プロ向けのダンボールオープナー「開封のこ カイちゃん」

長谷川刃物の「開封のこ カイちゃんフッ素コーティング」

　今回紹介するのは、物流のプロも使っている「開封のこ カイちゃんフッ素コーティング」だ。以前紹介した、カッターやハサミではなかなか切れないダンボールをスイスイ切れる「段ボールのこ ダンちゃん」と同じ、長谷川刃物が製造元だ。

　「段ボールのこ ダンちゃん」は刃が10cmほどあったが、今回の「開封のこ カイちゃん」は刃を3cmほどに短くして、フッ素コーティングしたことで、開封に特化したナイフだ。

梱包の開封に特化したカイちゃん

緑の柄は、以前に紹介した「段ボールのこ ダンちゃん」

ガムテープでもビニールバンドでも一瞬で開封!

　まずカイちゃんのスゴイところは、荷物にかかっているビニールバンドが簡単に切れる点だ。このビニールバンドをカッターで切ろうとすると、想像以上に固く刃がしなって切るのが怖い。あまりに固い場合は、ハサミで切らないと怖いほどだ。

家電を購入するとよくかけてくれるビニールバンド。これ結構固くて、カッターで切るのは怖い。でもカイちゃんなら刃を当てて軽く引くだけ

カッターの刃(上)と比べると厚さが倍ほど違うので、固いものを切るときの怖さがない

　でもカイちゃんなら、刃の厚みがカッターの倍ぐらいあるので、刃が折れそうという怖さがまったくない。しかも刃にノコギリのようなギザギザが入っているので、ビニールバンドに軽く刃を当てて引くとスバンッ! と切れる。言いすぎと思われるかもしれないが、開梱作業に革命をもたらすツールだ。

　普段使いで便利なのは、通販などの梱包を開ける場合だ。amazonのダンボールは開けやすい工夫がしてあるけれど、個人商店が多い楽天などで買い物をすると、梱包は千差万別だ。ダンボールに商品を入れてテープで封しているフツーの荷物なら、カッターでテープを切れば簡単に開けられる。

　しかしお店や商品によっては、ダンボールそのものを切らないと中身が取り出せない厳重なヤツもある(笑)。こんなときカッターで開けようとすると、中身をキズつけてしまいそうで、外科手術でもするように慎重に荷物に刃を入れなければならない。かといってハサミで切ると、ガムテープが刃にこびり付くわ、固すぎて指が痛くなるでは、開梱も一苦労。

ダンボールも自由自在にサクッと切れる。カッターというよりノコギリに近い感じ

刃の横はギザギザも付いて鋭くなっているが、刃先は丸く刃がついていない

　でもカイちゃんなら、刃渡りが短く刃先は丸く鋭くないので、中の荷物をキズつけにくい。もちろん固いダンボールでも少し刃を引いてやればザクザクと切れるので、力も必要ない。

　荷物を開けるのに、安全に、力もかからず、ラクにダンボールも切れるが、中の荷物が傷つかない。それがカイちゃんのミラクルだ。

フッ素コーティングでテープの粘着から刃を守る

　カイちゃんはその名の通り、刃にフッ素コーティングが施されている。コゲ付かないフライパンの加工と同じフッ素コートだ。

　先にも少し説明したとおり、粘着テープを刃物で切ると刃に粘着材がついてしまい、切れにくくなったり使い勝手が悪くなる。とくに布製のガムテープはタチが悪く、ハサミもカッターもダメにしてしまう。

布ガムテープの強力な粘着材でもフッ素コーティングで刃に付くことはない

　しかしフッ素コーティングされたカイちゃんなら、フライパンのコゲ付きよろしく粘着材が刃に付かない。セロファンテープみたいなテープやクラフトテープはおろか、布のガムテープを切っても刃はきれいなまま。

　試しにわざと刃に布のガムテープを付けてみたが、キレイにはがれた。もっとタチの悪いブチルゴム(建材や自動車などで使われる)のテープで試しても、刃に付く様子はまったくなかった。刃物のフッ素コーティングは、かなり便利だ。

カッターとカイちゃんにブルチルゴムの両面テープを張ってテスト

カッターには黒いブチルゴムがくっついてしまったが、カイちゃんの刃にはまったく付着しなかった

　なお製品のラインナップには、フッ素コーティングされていない「開封のこ カイちゃん」(刃が黒いものがフッ素コーティングタイプ)もあるので購入の際には注意すること。

お店などではダンボールをカットしてそのまま陳列

　さてこんなミラクルな開梱専用カッターは、業務用で使うとさらに効果的だ。たとえば商品が梱包されているダンボールの一部に穴を開け、そのまま商品を陳列するような場合。

ダンボールそのものを陳列するディスプレイなどでは重宝する

切れ味がいいので、丸や波型などに切るのも簡単

　ダンボールに刃をブスリと差し込んでも、先端は刃になっていないので商品に傷がついたり穴があくことがない。ダンボールに穴を開ける場合は、差し込んだ刃を軽く押し引きするだけで、どんなに固いダンボールでも、ザクザク切れる。たとえ粘着テープをまたいで切るような場合でも、粘着材が刃について切れにくくなることもない。

どんな持ち方をしてもグリップがいい。長時間作業でも疲れないツールとしても秀作

　なによりどんな握り方をしても、グリップがちょうどいい具合になっていて、力を入れやすい。軽く刃を引くだけで鋭い切れ味なので、力を入れるシーンは少ないかもしれないが、長時間の作業ではカッターでの作業とは疲れがまったく異なるだろう。スーパーや小売店などでは、一度使うと品出しには必須のアイテムになる。

　なおカイちゃんは、常に刃が出た状態になっているが、姉妹品の「物流くん」はカッターの刃のようにボディへ収納できる。こちらの刃もフッ素コーティングされたものもあるので、参考にして欲しい。

小売店の品出しでは必須アイテム! 家庭にも1本は欲しい!

　このようにプロの現場でも使える開梱専用カッター、カイちゃん フッ素コーティングは、長谷川刃物だけのオンリーワン商品。

　物流や小売店をはじめとしたプロにオススメできるだけでなく、家庭にもぜひ1本備えておきたいカッターだ。