やじうまミニレビュー

タカラトミー「ぱぱっとパン屋さん」

~おもちゃといえど侮れない! 本格的なパンが焼けるクッキングトイ
by 藤山 哲人


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


タカラトミー「ぱぱっとパン屋さん」。

 2009年のおもちゃ業界は、クッキングトイ戦国時代。

 家電Watchでも、ミキシングアイスを作る「アイスマージェ」を紹介したが、それはクッキントイの氷山の一角にしか過ぎない。数々のクッキングトイが発売され、おもちゃ業界の牽引車になっているというのだ。

 それを裏付けるのは「月刊トイジャーナル」という業界誌を発行しているトイジャーナル編集局が運営する「日本のおもちゃ情報」というWebサイトだ。ここにはジャンル分けされたランキングが掲載されているが、2009年11月6日現在の女の子向けおもちゃとして1位に「ハッピーキッチンカフェ はじめてマカロン」、3位に「チョコバナっちょ!」がランクインしている。前者は、マカロンというお菓子を作る玩具で、後者は夜店で売っているチョコバナナを作る玩具だ。

 さらに株式会社アイシェアというリサーチ会社が「大人」に行なった「クッキングトイに関する意識調査」アンケートでは、その8割が「クッキングトイで作ってみたいものがある」と答え、そのナンバーワンになったのが「パン」なのだ。クッキングトイは子供のおもちゃという枠を超え、安価で便利な調理器具として大人も買っているという現状がある。

グラフの中にあるものは、すべてクッキングトイがあるということ

 今日紹介するのは、大人にも人気No1のパンを通常なら150分かかるところを、約1/4の40分で作れてしまう「ぱぱっとパン屋さん」だ。

 作りは単純だが、クリスマスプレゼントにすれば、お母さんも喜ぶはず。


メーカータカラトミー
製品名ぱぱっとパン屋さん
希望小売価格3,129円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,190円


計量カップもはかりも不要!

 パンやお菓子作りでは、計量カップやはかりを使って材料を正確に用意しなければならないが、ぱぱっとパン屋さんでは一切不要。粉は容器の線まで入れればいいし、塩やバター、イースト菌は専用のスプーンで量ればいい。家にはホームベーカリーがあるが、それより簡単に、素早く作れてしまうというのだから驚きだ。

 用意するのは、強力粉にバター、牛乳に塩、イースト菌に艶出し用のたまご。普通のパン作りとまったく同じだ。あとはオーブンレンジさえあればいい。パン作りに欠かせない発酵だが、発酵器はもちろん、コタツすら不要。なんと電子レンジで発酵させてしまうのだ。

添付のマニュアルには、詳しい作り方の説明と22種類のレシピが掲載されている。また用紙がコーティング(おそらくニス引き)されているので、粉や水分で多少付いても破れたり、汚れたりしないのもうれしい

 対象年齢は8歳以上なので、このところ大活躍の一番小さい小学3年生の娘に作らせてみた。初めて作る場合でもマニュアルの文章にはすべてルビが振られおり、写真をふんだんに使った説明なので、簡単に作れるだろう。


基本の生地作りはレバーをクルクルで簡単!

 まずはバターひとかけを電子レンジにかけて溶かす。スタートボタンを押したら、テーブルに戻り強力粉の分量をはかる。とはいえ、水を注ぐように容器の線まで粉を入れるだけでいい。今度は専用のスプーンを使って塩をはかり容器の中に入れるだけ。

バターひとかけを電子レンジで溶かす粉の計量は、専用容器の線まで入れるだけ塩は専用のスプーンで分量を量る

 塩を混ぜた粉をいったんボウルに移し、容器の線まで牛乳を注ぐ。そこに先ほど溶かしたバターを混ぜ、容器にフタをして500~600Wの電子レンジで20秒チン! あとはと取っ手をつけてクルクル回して攪拌する。

