家電製品ミニレビュー
ティファール「2WAYコード」 前編
■コードレスとコード付きを1台で!
ティファール「2WAYコード」 |
アイロンを買うときにまず悩むのが、コードレスかコード付きかということだ。日本メーカーのものは軽量で扱いやすいコードレスのものが主流となっている。一方、海外メーカーでは、コード付きが主流で手軽さよりもパワーを重視している傾向があるようだ。使い勝手を選ぶのか、それともスチームの強力なパワーを選ぶのか、悩むところである。
今回紹介するのは、そんな悩みを一気に吹き飛ばしてしまう、コードレスとコード付き両用のティファール「2WAYコード」だ。ティファールと言えば、強力なスチームが有名で、コード付きアイロンの代表的なメーカーでもある。それが、なぜ両用の製品を出したかと言うと、コードレスが主流の日本市場を強く意識したようだ。軽い・扱いやすいということが重視される傾向がある日本市場では、同社のアイロンは重そう、使いずらそうというイメージばかりが先行して、なかなか主婦層まで届かなかったという。そこで登場したのが、2通りの使い方ができる2WAYコードだ。
メーカー | ティファール |
製品名 | 2WAYコード |
希望小売価格 | 15,750円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 8,480円 |
これまでコードありのパワーや強力スチームを売りにしていただけあって、コードレスの製品を新しく出すのではなく、あくまで両用にしたところに、同社のこだわりを感じる。
本体の仕様を見ていこう。本体サイズは120×280×140mm(幅×奥行き×高さ)で、印象としてはかなり大きめ。移動するときも抱えるような感じになる。本体は、コードレス使用時には給電台にもなる台にセットされている。
製品パッケージ | 製品本体。本体には収納用のケースが付属する | ケースには持ち運び用の取っ手がある |
本体は給電台にセットされている | 本体を給電台から取り外したところ。太くて存在感のあるコードが目に付く | 本体は独立して置くこともできる |
コードの切替は給電台後方にあるスイッチで行なう。スイッチは上からロック、コード無し、コード有りの順番 |
気になるコードの切替は、台の後方にあるスイッチ1つで行なう、意外とシンプルなものだ。スイッチは、下からコード有り、無し、ロックスイッチの3段切り換えになっていて、用途に応じて切り替える。
どっちも使えると聞くと心配になるのが、基本機能はどうなのという点だ。利便性を追求して、本来の機能がおろそかになってしまっているという製品もないわけではない。
しかし、2WAYコードの基本機能は充分すぎるほど充実している。まず同社の強みでもあるスチームショットは、通常で最大1分間25g、ハイパーショットは1分間最大90g。これは、国産メーカーのコードレスアイロンと比べると倍以上で、ティファールのほかのラインナップと比べてもひけを取らない充分な量だ。
ドライとスチームの切替にも対応するほか、ワンプッシュで前方に水が出る霧吹き機能も備える。掛け面は同社独自のセラミック製で、除菌効果もあるという。
操作部分 | かけ面はティファール独自のセラミック製のもの |
■掛け面がすぐに温まる!
