家電製品ミニレビュー
サブ掃除機の決定版かも! 使い心地抜群のハンディ型クリーナー
by 藤原 大蔵(2014/8/8 07:00)
コードレスの片手で簡単に扱えるハンディ型クリーナーがあれば、身の回りのちょっとしたお掃除に重宝する。今回は数多ある中から、大蔵イチオシのハンディ型クリーナーを紹介したい。ドイツのフォアベルク社による「充電式ハンディクリーナー コーボルト VC100S」だ。
メーカー名 | フォアベルク |
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製品名 | 充電式ハンディクリーナー コーボルト VC100S |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,960円 |
コーボルト VC100Sは、リチウムイオン電池が内蔵されたハンディ型クリーナー。約4時間の充電で約15分間連続使用できる。本体の大きさは約415×82mm(長さ×直径)。実測で635gの重量は、ハンディ型クリーナーの中でも特に軽い。集塵容積は200mlで、何度も使えるポリプロピレン製のフィルター式だ。
円筒から切り出したような、スッキリとしたデザインも目を引くが、VC100Sの特徴の1つとして、重心の配置と重量配分の良さが挙げられる。単に小型で軽いだけでなく、ハンドルを軽く持つだけで、吸い込み口が自然と下を向くように設計されているので手に良く馴染む。手首への負担が少ない快適性が考慮されたデザインと言えるだろう。
保管も充電もスマート
コードレスのハンディクリーナーなので、使う前には充電が必要だ。充電中はどこかに置いておくワケだが、VC100Sは使っていない時も生活空間に応じた設置ができるよう工夫がある。
本製品は専用の「本体収納スタンド」が付属するが、これにACアダプターのプラグの先を組み込んでおけば、スマートな収納と充電が両立できる。スタンドに本体を収納すると、クリーナーは平らな面へ縦置き、横置き、さらに壁掛けもできるようになる。もちろん、スタンドを使わずにACアダプターを直接つないでもOKだ。
充電は約4時間で完了する。充電中は本体の表示ランプが段階的に点滅し、完了すると表示ランプが消え、スタンバイ状態を知らせてくれる。充電中の消費電力は7Wだった。
なお、充電池の交換はできないが、リチウムイオン電池は「継ぎ足し充電」してもパワーが低下しにくい(運転時間は徐々に短くなる)タイプ。通常使用で2年は劣化せずに使い続けられるそうだ。
たいていの掃除用具はあまり目に触れさせたくないものだが、思い立った時にサッと取り出して使いたいハンディクリーナーだからこそ、使わない時そばに置いても、見た目良く設置できる工夫が嬉しい。
コインも吸い取る吸引力が15分間続く
使い方はシンプルだ。スタンドから本体を外して(ACアダプターを抜いて)、本体の緑色の電源ボタンを押すと本体のランプが点灯してスタートする。使用中に電源ボタンを押し続けると「ブースト機能」が働き、一時的に吸引力がアップする。指を離せばブーストは解除され、ボタンを押せば停止する。
吸引力はちょっとした掃除に十分だ。試しに紙片、プラスチックのUSBキャップ、クリップ、コインを厚手のラグの上に散らかして吸ってみた。一般的な掃除機のようなパワーには及ばないが、クリーナーをゆっくり動かしても、手首を効かせて左右に振るように使っても、吸込口が触れるところはどんどんキレイになっていく。ブースト機能を使わなくても、重いコインもぐんぐん吸い取った。テーブル上でも試したが、ラグの引っかかりがない分、よりスムーズに捗った。
満充電の状態から、実際に掃除しながら使ってみると、連続運転でも15分以上パワーが落ちずに使い続けられた。ちょっとした掃除には十分なパワーと使用時間が備わっていると言えるだろう。電池が無くなると自動的に停止し、表示ランプが点灯から短い間隔の点滅に切り替わり充電が必要な事を知らせてくれる。
