やじうまミニレビュー
無印良品「振り子時計」
無印良品「振り子時計」 |
今回紹介するのは、無印良品の「振り子時計」だ。
時計といえば、今やクォーツや電波を利用した正確な時計が普及し、ぜんまいバネを動力とする振り子時計は、いつしか家庭から消えてしまった。だから、店頭でこの商品を見たとき、懐かしさとそのシンプルな佇まいに、思わず走り寄ってしまった。
先に言ってしまうが、実はこの時計はクォーツ式。単三乾電池を電源としているため、振り子の動きや有無に関係無く、時を刻んでいるのだ。時計の「振り子」は、時を刻むために動いているワケではなく、あくまでも“動く装飾”なのである。振り子は電力と磁石の反発を利用して動いている。
「なんだ、なんちゃって振り子時計か!」と思ったのだが、アラーム機能や余計な装飾をスッパリと削ぎ落としたシンプルな文字盤に、ひょっこりと振り子がぶら下がる姿は、飄々としていておもしろい。価格も手頃だったので購入した。恐るべし、無印良品のデザイン力である。
【お詫びと訂正】初出時、振り子が磁石のみで動いていると記載しておりましたが、本製品は電気と磁石の両方を使用しています。訂正してお詫びいたします。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | 振り子時計 掛時計 |
希望小売価格 | 2,900円 |
購入場所 | 直販サイト |
購入価格 | 2,900円 |
振り子時計の本体は、時計部とそれにぶらさがる振り子からなる。時計部のサイズは110×54mm(直径x厚み)、振り子を取り付けた全長でも260mmほどとコンパクトだ。重量は電池込みで162gと軽い。
パッケージ内容。左から、単三アルカリ乾電池(同梱)、壁掛けねじ、時計本体、プラスチック製の振り子 | 時計の裏側。乾電池を入れ、針合わせつまみを回して時刻を合わせる。壁掛け時計なのでアラーム機能は無い | 振り竿に振り子を取り付ける。振り子の突起を振り竿の孔に差し込み、引掛けるだけだ。また、本体の底、振り竿の上部に磁石が取り付けてあり、その磁石同士の反発が振り子の動力となっている |
さっそく取り付けてみたいが、本製品はデザインだけでなく取り付け方も極めてシンプル。単三乾電池を時計に装着し、時刻を合たら、振り子を振り竿に差し込み、壁に取り付けたネジなどに時計本体を引っ掛けたらおしまいだ。位置決めから取り付けまで、ものの数分で終わった。
取り付け時に注意すべき点は、時計の背面を柱や壁にできるだけピッタリと垂直に掛けること。時計の裏側にある「振り竿」が本体に擦れて、振り子が止まってしまうのを防ぐためだ。また付属の壁掛ねじは、厚みのある木質用。石膏ボードや薄い壁に取り付けるなら、市販の掛け具は別途用意する必要がある。
ねじ、または掛け具(別売り)に本体を掛け、取り付ける。時計が垂直になるように気をつける。また、ドアの開閉の振動が伝わらないところに設置しよう | 直射日光は避けたいが、カーテン越しの薄日が少し当たるところに設置するのも良いだろう。壁面に振り子の動きのある影が落ち、無機質な壁面に楽しさが加わる |
取り付けが完了したら、振り子をちょっと引き上げ、手を離す。すると、すぐに振り子が一定の振れ幅で揺れ始める。振り子は、本体と振り竿に取り付けてある磁石の反発を受けて、揺れ続けている。半永久的に振り子が揺れ続けるのだ。ちなみに時計の乾電池の寿命は約1年。あとはそのシンプルな時計と、一定の間隔で揺れる振り子のインテリア性を楽しむだけだ。
振り子が動いているようす |
時計の文字盤ははっきりと読みやすい。秒針がなく、振り子が揺れる音も全く聞こえないので、ほとんど無音。夜中に時計の音が気になってしまうということも無いだろう。また、振り子の振り幅は10cm未満と大きな揺れではないので、目障りになることもなかった。
個人的には、振り子の揺れを活かして、目に触れやすいところにこそ設置するのがお勧めだ。小型の時計なので、目の高さに設置すると“時刻が見えやすい”というだけでなく、インテリアに“動的なアクセント”が加わるからだ。
仕事場のPCの側に取り付けた。集中する場所だが、時折やさしくゆれる振り子に心が安らぐ |
厳密に言えば、振り子の揺れで時を刻む時計ではない。しかし、その優しく穏やかに、そして一定周期で規則正しく揺れる振り子からは、なんとなく心安まる雰囲気が醸し出されているから不思議だ。くつろぎのリビングルームや寝室にやさしい“揺らぎ”を持ち込むのも良いが、キッチンやデスク周りなどの活発に動く場所や、集中力が必要な場所で、ちょっとした演出をするのもきっと楽しいだろう。
2011年 1月 5日 00:00
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