やじうまミニレビュー
パイロット「フリクションボールノック」
パイロット「フリクションボール」 |
スケジュール管理はウェブ上やモバイル端末でするのが当たり前の時代だけれども、いまだに紙の手帳を手放せずにいる。今年も秋口に文房具店や書店の端で大量の新作手帳が出ているのを見て、なんだか安心した。ただ、紙の手帳だと予定が変更になった時にボールペンの字を消せないのが非常にもどかしい。
そんなボールペンは一度書いたら消せない、という思い込みをひっくり返してヒットしたのが、2007年から国内で発売されているパイロットのフリクションボールシリーズだ。本日紹介するのは、同シリーズの新作で、今年7月に発売された「フリクションボールノック」である。
メーカー | パイロット |
製品名 | フリクションボールノック |
希望小売価格 | 230円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 200円 |
このやじうまミニレビューでも過去に「フリクションボール」と、その後継の「フリクションポイント」を取り上げている。熱で色が消える特殊なインクを採用し、ペンの末端部分についたラバーでこすると字が消えるという仕組みだ。現在このシリーズは線の太さの種類や色も増え、蛍光ペンや色鉛筆、ビジネス向け仕様なども登場している。
今回紹介するフリクションボールノックは、その名のとおりノック式でペン先がおさまるので、キャップがない。ノックはクリップ部で行なう「クリップスライドノック式」を採用し、クリップ部の脇にある「ノックインジケーター」で、ペン先が「ON」状態になっているか識別できるようになっている。
線の太さは0.5mmと0.7mmの2種類。色は黒、赤、青というベーシックな3色で展開している。また、前作に引き続き、本体部には証書類・宛名書きには使用できません、と明記されている。
ノック式に生まれ変わったフリクションボール | クリップをノックするとペン先が出る | 常にラバー部が露出した状態なのでサッと消せる |
ノックインジケーター「OFF」状態 | ノックインジケーター「ON」状態。クリップ部をノックすると黄色に変わる |
今回は、フリクションボールノックのブラックの0.5mmとレッドの0.7mmを使用した。
ペンを握ってみると軽く、グリップ部のラバーはやや固め。書き心地はゲルインキらしくさらっとしていて、インクの流量は多めだ。
0.5mm黒と0.7mm赤を試し書き | トメ、ハネ、はらいも十分に表現できる | きれいに消せた |
それでは、キャップがなくなったことで使い心地がどう変わったか。色々ペンで書いて消してみると、こするとインキが透明になる点や、消しカスが出ない点などは従来と同じだが、ノックして、書いて、消す、という一連のステップが前作よりもスムーズになったように感じた。
実は私は以前、従来モデルのフリクションポイントを愛用していたが、キャップをいちいち外してラバー部を使うのが面倒臭く、いつの間にかキャップもどこかへ消えてしまったので、結局再び購入することはなかった。インクの特性は秀逸なだけに残念だと思っていた。
メーカーのサイトでも、「待望のノック式フリクションボールが遂に登場」と謳われているので、おそらく同じような意見が多く寄せられていて、今回の発売に至ったのだろう。フリクションシリーズは新作発表のたびにユーザー目線から進化してきていように感じて頼もしい。
今後ぜひ期待したいのは、細い線が書けてカラーバリエーションの豊富なフリクションポイントもノック式にすることだ。
さらに願わくは、同社の多色ゲルインキボールペン、「ハイテックCコレト」のように、フリクションシリーズも多色ボールペン化してほしいものだ。私は予定をカテゴリーごとに色で分けて手帳に書き込んでいて、外出先で予定を書き込むことも多い。本当は消せるボールペンをを何色も揃えて持ち歩きたいところだが、それだとかさばってしまうので、現在は多色ボールペンを愛用中だ。字を消すことが不可能なので、不確定の予定は付箋に書いて貼ったり、ペンでぐちゃぐちゃに消してしのいでいる。
仕事や遊びなどカテゴリー別に色をわけるようになったのは高校生の頃から | 消せないペンで書いてしまった予定をグチャっと消したら、虫の絵にして、せめてものかわいさを演出 |
実際に手帳に書き込んでみると、0.7mmだと読みづらいが0.5mmなら問題なく読める。個人的にはフリクションポイント0.4くらいの細さが見栄えが良く好みだ | 多色ゲルインクボールペンも色々渡り歩いていて、今はuniのSTYLE FITを使用中。これでフリクションの消せるインクなら言うことはないのだが |
価格は200円台で、ボールペンとしては高めの価格帯に属するが、消せるという他にはない機能を求める人には高く感じないだろう。これまでのフリクションシリーズユーザーも、使いやすくなったノック式を体感してほしい。
2010年 9月 8日 00:00
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