デスク周りはもちろん、高い所、壊れやすいものも優しくラクラクお掃除
実際にVC100S使って掃除をしたが、使い勝手がすこぶる良い。全体的に軽いので持ち続けても疲れにくいのはもちろん、本体の重心のバランスが良いので、吸込口の先端をコントロールしながら思うように掃除がどんどん進められる。吸込口にかけて薄くなっていく(吸込口の先端の高さは 27mm)形状なので、一般的な掃除機が入りにくい場所にも届きやすい。また、本体と一体化するアタッチメントはピタリとハマり、使用中に抜け落ちることはただの一度も起こらなかった。
デスク周り
デスク周りは大活躍だ。ブラシタイプのアタッチメントを取り付ければ、吸込口の当たりが柔らかくなるので、ディスプレイ面、ディスプレイの上、キーボードもどんどん掃除ができる。しかも、本体から吸込口までが鋭角な形状なので、一連の流れを止めずにディスプレイとデスクの隙間(約75mm)も掃除できた。ホースやコードのひっかかり、取り回しが無い分、ストレス無く一気にデスク上がきれいになった。
ノズルタイプのアタッチメントに取り替えれば、細かな仕切りのあるペン立ての底に溜まった埃も確実に吸い取ってくれる。薄いノズルの幅は29mm、長さは130mmと細長いので、高さのあるペン立ての底に沿って、吸込口を細かく動かしやすい。
照明器具
VC100Sは、扱いに気を使うような照明器具の掃除にも重宝する。我が家のダイニングテーブル上には、アンティークのガラス製のペンダントがぶら下がっているが、今まで掃除機を使った事はなかった。ホースの長さが足りなかったのも1つの理由だが、一般的な掃除機では吸い込みが強すぎて、壊してしまいそうだったからだ。
ところが、VC100Sなら任せられる! 埃を確実に吸い取ってくれるのに、吸引力が穏やかで、アタッチメントのブラシがとても柔らか。その上、本体の中央部を持てば安定して持ち上げられるので、まるで筆先で埃を拭うかのように、器具表面を丁寧に、優しく掃除できるのが大いに気に入った。吸込口先のコントロールがたやすいので、棚の上に置いた、細かな凹凸のあるアルミ製の照明器具も、傷の心配をせずに簡単に掃除できた。
いずれにせよ、テーブルやデスクの上から、細々とした物が乗る棚の掃除はもちろん、一般的な掃除機では届きにくい高い場所に設置されている器具、扱いに気を使うものまで確実に、優しく丁寧に掃除できた。どうしても埃が溜まりやすい部屋の隅にも、吸込口が楽に入るので、埃に気づいた時にサッとVC100Sを取り出して、あっという間に掃除できる気軽さが良い。
お手入れも簡単だ。吸込口のあるダストボックスを本体から外し、さらにフィルターを外して、ボックスに溜まったゴミを捨てる。フィルターの手入れは、一般的な掃除機を使うといいだろう。埃をまき散らさずに済むだけでなく、フィルターの目詰りも抑えられるからだ。カスタマーセンターに問い合わせたが、フィルターの水洗いは目詰まりの原因になるそうなので、避けた方がよいそうだ。
実は自分にとって、ハンディクリーナーを持つのはコーボルトで5台目だ。過去のものもそれなりに調べて購入したのだが、実際に使って満足いくものは少なかった。音はうるさいのに吸引力はイマイチ、小さいのに重く取り回しが悪い、吸込口が狭い場所に入っていけない、手入れが案外面倒、充電に時間がかかる……など、結局使わなくなって手放していた。
それまでの経験からも、VC100Sは“相当”気に入っている。フィルターの目が粗いタイプなので、微粉や土埃を大量に吸いこめるメインの掃除機にはならないが、思わず埃が溜まっているところをあちこち探したくなるほど、使い勝手がすこぶる良い。大きな掃除機を出すまでもない、「サブ使い掃除機の決定版!」と言いたくなるほど、非常に完成度の高いハンディクリーナーだ。