やじうまミニレビュー
サンコー「ポストの見張り番」
USBに接続するとお弁当を暖かくしてくれるポーチ、一度に80台のiPodやPSPを充電できるボード、寝ながらノートPCを操作できるスタンド、携帯への着信をブレスレッドの振動で教えてくれるグッズなどなど、アイディア商品からヘンテコグッズまで扱う有名店がアキバにある。その名も「サンコー レアモノショップ」。
今回紹介するのは、この店の最新お勧めグッズという「ポストの見張り番」だ。郵便ポストにセンサーを取り付けておくと、部屋に置いてある受信機に無線でデータを送信し、音と数字で郵便や新聞が届いたのを教えてくるというモノだ。
サンコー レアモノショップ「ポストの見張り番」 | ポストにセンサーを設置して、郵便物が届いたのを教えてくれる |
ワンルームで玄関のドアポストというウチでは、まったく役立たないが、ポストが部屋から離れている場合は便利に使えそうだ。コレ、本当に役立つのか調べてみよう!
メーカー | サンコーレアモノショップ |
製品名 | ポストの見張り番 |
販売価格 | 4,980円 |
■おお! 技術的にはなかなか本格的!
上が送信機のセット、下は大型のLEDカウンタが付いた受信機。ACアダプタは受信機用 |
「ポストの見張り番」のパッケージには、右のような機器が入っている。
右上の四角いボックスは、ポストのフタの開閉を検知するスイッチが付いた送信機だ。その隣にあるのは、受信機に電波を飛ばすためのアンテナ。下にある小型テレビのようなものは受信機で、画面に2桁の数字が表示されるようになっている。中央は受信機用のACアダプタだ。
受信機は006Pの角型電池でも駆動できるが、連続待ち受け時間はマニュアル上では最小7時間となっている。試しにアルカリ電池で実験してみたが、1日持たなかった。ここは無理をせず、添付されているACアダプタを利用したほうがよさそうだ。
バッテリ駆動で受信機を携帯することも可能だが、待ち受け時間が短いので、到着日がわかっている超重要な郵便のみに使うことにしよう。って、どんな郵便物だ!? | 受信機はアンテナを伸ばして使い、ピッ! という音と大型(高さ5cmほど)の数字でお知らせしてくれる |
ここで注意する点が1つある。郵便ポストの形は多々あるが、ポストの見張り番は投函口にフタがあるタイプのみで使えるという点だ。投函口がポッカリ口を開けているポストには使えないので注意しよう。
ということで、まずはウチのポストを改造! 投函口にフタをつけてみた。市販のフタつきポストならほとんどで利用できるが、フタの高さがおよそ6cm以上必要だ。
ウチで今まで使っていたポスト。自作なので投函口のフタなんてメンドウなモノは作ってなかった…… | 使い込んだポストなのでかなり痛んでいるが、投函口にフタをつけてみた | このようなポストなら改造せずにポストの見張り番を取り付けOK! |
ここで、郵便物をカウントするしくみを見てみよう。
1)投函口のフタには送信機を取り付ける
投函口が閉まっている状態では、送信機のスイッチが押し込まれた状態になっている。
2)ポストに郵便物を入れると投函口が開きスイッチがONになる
ポスト本体からスイッチが離れる投函の一瞬でスイッチが入る。これがカウントと送信タイミングのしくみだ。なお郵便物が届いた件数は送信機に記録されていて、スイッチが入った瞬間から、受信機に数値が電波で送られる。したがって受信機の電源を切っても、件数は保持されるようになっている。
ポストの投函口を横から見た断面図と思って欲しい。通常は投函口が閉じていて、送信機のスイッチがポスト本体で押し込まれている状態になっている | 投函口のフタに送信機を取り付けるので、5cm程度の高さのフタもしくは、フタの上に押し込まれた送信機が収まるスペースが必要 |
3)受信機が何通入っているかのデータを受信し表示する
