エヌケーグループ「パッ取リンガー」

　家事の中で一番好きなのが洗濯だ。晴れた日にベランダに出て、濡れた衣類をたたきながら干すのは気持ちいい。汚れたものがキレイになっていくのが好きで、ストレス発散になる。洗剤やハンガーなどそれにまつわるものを見るのや試すのも好きだ。今回は、その中でもお気に入りの製品、エヌケーグループの「パッ取リンガー」を紹介しよう。

　「パッ取リンガー」は洗濯物を干すため専用のハンガーだ。本体は、6つのハンガーが連なっており、強力なピンチ2つで物干し竿に固定する。形だけを見ると、よく見かける製品で目新しさはそれほど感じないが、この製品の特徴は、わかりやすいネーミングが示す通り、洗濯物をハンガーから「パッと取れる」というところにある。

　普通、ハンガーから衣類を取り外すためには、衣類の中に手を入れて、下からハンガーを取り出す。しかし、パッ取リンガーでは衣類を手に取って、横にスライドさせるようにするだけで、スルッと外れるのだ。

製品パッケージ	本体は6本のハンガーと、ハンガーを掛けるための横軸からなる	ベランダにセットしたところ

　パッと取れるための機構は、ハンガーが上下左右に動くその機構にある。たとえば、Tシャツを取り込みたいときは、Tシャツを本体の真上に持ち上げるようにする。すると、中のハンガーが重力で下に落ちて、自然にハンガーが外れるという仕組みだ。言葉にすると少々ややこしいので、ここは実際に動画で確認していただこう。

シャツをハンガーから外すところ。動画では1枚ないし、2枚づつ取っているが6枚全部を上に持ち上げて外すことも可能だ

　機構だけを聞くと、Tシャツの襟元が伸びてしまうんじゃないかと思うが、実際にはほとんど問題ない。付属のハンガーは、全体的に丸みを帯びて、角がない形。肩幅は普通のハンガーに比べやや狭いが、角がないため余計なハンガー跡などは付かない。

　ピンチなどを使って洗濯物を干すと、Tシャツにピンチの跡が付いてしまったり、形が変形してしまうことがある。パッ取リンガーを使って干したTシャツは普通のハンガーを使った時と同じように形も変形せず形を保ったまま干すことができる。

ハンガーは固定されていないので自由に動かすことができる	洋服を掛けたあとは、溝にハンガーを固定させる	6枚のTシャツを掛けたところ

ピンチを使ってTシャツを干すと、シャツにピンチの跡が付いてしまったり変形してしまったりする	ハンガーを使って干したTシャツは変形がない

　パッ取リンガーの良いところはこれだけではない。

　まずは、強風に強いところ。固定用のピンチが強力なので、どんなに強風が吹いても本体が動いてしまうことがない。また、ハンガーを固定するための横軸の溝も深さがあり、しっかり固定できる。

　もう1つは本体が頑丈なところ。約1ヶ月間、外に出しっぱなしで使っているが塗装が剥がれたり、一部が欠けてしまうということが全くない。実は、この製品を選んだのは、このコーナーで紹介した「引っ張リンガー」を気に入っているからという理由がある。この製品もパッ取リンガーと同じく、洗濯物を引っ張るだけで簡単に洗濯物を取り込めるという製品なのだが、機構そのものはもちろん、製品の頑丈さに惚れ込んだ。

ピンチが丈夫で強力な造りのため、強風が吹いても本体がずれてしまうことがない	外に出しっぱなしにして使っていても製品の劣化がほとんどない。奥にあるのは以前紹介した「引っ張リンガー」

　2年間愛用しているが、ピンチの1つも壊れていない。これはほかの製品ではちょっと考えられないことだ。外に出しっぱなしにして使っている私の使い方も問題ありかもしれないが、ほとんどの製品は約半年使っただけでピンチの2～3個は壊れてしまう。エヌケーグループの製品は、製品の劣化を防ぐため、UVカット剤、強化剤を練り込んでいるという。そのため、一般的なハンガーやピンチに比べ、値段はやや高めとなっているが、丈夫さについては文句なしだ。

襟があるものは向かない

　ここまで大絶賛してきたが、パッ取リンガーには弱点もある。襟のあるシャツや、パーカーなどは干せないというところだ。襟が横軸に引っかかって、つぶれてしまうのだ。また、ハンガー間の間が一定のため、厚手の洋服を干すのにも向いていない。

　とはいえ、Tシャツはアンダーウェアとして年中着るものなので、干すものがないということにはならないだろう。

　普段の洗濯物干しにはもちろん、突然の雨の時にも活躍してくれる。便利なだけでなく、長く使える頑丈さも備わった優れた製品だ。