やじうまミニレビュー

共栄デザイン「cube letter set(キューブレターセット)」

~期待を“膨らませて”読む、キューブ型の手紙
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


共栄デザイン「cube letter set」

 小学生の頃、授業中にこっそり手紙を回すのが流行っていた。手紙といっても、中に書かれているのは他愛もない事柄だ。それでも皆、腕によりをかけて色んな折り方で手紙を折っていた。細かく折られた手紙を開けて読むのも、また楽しみなのだ。

 メールや電話で用件を済ますことが多くなった今も、手書きの便りを読むのは、なんだか胸が高鳴る。そんな手紙を読むドキドキ感を、最大限に引き出してくれるレターセットを発見した。共栄デザインの「cube letter set(キューブレターセット)」だ。


メーカー共栄デザイン
製品名cube letter set
希望小売価格1,050円
購入場所楽天市場
購入価格1,050円

 キューブレターセットの特徴は、便箋にある。一見四角くて平らな便箋は、細かく折り畳まれていて、隅に丸い穴が開いている。手紙を書く人は、この便箋を器用にめくりながらメッセージを書き込んで、同梱の封筒に入れて渡す。

 受け取った人は、紙風船に息を吹き込む要領で、便箋に開いている穴にフウーッと息を吹き込む。すると、便箋がキューブ型に膨らみ、キューブの各面に書かれたメッセージが読めるのだ。

パッケージは透明で中身が見える使い方はシンプルなイラストと言葉で書かれているセット一式は、大きな封筒と便箋が1つ、小さな封筒と便箋が2つ

 パッケージには、大きい便箋が1つと小さい便箋が2つ、それぞれに対応する封筒が計3枚入っていた。大きい便箋のサイズは125×125mm(縦 ×横)、小さい便箋は65×65mm(縦×横)。封筒の裏には、使い方(=膨らませ方)がしっかり記載されているので、手紙を受け取った人も「なんだ、これ」と首をかしげることがないよう、配慮されている。

 便箋は、想像以上に薄い紙だ。和紙のようなツルッとした質感で、手触りはまさに、紙風船そっくり。

 畳んだままの便箋は、表と裏の2面しか見えないが、上下にペラペラめくればさらに2面が現れる。いっぽう、サイドの2面は細かく折り畳まれており、便箋を膨らませないとはっきり読めない。

 さっそく、誕生日を迎える友人宛てに手紙をしたためた。まずは表裏の2面に「おめでとう」という見出文を記す。さらに上下にめくって、順に文章やイラストを書き込んでいく。

便箋には薄く罫線が引かれており、右上に息を吹き込む穴が開いている上下にめくりながら、文章やイラストを書き込んでいく表面に「おめでとう」とでっかく祝辞を書く

 最後に、折り畳まれたサイドの両面に書く。両サイドは膨らませないと読みにくい部分だからこそ、面白いことを書くのにうってつけ。せっかくなので、あっと思わせるようなサプライズを仕掛けたい…何がいいだろうかと考えてみたが、結局友達からの寄せ書きを集めることにした。

サイドの両面は開きにくいので、面白いことを書くにはうってつけ!膨らませないと読めない面には、サプライズで寄せ書きを記した筆圧によっては穴が開いてしまうことも。これではうまく膨らまない

 サイドの両面は開きにくいため、とても書き込み辛い。紙がグシャッとならないよう、慎重に開いて文字を書き込むしかない。文字うつりは、ボールペンやサインペンでも問題なかったが、薄い紙素材ゆえ、書く時に筆圧を強くしすぎると穴が空いてしまう。ボールペンなど、先の尖った筆記具を使う際には気をつけたい。

紙風船を膨らます要領で、便箋を膨らませてみるきれいなキューブ型になったたためば便箋にすっぽりおさまる

 書き込み終わった便箋は、ちゃんと膨らむだろうか。紙風船を膨らます要領で、穴にフウーッと息を吹き込んでみた。すると、ペリペリペリッと紙が張る音がして、きれいなキューブ型ができあがった。これをまた畳んでもとに戻すのが難しいが、きちんと折りたためば、便箋にちょうど良くおさまる。

サプライズは成功した

 誕生会当日、多くの友人たちの前で、主賓にキューブレターセットを渡した。主賓はまず手紙を貰ったことに驚き、さらに便箋を膨らませて読むと知って2度驚いた。さっそく息を吹き込んで、手紙がキューブ型になると、一同はどっと沸いた。寄せ書きを書いてくれた友人達も、実際に膨らんだものを見るまでは想像できなかったらしい。結局、持ち帰るために再び折り畳むのは私だったが、サプライズは成功したと言える。

 恥ずかしながら、私の周りでは、これまで年賀状も“あけおメール”(「明けましておめでとう」と書かれた年賀状代わりのメール)で済ましてしまうことが多い。手書きの文字を贈るという行為自体が、もはやサプライズになりつつある。だからこそ、“息を吹き込んで読む”というひとひねりを加えることで、印象に残る思い出を作れると思う。

 何だろう、何が書いてあるんだろう、というあの便箋を開ける時のドキドキ感。期待を膨らませて読むには、キューブレターセットはピッタリなのではないだろうか。




2011年 4月 22日   00:00