部屋に置いた受信機は、ピッ! という音とともに、送信機から送られた件数が表示される。いっぽうポストの送信機側は、郵便物が投函されると再びフタが閉じ、ポスト本体がスイッチを押し込んだ状態に戻り、郵便物が届くのを待ち受けるようになるのだ。
郵便物の件数は送信機側に記録されているので、新聞などを取りに行ったときには、リセットボタンを押し、件数を0にリセットするといい。
投函口が開きスイッチがこの状態になった瞬間、件数が受信機に送信される | 中央の小さく丸いボタンがリセットスイッチ。慣れればポストの中を覗き込まなくてもリセットできるようになる |
表示できる数値は、0から99までで、100になると0に戻るようになっている。前回の件数を覚えていればリセットする必要はないが、よっぽどIQが高い人でなければ件数を覚えているのは無理だ。
新聞がささりっぱなしで投函口が空いたままの状態。あるある~! |
また新聞などでありがちなのは、左のような状態。
このような状態でもフタが開いた瞬間だけカウントしデータを送信するので、件数が増え続けたり、電池が無駄に減ってしまったりということはない。とはいえ、次に来た郵便屋さんが新聞を押し込んでから郵便物を届けてくれればいいのだが、新聞の隙間から郵便を入れてしまうと正しくカウントできないのが難点だ。
■ハイテク・ポストに大変身させよう!
パッケージには取り付け方法が簡単に説明されているが、イマイチわかりづらいので、ここでも紹介しておこう。
1)送信機を投函口のフタに取り付ける
送信機には粘着テープがついているので、これで投函口のフタに送信機を取り付けよう。予備の粘着テープが2枚添付されているので、やり直しもできる。
取り付け用のステイを粘着テープなどで貼り付ける。取り付け方向があり、レール幅が狭くなっている方に送信機をスライドさせ取り外す。木のポストの場合は、さらにネジ止めをした方がいい | 送信機をステイにはめた状態。スイッチがポスト本体で押し込まれるように、スイッチの金属を曲げて調整する | フタでスイッチを押すように取り付けるのは間違い! |
フタを開閉してみて、スイッチからカチカチと音がすればOK。また郵便物が入るだけ、投函口が開くかも確認すること |
金属や樹脂製のポストであれば粘着テープでの取り付けも可能だが、写真のような木製のポストだと、表面がザラザラしていてしっかり固定できない場合がある。こんなときは、送信機のステイをネジ止めするといいだろう。
取り付けのポイントは以下の3つ。
・投函口のフタを開閉するたびに、スイッチがON・OFFするようにすること。フタを動かしてみて受信機の数値がカウントされるかをチェックしよう。
・送信機をスライドさせてステイから取り外せるスペースを確保すること。マニュアルによれば、半年に1回ほど電池を交換しなければならないので、ステイから送信機をスライドさせ、取り外せるようにする。
・郵便物の取り出し口からリセットボタンを押せるようにすること。必ずというわけではないが、郵便物を取り出したら0にリセットしないと、カウントが増えたのかどうかわからなくなる。
2)送信機本体に電池を入れる
電池は9Vの角型電池、通称006P電池となっている。寿命は1日10カウントした場合で、約5カ月。電池を使用した場合の受信機の寿命が7時間であるということに比べれば、実用的な寿命だ。
ちなみに、筆者の買った製品だけなのかも知れないが、電池ボックスのフタの締りが悪かったので、ここではテープで補強している。
送信機のフタを空けて角型の006P電池を収める | フタが少々ガタついていたのでテープで補強した |
3)ポストの外側にアンテナをつける
アンテナのステイは磁石になっているので、鉄製のポストなら簡単に取り付け可能だ。しかし、最近ではステンレスを使ったポストも多く、磁石がくっつかない(一部のステンレスはつく)。このような場合は、100円ショップなどで小さなホワイトボードを購入し、表面の鉄板をハサミで切り両面テープなどで貼り付ければいい。
