家電製品ミニレビュー

カシオ「Wave Ceptor IDC-200J-8JF」

~古くて新しい、日めくりカレンダー風電波時計
by サイトウシゲキ
カシオ「Wave Ceptor IDC-200J-8JF」。377×145×29mm(高さ×幅×奥行)という大型の壁掛け時計である

 カシオの壁掛け電波時計「Wave Ceptor(ウェーブセプター) IDC-200J-8JF」は、とてもユニークな製品だ。

 まずはその形。デジタル時計としては不自然なほど縦に長いのである。そして、大きな日付表示に添えられた「友引」の表示。時計売り場で実物を見かけたときは、単に物珍しい商品だと思ってしまったが、よくよく考えると、なるほど、これは日めくりカレンダーをモチーフにした壁掛け時計だったのだ。


メーカーCASIO
製品名Wave Ceptor(ウェーブセプター)
IDC-200J-8JF
希望小売価格9,500円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,980円


年月日や年号、“大安”など六曜まで表示可

 上下2つの液晶パネルは大きく、非常に見やすい。上段は年月日を表示するカレンダー、下段は12時間と24時間表示が切り替えられるデジタル時計、それに温湿度表示という組み合わせだ。カレンダーには曜日に加え、今日がその月の何週目に当たるかを示す「第○週」の表示もある。

 年表示は西暦だけでなく、「平成○○年」と年号で表示させることが可能。賃貸契約書など、各種契約書では年号表記を用いる場合が少なくないので、重宝するだろう。

 さらに、日めくりカレンダーらしく、旧暦を表示することもできる。さすがにこれは実用性は低いかもしれないが、旧正月や旧盆など、季節のイベントを知ることができる。

 また、冒頭で述べたとおり、友引や大安といった「六曜(ろくよう)」の表示機能も搭載。六曜とは今風にいえば簡易版「今日の運勢」といえばわかりやすいだろう。先勝、先負、仏滅、赤口など全部で6種類あるが、近頃ではあまりこだわらない人が増えているようだ。それでも結婚式は大安吉日に、葬式は友引を避けるといった昔からの習慣は無視できない。社会人として知っておきたい常識の1つだ。

西暦による年月日表示。今日が4月の第2土曜日であることが一目で確認できる年号表示。西暦ばかりを使っていると、つい忘れがちだが、意外に使用頻度が高い旧暦表示は「天保壬寅暦」をベースにしたもの
下部にある2つのボタンはカレンダー表示を進ませたり戻したりするもの。六曜の確認などに便利だ本体裏には年表示の切り替えボタンや温湿度計の最高最低値を表示させるボタンがある。


ユニークさと実用性を兼ね備えた壁掛け時計

 日めくりカレンダーの風情を残しているとはいえ、IDC-200J-8JFの中身は現代のデジタル機器である。標準電波を受信して誤差を自動修正するので時刻合わせは不要。表示機能は多彩だが、操作は非常に簡潔にまとめられている。前面にあるのは前後の日付情報を確認する「進む」と「戻る」のボタンのみ。裏の小さなプッシュボタンを押すのは、はじめの時刻合わせと表示の切り替え時だけだ。アラーム機能が搭載されていないのは少々残念だが、日めくりカレンダーが電子音を奏でるのは無粋というものだろう。

デジタル時計は12時間と24時間表示が切り替えられる。温湿度計は最高最低値記録機能付きだ大きさのわりには薄いので、壁に掛けても圧迫感がない。左右と下部はフラップのような透明パネルが取り巻いている単3マンガン乾電池2本で約1年間動作する

 部屋の壁に掛けてしばらく使っていると、この日めくりカレンダー型時計が物珍しさだけの製品ではないということがわかってくる。

 たとえば朝。起床して時計を見ると、まず日付と曜日、次に現在時刻が目に入ってくる。これが朝一番に確認したい自然な順序なのではないだろうか。今日がその月の第何週かが一目でわかるのもありがたい。月毎、週毎に進行するスケジュールが把握しやすいのだ。大きく見やすいディスプレイとあいまって、カレンダー時計としての実用性は高いレベルにある。

この穴に付属の壁掛け用ネジを引っかけて固定する。比較的重量があるので設置場所には注意したい壁に掛けたところ本体サイズは大きめだが、意外とどんな場所にも合う

 本体のサイズは377×145×29mm(高さ×幅×奥行)で、重量は780g。デジタル時計としては珍しい縦長のフォルムは、意外と日本家屋の柱に合う。周囲を透明なプレートが縁取るデザインは、テーブルとソファが置かれたリビングルームにも違和感なくマッチするだろう。なお、木目調の「IDC-250J-5JF」という品番も用意されている。

 日めくりカレンダーというレトロなフォーマットに、デジタル表示で電波時計という新しいテクノロジーが同居した、何ともおもしろい時計だ。





2010年4月22日 00:00