やじうまミニレビュー

パナソニック「無接点対応USBモバイル電源 QE-PL301」

~8,100mAhでQi対応のモバイルバッテリー
by 林 佑樹


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パナソニック「QE-PL301」

 スマートフォンの生活への浸透、ハイスペック化などによって、バッテリーの枯渇は恐らく誰しもが気にしたことのある事象だろう。その打開策として、スマホ普及とともにラインナップを増やしているのが、外部電源「モバイルバッテリー」だ。

 今回は、多数あるモバイルバッテリー群のなかでも、定番に属しているパナソニックの「無接点対応USBモバイル電源 QE-PL301」を紹介したい。


メーカーパナソニック
製品名無接点対応USBモバイル電源
QE-PL301-W
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格5,220円

 QE-PL301は、約8,1000mAhという大容量ながら、ワイヤレス充電の標準規格「Qi(チー)」に対応した点が特徴。Qi規格に対応した充電パッドの上に置くだけで、電源をつなぐことなく、内蔵のバッテリーが充電できる。

 パナソニックではQiに対応したモバイル電源がいくつが用意されている。サイト上ではスマホのフル充電までの回数で表示されており、「QE-PL102」は約1回、「QE-PL202」なら約2回できる。この「QE-PL301」は、約3回フル充電できるとパッケージに記されている。結果的に、型番の3桁数字の百の位が、スマホの充電回数とイコールになっている。

 さて、今回紹介するQE-PL301の大きさは約108×68×24mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約220g。iPhoneなど4インチクラスのスマホとほぼ同じ大きさで、重量も2世代前のスマホに近いといったところだ。高さは約68mmで、スマートフォン2~2.5台分の厚みがあるが、モバイルバッテリーの中では標準的なもの。これまでモバイルバッテリーを使ったことのある人なら、あまり問題なく導入できるだろう。8,100mAhというバッテリー容量に目がいってしまうが、その容量でこのコンパクトさというのが、本製品の最大の特長ではないだろうか。

4インチクラスのスマホと同等の大きさ。カラーバリエーションには、ホワイトとブラックがあるiPhone 4Sと比較してみたところ出力用のUSB端子は2つある。microUSBは本体充電用のもの

 国内に流通するスマホのバッテリー容量は1,500mAh前後のものが多い。スマホを酷使した場合のバッテリー駆動が3~4時間と考えると、丸1日運用できるだろう。

 実際に取材時に活用してみた。「QE-PL301」をスマートフォンに繋いで給電したまま、メモを取ったり、写真を撮影したりなどを約10時間行なったところ、帰宅するまで、スマホに表示されるバッテリー残量は100%のままだった。また「QE-PL301」自体のバッテリー残量を示すLEDも黄色(約30~60%)で、まだまだ粘れるといった具合だった。なお、本体のLEDが緑色の場合はバッテリー残量約60~100%、黄色の場合は約30~60%、赤色は約30%以下になっている。

「QE-PL201」と比較してみたところ。容量増加分だけ大きくなったという印象だが、カバンのサイドポケットなどにスルっと入るため、持ち運びに困ったことはあまりない本体のバッテリー残量はLEDの色で確認できる。LEDが緑色の場合はバッテリー残量約60~100%、黄色の場合は約30~60%、赤色は約30%以下写真は赤色なので約30%以下

 出力は最大で1.5A。USB端子は2つあり、スマホであれば2台同時に充電できる。ただし、その場合は約750mAずつの分配になるため、端末や使用状況によっては、ゆるやかにバッテリー残量が低下していくこともある。特に要求電力がシビアなiPhone 4SやiPadシリーズの場合、充電速度がきわめて遅く、アプリを使いながらだと電池残量が減ることがあった。そういった場合は、1つだけ充電するようにすれば、1.5Aの高出力になる。

iPhone 4Sを充電してみたところ。要求電力がシビアなのでiPhone 4Sが充電できれば、大半のスマホはOKになるし、すっかり増えたUSB充電対応製品も安心だ。こちらはiPad 2を充電しているところ。スリープ状態にせずとも充電されていた
iPhone 4SとiPad 2を同時に接続してみたところ。iPad 2側は充電されないかと思ったら、充電が開始された。ただし、とてもゆるやかに充電しているようで、アプリを操作してみたところ、バッテリー残量の数値が減少することがあった過去のモバイルバッテリーで、電源を落とした状態にしか充電できなかった「Hybrid W-ZERO 3」は、やはり起動中に充電はできなかった。なお使用したケーブルは純正のもの。電源を落とした状態では大丈夫だった

 冒頭で述べた通り、本製品はQi規格の無接点充電に対応している。もちろん、パナソニックが発売するQi規格対応の充電パッド「Charge Pad(チャージパッド) QE-TM101」にも対応しており、置くだけで充電が行なえる。

 というわけで、Charge Padで充電時間を測定してみたいが、小生愛用のCharge Padはムービングコイルの動作不良で使えなかった。そのため、Charge Padと同じくQi規格に対応した、オール社のワイヤレス充電パッド「Smart Ways SW-QI01HSCH/BK」で確認してみた。カタログスペックでは、満充電まで約10時間30分とあったが、「Smart Ways」では10時間24分と、ほとんどカタログ値通りの時間で充電を完了した。

今回使用した充電パッドは、オール社の「Smart Ways」。写真左側の部分にLEDがあり、充電中かどうかがわかる。また「Qi」のアイコン周辺も点灯する仕組み充電しているところ。0%から満充電までは、約10時間14分だった。容量があるぶん、充電時間は仕方ないといったところか。充電傾向としては、リチウムイオンバッテリーの仕様か、80%以降の充電が遅めに感じれられた

 また充電方法は上記のQiに加えて、AC電源とUSBからの充電も可能。AC電源の場合は約10時間30分で充電パッドと同様。USBの場合は約21時間と長い。しかし、スマホ複数台持ちの場合の小生でも、1日で8,100mAhをフルに使い切るケースは希だった。家に帰ってから充電を開始すれば、USBでも翌日出かけるときにはほぼ満タンになっているハズだ。

 8,100mAhという大容量は、複数のスマホを出先で使う、あるいは業務で1つのスマホを酷使するといった人にはピッタリの容量だ。バッテリー切れの心配もなく、かつ複数のモバイルバッテリーを持ち歩く必要もなくて済む。また旅行用のモバイルバッテリーとしてもピッタリ。電源の奪い合いになりやすい宿泊先でも、スマホやモバイル製品のバッテリー残量を気にすることがグンと減るだろう。

 “モバイルバッテリーの容量が微妙に足りない”と感じたことがある人なら、ぜひ「QE-PL301」をチェックしてもらいたい。




2012年 9月 3日   00:00