やじうまミニレビュー

富士コスモサイエンス「宇宙ペン ノック式」

~宇宙空間でも書けるボールペンを地上でも
by 林 佑樹


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富士コスモサイエンス「宇宙ペン ノック式」

 岐阜県・神岡には、宇宙より飛来するニュートリノを観測する施設「スーパーカミオカンデ」がある。そこを訪れる途中の道の駅で、そなも“宇宙ペン”なるものを見つけた。そのときはローカルなお土産物専用品かと思っていたのだが、ネットショップで普通に市販されているもののようだ。

 今回は、この「宇宙ペン ノック式」を紹介しよう。


メーカー富士コスモサイエンス
製品名宇宙ペン ノック式
購入店舗道の駅「宙ドーム・神岡」
購入価格1,260円

 宇宙ペン。そのままなネーミングが、小さな子が喜びそうなおもちゃのようなボールペンと思ってしまった。しかし、パッケージの謳い文句には、

  ・無重力の宇宙でも書ける!
  ・水の中でも書ける!
  ・マイナス45℃~204℃でも書ける!
  ・特殊色素インクで永久に消えない!
  ・インクは100年間は乾燥しない!
  ・アポロ計画、スペースシャトル計画で使用!

 というように、“男の子魂”を刺激するような魅力的な文言が並んでいる。

パッケージには「無重力の宇宙でも書ける!」「マイナス45℃~204℃でも書ける!」といったアツイ文言が並んでいるペン自体の見た目は普通。正直に言ってあまり高級感は感じられない

 この宇宙ペンの歴史を調べてみると、1968年、NASAからの「宇宙空間でも書けるボールペンを」という要請を受け、フィッシャーカンパニーというペンの会社が開発したもので、当時としては様々な技術が組み込まれたボールペンなのだそうだ。ペンに技術を注ぎ込むあまり“一方、ロシアは鉛筆を使った”というアメリカンジョークもあるくらいなのだとか。ちなみに、パッケージ上部には“Fisher SPACE PEN”と書かれている。

 ともあれ、スペックを見ていこう。宇宙ペンのペン先は超硬タングステンカーバイドボールを採用しており、内部は一定圧力の窒素ガスが充填されているため、ペン先の方向に関係なく、スムーズな書き出しが可能という。インクは、特殊な粘着性のあるインクが密閉されているため、長期保存にも対応している。粘着性が強く、写真の上にも難なく書けるなどの利点もある。

ペン先は、超硬タングステンカーバイドボール製。見た目は普通のボールペンと同じ

 最初は紙に書いてみた。あまり力を入れなくてもスムーズに最初からインクがしっかりと出るし、インクの粘着性が高いからといって切れが悪いわけではなく、きれいにスッと抜けていく。メモのときは筆記体のような日本語と曲線を多大に含む独自の圧縮単語を使うため、ボールペン選びは大変だったのだが、宇宙ペンは完全に対応してくれた。また寝転がってメモは、誰しもしたことがあると思うのだが、しばらくするとインクがでなくなってしまう。ここでも無重力環境に対応した宇宙ペンは、すんなりと文字を書くことができた。

紙に書いてみたもの。滑りがとてもよく、書き心地は上々だった上を向いて書いてみたところ。窒素ガスによってインクが出てくるため、寝転がってのメモも安心!

 ここまでは謳い文句通りなのだが、どうにも水中でも書けて、さらに写真のような表面が光沢処理されている面に書けるとは信じられなかったので、お風呂でテープに文字を書いてみることにした。こちらは動画で記録しているので、確認していただきたい。



 どうやら水中で書くときは、面に対して垂直にしないとしっかりとインクが出ない。また、浴槽にテープを貼り付けるよりも、膝など柔らかいもののほうがインクの出が良かった。水から出したあとにこすっても落ちないので、水中でメモを取りたい! というときに活躍してくれる。(といっても、その機会はまずないと思うのだが……)

 宇宙ペンではなく、フィッシャースペースペンであれば、様々なデザインで発売されている。宇宙ペンは小さな子どもへのプレゼント向きだが、シックでカジュアルなデザインを望むのであれば、フィッシャースペースペンを探してもらいたい。普段のメモもスイスイと書けるため、かなりオススメだ。





2009年 11月 20日   00:00