やじうまミニレビュー

パナソニック「エボルタ付きLEDランタン BF-AL01K-W」

~単三3本で約70時間使える手のひらサイズのLEDランタン
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


パナソニック「エボルタ付きLEDランタン BF-AL01K-W」

 東日本大震災以来、懐中電灯が売れている。震災直後のように、棚が空っぽになるようなことはないが、大手メーカーの主要製品であっても、品切れしているものが出ている。とりあえずの震災対策として、懐中電灯を用意すると言う反応が震災から1周年を迎えてよみがえっているようだ。

 懐中電灯と同時に用意しておくものとして、LEDランタンもお勧めしたい。一般的な懐中電灯は、前方向の限られた範囲を照らすのに対し、ランタンは、テントや小屋などの限られたスペース全体を照らすための器具だ。昨年の計画停電の時期には、東京の家電店でも、多数の製品が並んでいたのでおなじみかもしれない。

 今回紹介するパナソニックの「エボルタ付きLEDランタン BF-AL01K-W」は、LEDという消費電力の少ない光源の利点を生かした製品だ。この製品は、昨年5月に発売されたが、単三乾電池が電源なのに、同社のアルカリ電池「EVOLTA(エボルタ)」を使うと約70時間も明るい状態が保てるということで注目を集めた。

 


メーカーパナソニック
製品名エボルタ付きLEDランタン BF-AL01K-W
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,580円

 

手のひらに載るコンパクトさ

 製品パッケージはブリスター型で、製品と乾電池が見えている。電池は、単三形乾電池3本で、購入時にはエボルタが3本付いてくる。エボルタは、タフなことで知られるアルカリ乾電池だが、推奨使用期限が10年と長いという長所もあり、こういう防災用途で使われる製品に向いているのだ。

パッケージはブリスター型で、店頭では懐中電灯と同じ棚に下げられていることが多い台紙の裏が取扱説明書になっている

 BF-AL01K-Wは手のひらサイズで、同社がほかに発売しているランタンよりも図抜けて小さい。サイズは46×95mm(直径×高さ)で、手の大きい男性ならば、楽々と片手で握れる。重さは電池込みで約140gと軽い。

 外観は下半分が白、上半分が半透明の円筒形で、ちょっとした化粧品の容器のようだ。本体の底部には、ヒモを通す穴があり、長さ40cmほどのヒモが輪になって通っている。

本体の上半分が半透明になっている本体はコンパクトで片手で握れる左はテーブルコショー、右はクリームの容器
本体の底面。紐は本体を貫いている紐は40cmぐらいの長さがある

 乾電池は、本体を開けた状態で入れる。3本の乾電池のうち2本だけを上向きに入れる。方向を示す表示があるので、注意して入れて欲しい。本体を閉めるときは、乾電池を支えるバネがあるので、ちょっとコツが入る。正しい位置で蓋を閉めて、軽くねじってしまえば、きちんと固定される。

 電源スイッチは、蓋をねじってON/OFFを切り替える。明るさの調整はなく、ONとOFFだけだ。

本体をひねるとLEDが点灯する。ON/OFFのみで明るさは調整できない主な操作はこれだけ。電池を入れて捻ると点灯する。紐をくぐらせて、吊り下げる本体を開けた状態
乾電池と比べると、本体の小ささがわかる乾電池の端子はバネになっている乾電池の方向は2本だけ上向き。入れ方の注意書きがある

吊り下げて使うのがお勧め

 光源は、ワイド照射タイプ白色LEDが1個で、そこそこ明るい。半透明の部分が、うまく光を拡散している。

 だが、あたりをまんべんなく明るくするのではなく、本体の上方向が一番明るかった。これは、ランタン本来の用途として、テント内などで吊るして使うことを想定しているためだろう。したがって、床やテーブルに置いて使うよりも、本体のヒモを使い、上から吊り下げて使うほうがお勧めだ。

LEDの部分は2重のドームで囲まれているようだ。直接LEDを見ることはできない床に置いて配光の様子を見る。横方向よりは上方向を照らしていることがわかる

 家庭内で、設置に一番向いていると思ったのが、浴室だ。浴室内の物干しから、紐で吊るすと、2畳強ほどの浴室全体がほどよく照らされる。自分の家なのに、ちょっとアウトドア気分で面白かった。浴室で使ったあとの本体には、かなり水滴がついていたが、製品自体が防滴(IPX1)なので、まったく問題なかった。

浴室の物干しから吊り下げてみた肉眼で見える状態に明るさを調整してみた。普通に入浴できる明るさだ

 また、部屋で使う場合は、天井にある引掛シーリング金具から吊り下げた状態が一番よかった。常夜灯よりもやや明るいぐらいの感じで、部屋中が照らされ、家具はすべて見える。手元もそれなりに明るいので、ポットからお湯を注いで、ティーバッグの紅茶を入れるぐらいの作業は苦もなくできる。

ベッドサイドに置いた状態。部屋全体を照らすことができないならばと、天井にある引掛シーリング金具に紐をかけるこの状態だと、常夜灯よりちょっと明るいぐらいの感じで室内全体が照らされる

 試しにテーブルの上で本を読んでみようとしたが、天井から吊るした状態では暗すぎるし、ランタンを机の上に置いた状態でも難しかった。考えた末に、アームライトの腕に掛け、アームを紙面から約30cmほどの高さに調節すると、文字の小さい文庫本を読むのも苦にならなかった。

アームライトから下げた状態30cmぐらいの距離にすると、文庫本も読めるこの状態で、机の上の2/3ぐらいを照らしている

電池はかなり持つ

 乾電池の寿命は、カタログでは、エボルタで約70時間、アルカリで約60時間、マンガンで約30時間とされている。

 製品と一緒に入っていた、エボルタは3日間点けっぱなしの状態で、まだ明るかった。他社のアルカリでも試してみたが、丸2日は確実に点けっぱなしでいける。乾電池の質にもよるが、カタログの数字は信用して良いと思う。

 単三乾電池を使っていながら、これぐらい持つというのは、光源が豆球時代には考えられなかったことで、LED光源のメリットだ。

防災用品として信頼感がある

 このランタンは、本体が小さく、防災用品として部屋に置いてあっても邪魔にならない。帰宅困難時に備えて、オフィスのロッカーなどに用意しておいても良い。社内の会議室などで宿泊する際には、常夜灯としても活躍するだろう。

 また、本体がコンパクトな割に明るい。本体の上方向を照らすので、本体についている紐で吊り下げて使うと、広い範囲を照らすことができる。構造がシンプルで、付属の電池の質も高いので、いざというときに頼れる。この夏の電力需要は、まだ不確定要素が多く見通しが発表されていないが、万が一の停電に備えて、1つ用意しておくと良いと思う。

 防災用品としてだけではなく、アウトドアでもテント内や釣りの現場などで使えるし、ミニバンでの車中泊などでも使いでがありそうな製品だ。価格も手頃な製品なので、そういう楽しい用途にも使えるだろう。





2012年 3月 26日   00:00