というわけでさっそく使ってみよう。使い始めるまでの準備は、普通のスチームアイロンと変わらない。2WAYコードでは、給水タンクが本体に内蔵されているので、本体を直接蛇口まで持って行き、給水する。タンクの容量は200mlでこれまたコードレスタイプのアイロンに比べると1.5倍も入る。本体を充電台に載せたら、後はスイッチを入れれば準備完了だ。
給水口は本体上部に設けられている | 給水するときは本体を直接蛇口の下に持って行くか、軽量カップなどを使って給水する。こういう時はやはりコードレスの方が便利だ |
本体上部に設けられているスイッチ。上の切り替えスイッチで、スチーム/ドライを切り替える。左からドライ、スチーム。下の白いスイッチは、左が本体前方から水が噴出される霧吹きスプレーボタン、右がジェットスチームボタン。いずれもアイコンでの表示となっているためややわかりにくい |
ティファールのアイロンでは、電源スイッチというものがなく、温度を調節するダイヤルがスイッチになっている。ダイヤル部分には麻や木綿といった生地の種類で温度設定がされており、ここらへんの仕様は国内メーカーのアイロンと変わらない。ただ、本体前方に用意されているいくつかのスイッチについては、アイコンでのみ表示されているのでちょっとわかりにくい。説明書にはしっかり目を通す必要があるだろう。
ここで改めて、コードレスアイロンと、コードありのアイロンの違いについて見てみよう。パワーや重量の差については前述したが、実際の作業の進め方も大きく異なる。
コードレスアイロンは、給電台の電気で掛け面を熱くして、その熱でアイロンを掛ける。そのため、熱の持続力が限られていて、作業中何度も本体を給電台に戻す必要がある。
このような構造上、コードレスアイロンを使う時は、温度スイッチが重要になる。温度スイッチは、掛け面の温度を知らせるもので、機種によっても異なるが、たいてい、掛け面の温度が設定通りになると消え、逆に温度が低い時にはスイッチが点灯するという仕組みだ。掛け面の広い衣類だったり、手間が掛かるものだと、作業中に掛け面の温度が低くなってしまい、本体を給電台に戻して温度が上がるのを待たなければならない。
コードレスアイロンを長らく愛用してきた私の見解では、アイロン掛けは待ち時間が長いというイメージがあった。
しかし、2WAYコードは待たない。というより、コード付きアイロンは待ち時間がほとんどない。コードで直接本体に送電しているからなのか、立ち上がりの時間が短く、すぐ使えるようになる。また作業中の「待ち」時間も当然ながらない。
また、送電が連続的にされているから掛け面の温度にムラが無く、仕上がりが均一になるという利点もある。
■厚手の衣類は大得意
これまで国内メーカーのアイロンを使ってきた私がまず試したかったのが、厚手の生地へのアイロン掛け。ランチョマットやライナーなどのテーブルウェアが好きでよく使うのだが、生地が厚手のものが多く、一度洗濯するとシワだらけになってしまう。これまで使ってきたコードレスアイロンでは、どうにもシワがとりきれなくて困っていた。
ティファールのアイロンと言えば、豊富な熱量とスチームでデニムにもアイロン掛けできるというのを聞いたことがある――というわけでさっそく試してみた。
結果は以下の通り。コードレスタイプのアイロンでは取れなかったしわがきっちり取れている。噂で聞いていた、デニムへのアイロン掛けもバッチリだ。今まで不満だった部分が一気に解消されて、これだけでも使う価値アリ!
2WAYコードでまず試したのが厚手のランチョマット。洗いざらしの状態はシワだらけだ | 2WAYコードでアイロン掛けをするとご覧の通り。シワがまったくなくなった。自宅で使っていたコードレスアイロンではどうしてもシワが残ってしまっていた |
メンズシャツなどかけ面が広いものはやはりコードありの威力が役立つ | 洗いざらしの木綿シャツ。このままではとても着れないくらいシワだらけだ | アイロン掛けをした後のシャツ |
ドレスシャツなどピシっと決めたいシャツにもハイパワーは有効 | 特に見た目が気になる首回りもしっかり仕上がった |
と、仕上がりには大満足なのだが、最初はコードレスアイロンとの違いに正直戸惑った。本体の大きさや重さはもちろん、コードの取り回しなど、やはりいつも使っているコードレスタイプのアイロンとは大きく異なる。
消費電力1,200Wで、ハイパワーがウリの2WAYコードの電源コードは普通の家電製品と比べるとかなり太め。サイズの大きい衣類や、ハンカチなどは何の問題もないが、サイズの小さいシャツや袖口などの細かい場所はやはりコードレスの方が作業しやすい。
普通のアイロンなら、使い勝手の違いに戸惑って終わりだが、2WAYコードは違う。コードレス付きがダメならコードレスにしてしまえばいいのだ!
と、ここで少々長くなってしまったので、続きはまた明日。明日掲載の後編では、気になるコードレスの使い心地、さらにティファールアイロンの神髄でもあるスチーム機能を紹介する。
2010年4月19日 00:00