【ライティングフェア2011】
LEDなのに面で発光する、タッチして色温度が変えられるLEDスタンド
照明機器・技術の展示会「ライティング・フェア2011 第10回国際照明総合展」が、3月8日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は11日までの4日間で、入場料は1,500円。本誌では家庭用の照明器具を中心にお伝えする。
ライティングフェアでは、店舗や施設など業務向けに加えて、一般家庭向けの照明機器も多く展示されている。その中でも多く見られたのが、LEDを光源とするスタンドライト(デスクライト、アームライト)だ。当記事では、会場に並んでいたさまざまなLEDスタンドの中から一部を紹介する。
■LEDなのに面で光る、導光板採用のLEDスタンド
興和のLEDスタンド「LUPINUS EK220/210」。既に発売しているが、写真中央のカラフルな色遣いのものは参考出品となる |
会場に並んでいたLEDスタンドで多く見られたのが、“面発光”タイプのもの。LEDはもともと点で発光するため、基本的には面発光はできない。しかし、「導光板」というパネルにLEDの光を当てることで、“点”の光を“面”に変換できる。これにより、チラつきや光のツブツブ感、影の重なりを抑えた、目にやさしい光が演出できる。
面発光のLEDスタンドを多く扱っていたのが興和のブースだ。同社は自社で導光板を搭載したLEDモジュールを開発しており、そのモジュールをLEDスタンド「LUPINUS(ルピナス)」シリーズに使用している。 現在販売されているのは、読書向けのデスクライト「EK220」、大型で仕事や勉強といったデスクワーク向けのスタンドライト「EK241」、ネイルアートなどの細かい作業に向くミニサイズの「EK223」など。
EK241は、台座部のボタンを押すことにより、照度が強/中/弱に切り換えられる。EK220とEK223は調光はできないが、机などに挟んで固定するクリップタイプの「EK210/EK213」も用意される。
いずれも発売中で、希望小売価格はEK241が25,000円、EK220/221が17,325円、EK223/213が9,975円。光色はすべて白色(5,000K)。
デスクワーク向けの大型LEDスタンドライト「EK241」 | EK241には黒/赤/シルバー/白の4色が用意される | こちらは小型タイプの「EK213/223」 |
調光は台座部のボタンを押して切り替える |
興和の導光板の仕組み。導光板の端にあるLEDランプが点灯し、導光板が光る仕組みだ | 同社の導光板を用いたサイン照明。なお興和は「キャべジン」や「バンテリン」などの薬も販売している |
三菱電機オスラムのブースに転じされていたLEDデスクスタンド。発売日・価格とも未定 |
導光板を用いたLEDスタンドではこのほか、三菱電機オスラムのブースで公開されていたデスクスタンドが目についた。大きめのLEDスタンドだが、台座部分に調光ができるタッチパネルを設けた点が特徴。タッチパネルには5つの丸い印があり、4段階に明るさが調節できる(一番下の印は消灯)。また、興和のスタンドと比べると、導光板の横幅が広く、正方形に近い形状となっている。
参考出品のため、価格・発売日ともに未定。光色は白色だが、やや赤みがかかった印象を受ける。なお同社では、すでに導光板を搭載したLEDスタンド「LEDCIRCLE」「LEDPANEL」を発売している。
興和よりも幅が大きい導光板を採用している | 台座部に設けられた、タッチパネル部分。○部分をタッチすることで、明るさが調節できる |
既に発売中の「LEDCIRCLE」 | 導光板は正方形に近い | 同じく発売中の「LEDPANEL」。「LEDCIRCLE」と比べると、パネルがやや大きめ |
サンジェルマンのブースで展示されていたLEDスタンド。こちらも明るさが4段階に切り替えられる |
タッチパネルで調光できるLEDスタンドは、サンジェルマンのブースにも展示されていた。明るさが4段階に切り換えられる点は三菱電機オスラムのものと同じだが、導光板は、興和と同じく長細い形状となっている。参考出品のため、価格・発売日とも未定。光色は白色。
三菱電機オスラムのLEDスタンドを調光しているところ | サンジェルマンのLEDスタンドを調光しているところ |
LIFELED'S(ライフレッズ) LEDスタンド。導光板は採用していないが、発光面に光を拡散するシートを備えている |
NECライティングのブースでは、直下照度1,500lxで“業界最高クラスの明るさ”を謳うLEDスタンド「LIFELED'S(ライフレッズ) LEDスタンド HSD16001」が展示されていた。3月7日に発売したばかりで、希望小売価格は21,000円。
この商品は導光板は採用していないが、発光面に光を拡散するシートを採用することで、眩しさを軽減し、手元に多重の陰が重なることを抑えているという。色の再現性を表わす平均演色評価数もRa80と高い。明るく自然な光が印象的だった。
調光は70%のみだが、土台部分がオレンジ色に光る常夜灯モードも搭載。モードは土台部分のボタンを押して切り換える。
台座の側面が光り、常夜灯としても使用できる(写真下)。通常は消灯している(写真上) | 点灯状態によって、台座のスイッチの色が変わる。左から、全灯、70%調光、常夜灯、消灯 |
■タッチパネルを触るだけ、ボタンを押すだけで光色が変わるLEDスタンド
透明のアクリル製アームが美しいLEDデスクライト「Z-6100 NORLYS」 |
山田照明のブースでは、色温度が任意に変えられる「Z-LIGHT」シリーズのLEDスタンド2機種が展示されていた。
「Z-6100 NORLYS」は、アーム部に透明のアクリル素材を採用した、独特のデザイン性がおもしろいLEDデスクライト。LED自体は台座内部に埋め込まれており、透明のアーム内をLEDの光が通過、アーム先端から光が放たれる仕組みになっている。
これだけでも面白いのだが、さらに仕組みがある。台座部に設けられた9×9のドットのタッチパネルに触れることで、調色・調光もできてしまうのだ。色温度は2,700~8,000K、明るさは5~100%の間で調節できる。ただでさえ美しいフォルムに加えて、色や明るさでさまざまな表情を演出できる、贅沢なデスクライトだ。発売中で、希望小売価格は39,900円。
台座部に設けられたタッチパネルに触れて、色温度や光色が調節できる。上下が明るさ、右が暖色、左が寒色となる | 写真のような電球色にもできる | パネルをワンタッチすれば、簡単に白色系に変えられる |
「Z-70」は、円形のセードが特徴のLEDアームライト。セード中央のボタンを押し続けることで、色温度が2,700~4,200Kの間で任意に調節できる。NORLYSと比べると色温度に幅がないが、高さ40cm時の明るさは白熱電球100W相当の1,694lxと、実用的な明るさがある。また、多重陰や不快なまぶしさを抑えた設計になっているという。発売中で、希望小売価格は39,900円。
円形のセードを搭載したLEDアームライト「Z-70」 | セード中央のボタンを押し続けることで、色温度が変更できる。写真は白色 | 数秒押し続けていると、電球色になる |
【お詫びと訂正】初出時、動画のキャプションに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
(正藤 慶一)
2011年3月10日 00:00