100円ショップのホワイトボードは、薄い鉄板に白をペイントしているので磁石にくっつく。これをハサミで適当な大きさに切ればOK | アンテナは90度に曲げることも可能なので、横からニョッキリ出すことも可能。ポストが金属製の場合は、できるだけポストの屋根より高くするのがポイント | アンテナは回転も可能で、角度も自由に変えられるので、取り付けに苦労することはないだろう |
アンテナの角度はかなり自由に曲げられるので、直角に曲げたりすることも可能だ。
4)アンテナと送信機を接続する
送信機には小さなコネクタがあるので、ここにアンテナを接続する。
スイッチの横に小さな穴があるので、ここにアンテナ線を差し込む。スイッチが動くように電線をうまく取り回すこと | ポストの中の全体像は、こんな感じになっている。電線を伝って雨がポストに入らないように注意しよう |
5)受信機を部屋に設置
テレビの上に置いておけば、みんなが見られる。が、誰が取りに行くかで問題になることも…… |
部屋の見やすい場所に受信機を設置して、ACアダプタを接続。乾電池で駆動する場合は、スイッチのON・OFFが可能となっているが、ACアダプタの場合は常にスイッチONの状態になる。
送信機と受信機の距離は、マニュアルによれば最長100m。おそらく見通し距離だと思われるので、実際にはもう少し短いと思っていいだろう。戸建てに住んでいる人であれば、実用上の問題はないが、集合ポストになっている高層マンションだと距離的に厳しいかもしれない。
いや、それより問題なのは、怪しいアンテナがポストからニョッキリ生えている点だ。マンションで使用する際には、管理人さんやご近所の理解を得る必要があるだろう。
受信機の裏側にはネジを引っ掛ける穴もあるので、壁掛けにしてもいいだろう | 郵便物がポストに入ると、スイッチがONとなり…… | 部屋の受信機で確認できるというわけ。塩ビ管は……まぁ無視していただいて……一応オーディオ用のスピーカーなのだ |
使われている電波の周波数は固定となっているため、半径100mの周囲にポストの見張り番を使っている人がいると、誤動作する可能性がある点にも注意したい。
少し気になるのは、待機中に聞こえる受信機の音。ごく小さな音だが、プーンという音がする。数mも離れていれば聞こえないが、デスクの手元に置いてあるとかなり気になる。はじめはACアダプタの音かと思っていたが、どうやらカウントアップしたときに鳴る「ピッ!」音が小さくなり続けているようだ。気になる場合は、受信機を分解してスピーカ部分に絆創膏を貼ると解消される。
■意外なところで活用されているポストの見張り番
ウチはポストが1階、リビングが2階となっていて、建物の外壁が鉄板で補強されているので電波を通しづらい。事実、電波時計はかなり場所を選んでしまう。しかしポストの見張り番は、見通し距離で10mほどでもまったく誤動作するこはなかった。
朝と夕方の新聞はもちろん、郵便物が届いても確実にカウントする。とはいえ、何度か指し直される場合もあるので、カウント数はあまりアテにしないほうがよさそうだ。
外に設置した状態。見かけはフツーのポストだが、実はハイテクなポストの見張り番で武装している! | 部屋に居ながらにして、新聞や郵便が届いたことがわかる。へー、こんな時間に配達してたんだ!という新たな発見も | 届いたことがわかれば、あとは誰かが取りに行けばいい |
設置して初めてわかったのが、子供たちの帰ってくるタイミングだ。学校から帰ってくると、まずポストのフタをバフバフ押して階段を上ってくるので、帰りがよくわかる。すでに2週間ほど設置しているが、飽きることもなく毎日バフバフして帰宅。リビングの受信機は、何十もカウントが増えて、ピピピ!と鳴り続けるので、郵便や新聞の配達ではないことが一目瞭然だ。
設置には若干コツがいるポストの見張り番だが、本来の目的以外にもいろいろ利用できる便利グッズだと言えるだろう。
2010年 4月 28日 00:00
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