やじうまミニレビュー

ティンバーランド「ラドラートレイルキャンパー」

~2つに折り畳んで携帯できるスニーカー
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


ティンバーランド「ラドラートレイルキャンパー」

 東日本大震災から、半年が過ぎた。あの日ほど「備えあれば憂いなし」という言葉が身に染みた日はない。

 Impress Watchの所在する千代田区は、ビルが立ち並ぶオフィス街。地震のあと、交通機関が麻痺したことを受けて、歩道は徒歩帰宅者で溢れた。道沿いの自転車屋や靴屋では、帰宅の“足”を買い求める人でごった返していた。

 自分も徒歩帰宅者の1人。坂の多い都心部から、山手線の外側に抜ける頃には、足はじんじん痛み出していた。せめてスニーカーの1つでも、会社に置いておけばよかった……そんな教訓から、手に入れたのが「ラドラートレイルキャンパー」だ。

 


メーカーティンバーランドジャパン
製品名ラドラートレイルキャンパー
希望小売価格5,250円
購入場所小田急百貨店 ハルクスポーツ
購入価格5,250円

 

 ラドラートレイルキャンパーは、コンパクトに折りたためて持ち運びに便利なスニーカーだ。アウトドア系アパレルメーカーのティンバーランドが発売しており、直営店やオンラインショップのほか、スポーツ洋品店などで売られている。

 サイズは23.5~31cmで展開しており、全て男女兼用。カラーは、赤、黒、紫、ライム、オレンジの5色を揃えている。自分は24cmのブラックを選んだ。

 ラドラートレイルキャンパーのサイズは、たたんだ状態で片足100×260×30mm(幅×長さ×厚さ)。開いた状態で100×130×55mm(同)。片足分の重量は、わずか184gという軽さだ。

 

畳んである状態で販売されていた開いたところ底面は滑りにくいようラバー素材になっている

 ラドラートレイルキャンパーの表面には撥水加工が施されており、多少の水なら弾く。中敷きには、フリースのような柔らかい素材が入っている。靴の裏には、42%が再生ゴム素材の「グリーンラバー」を採用。環境にも配慮されているという。

本体表面には撥水加工が施されており、多少の水なら弾く柔らかい中敷きが入っているこのチャックを閉じると折りたためる

 本体の脇にはチャックが付いており、このチャックを閉じると折りたためる仕組みだ。折りたたむ様子は、以下の動画でご確認いただきたい。


ラドラートレイルキャンパーを折りたたむ様子

 

 履くときは、靴紐に付いたジッパーを引くと紐が締まり、足になじむ。脱ぐ時は、ジッパーを開くだけ。ワンタッチでできるし、紐が解けてくる心配もないので楽だ。

靴紐に付いたジッパーをひくと紐が締まり、足になじむ正面。履いてみると、靴の軽さを実感した横側から見た図

 履き心地は、日常生活で使うには十分。もちろん、普通のスニーカーに比べたら、靴底が薄く、クッション性が物足りないが、折りたたみ式のスニーカーゆえ、このあたりは妥協しなければならないだろう。

自転車を漕ぐ時にも便利

 本格的な登山やランニングなどの本格的な用途には向かないが、室内での運動や、通勤通学の行き帰りなどの普段使いならばちょうど良い。このほかの用途として、旅先で長時間歩き回る時や、ホテルでスリッパ代わりとして、あるいは、車や自転車を運転する際にも使えるだろう。会社に一足、置いておくのにもぴったりだ。

 たためばコンパクトで、バッグの隙間にすっぽり収まる。これなら、毎日持ち歩くのも苦ではない。

片手で持てるほど、コンパクトで軽い薄いトートバッグにもおさまる荷物のすき間にもおさまる。右側の柄の入ったポーチにラドラートレイルキャンパーが入っている

 自分は、普段はジム用のトレーニングシューズとして使うようになった。いつもジムではランニングはせず、軽いマシントレーニングが中心なので、ラドラートレイルキャンパーで十分用が足りる。本格的なスポーツシューズでなくても満足できた。靴を毎日持ち歩くようになって、時間がある時に気軽にジムに駆け込めるようになった。

 悩ましいのは、折りたたむ時にどうしても手が靴底に触れてしまうこと。室内で履くだけならたいして気にならないが、外で履いた靴をたたむ場合には、手が汚れるのを覚悟しなければならない。その点を除けば、日常生活の中で幅広い用途に使えるアイテムだ。

 3月11日当日、自分はヒールのある靴を履いていた。5kmほどの地点で足の痛みにギブアップし、靴を脱ぎ、コンビニで買った男性用の靴下を5枚ほど重ねて、さらに10km以上歩いた。ラドラートレイルキャンパーが10km、15kmといった長距離に耐えられるのかは、実際に歩いてみないとわからないが、ヒールで歩くのに比べたら、よっぽど捗るだろう。

 いつ何が起こるかわからないこそ、備えは大切。もしもの時のために、防災用品の1つにオススメしたい。普段は気軽なスニーカーとして、緊急時には頼もしい“足”として、役立ってくれるはずだ。



2011年 9月 12日   00:00