塩を混ぜた強力粉はいったんボウルに移す容器の線まで牛乳を注ぎ込む
バターを混ぜて、電子レンジで少し温める容器の中には羽が付いているので、レバーを回すと攪拌される

 はかり要らずというところだけでも驚かされたが、これからが「ぱぱっとパン屋さん」の凄いところだ。

 容器のふたを穴つきの容器に差し替え、黄色のパーツを取り付けると上段が粉ふるいに早変わり。そこに砂糖とイースト菌を専用スプーンで分量をはかって入れる。最後に粉ふるいにフタをかぶせてレバーを取り付け、またクルクルすると、上段でふるいにかけつつ、下段で牛乳と混ぜ合わせられる。しかも下段の牛乳は直前に温めたので、イーストの発酵も始まるというわけだ。

オレンジの下段には先に暖めた牛乳とバターが入っている。上段を粉ふるいに変形させて砂糖を入れるイースト菌をふるいに入れるフタをしてレバーをクルクル。下段に落ちた砂糖とイーストが牛乳と混ざる

 最後は、ボウルに移しておいた塩入りの強力粉を容器に戻し、3度目のクルクル。粉はふるいにかけられ、徐所に下段に落ちていき、下段ではすべての材料がミックスされコネられるというわけだ。1分もすればパン生地が完成する。

塩を入れた強力粉をふるいに入れる1分間レバーをクルクル回す。子供の力でも十分に回せる生地の完成! これをレンジに入れて1次発酵させる。


電子レンジで1、2次発酵と楽しい形作り

 できあがった生地を電子レンジに入れ、レンジを弱にして30秒チン! これで1次発酵の終わり。あとは作業台に打ち粉をして、パンの形作りだ。

作業台に打ち粉をして生地を切り分ける面白いところだけ姉が参入! ズルいぞ!父はつい、こういうのを作りたくなる(笑)。ええ、蛇ですよヘビ

 一番面白いのは形作り。生地を均等に分けて、みんなで面白い形や味のパンを作っていく。ここでは、ザラメとシナモンを振ったシナモンロールを作ったが、ウィンナーやチーズを入れたりで、いろいろな味のバリエーションも作れる。可能性は無限大だ。

生地にザラメとシナモンを振ってシナモンロールに巻いたら3等分にしてカップに入れるとシナモンロールの完成お姉ちゃんは、うざぎパンを鋭意製作中!

 形ができあがったらテンパンに乗せ、レンジを弱にして30秒チン。そのままの状態で15分放置しておくと、2次発酵の終了となる。

500~600Wの電子レンジを弱にして30秒チン。これで2次発酵の準備OKオープンペーパーをかけたまま15分まっていると、2次発酵は進む2次発酵が終わると、生地は1.5倍ほどに膨れ上がる


艶出し用のたまごを塗ってオーブンで焼く

 2次発酵が終わると、生地が1.5倍ほどに膨れ上がる。ここに艶出し用のたまごを塗って200℃で15分焼く。

必須というわけではないが、艶出し用のたまごを塗っていく200℃に余熱したオープンで15分焼き上げる

 焼いている間は、香ばしい香りが部屋に広がり、それはまさにパンの香り。作り始めてからおよそ40分で、ご覧の通りのおいしそうなパンの完成だ!

焼き上がりはホテルブレッドやお店のものとほとんど変わらない割ってみると、ふっくら焼きあがっているのが分かるだろう

 試食してみると……うまい!

 焼きたてということもあるのかも知れないが、その味はホテルのレストランで出てくるパンとほぼ同じ味。モチモチの食感でほんのり甘く、イーストのいい香りが鼻から抜けるのだ。パン自体に甘みがあるので、ジャムなどをつけなくても充分においしい。

 分量は子供3人のおやつにはちょうどいいぐらい。このクオリティーのパンが40分で作れるのであれば、玩具というよりキッチン便利グッズとしても利用価値が高いといえるだろう。

 なお同じ要領で、蒸しまんや蒸しパンも作れる。こちらはオーブンを使わずに「ぱぱっとパン屋さん」の下段に水を入れ上段にパンを入れて、レンジで1分加熱するだけで蒸しあがる。

 クリスマスには、子供からゲームソフトをせがまれることが多いだろうが、この「ぱぱっとパン屋さん」のようなクッキングトイは、子供も大喜びすること間違いない。何より、お母さんが喜んで使ってくれるだろう。





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2009年 12月 16日   00:00