するのに通称が必要だからだ。

 もともとは、ミラノ市の北西、ロー市にある巨大展示会場「新見本市会場」で行なわれる家具などのトレードショーが出発点だ。しかし、現在ではこれに合わせて、以下の7つの、いずれも巨大なイベントが同時開催している。

【期間中に実施されるイベント】
サローネ国際家具見本市
サローネ国際インテリア小物見本市
Salone Satellite
(サローネサテリテ)
Euroluce
(エウロルーチェ・サローネ国際照明見本市)
Eurocucina
(エウロクチーナ・サローネ国際キッチン見本市)
Salone Ufficio
(サローネウッフィーチョ・サローネ国際オフィス家具見本市)
Salone Internazionale del Bagno
(サローネ国際バーニョ[バスルーム]見本市)

 これに加えて、1週間の会期中、ミラノの市内でもインテリアショップや美術館、イベント会場や大学、空きビルなど、数百カ所で同時にイベントが開催される。

 これらは展示会場の外で行なわれる「サローネ」ということで、「Fuorisalone(フオリサローネ:場外サローネという意味)」と総称される。実はこれも通称で、実際にはインテリアショップやギャラリーが多いBRERA地区で開催するBRERA Design District、トルトーナ地区で開催のTortona Design Weekなど、同じ1週間の間に多数同時に開催される。そのため最近では、英語圏のメディアは「Milano Design Week」と呼ばれることも多くなっている。



(林 信行)

2012年4月19日 00:00