家電製品ミニレビュー

三洋「eneloop neck warmer」

~冬の必携品! 首から暖まるモバイル暖房器具
by 正藤 慶一


eneloop neck warmer(エネループ ネック ウォーマー)
 気温が10℃近くの日が続き、東京にもいよいよ本格的な冬がやってきた。北風はコートの上からでもお構いなく冷気を吹き付け、体温をどんどん奪っていく。温かい缶コーヒーで束の間の暖を取っても、冬将軍の前ではあまりに無力だ。

 ……というのが、去年までの冬だったが、今年は実に快適に温かく過ごせている。三洋電機の「eneloop neck warmer(エネループ ネック ウォーマー)」を使っているからだ。今回は、今年9月に発売された、この新製品をレビューしよう。

メーカー三洋電機
製品名eneloop neck warmer
(エネループ ネックウォーマー)
品番ENW-NWS1S
希望小売価格オープンプライス
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格5,366円


 eneloop neck warmer(以下、ネックウォーマー)は、電気の力で首まわりを暖めることで、防寒効果を狙った暖房器具だ。三洋によれば、首を温めることで血行を良くし、首だけではなくその周辺の温感効果も高める効果があるという。まさに冬にピッタリの商品だ。

 しかし、右上の製品写真を見ていただければお分かりだろうが、本製品の外観は、フリース素材のいたって普通のネックウォーマー。電気を使って暖めるといっても、コンセントなどは表からは一切見あたらない。

フリースを裏返したところ。裏地からはヒーターのUSBケーブルが顔を出しており、ここにエネループのモバイルブースターを接続し、発熱する
 熱を発する秘密は、フリースを裏返せばわかる。裏側には、付属のUSB出力付き充電器「eneloop mobile booster(エネループ モバイルブースター) KBC-L3A」をセットするポケットがあり、そしてポケットの近くには、首の背の部分を暖めるためのヒーターのケーブルが用意されている。このケーブルをモバイルブースターの出力用USBポートに差し込み、モバイルブースターから供給される電気でヒーターを加熱、電池が空になったらモバイルブースターだけを取り外して充電する、という仕組みになっているのだ。

 モバイルブースターのKBC-LA3は、本体内に充電式のリチウムイオン電池を搭載した携帯用の充電器で、製品自体は単品で売られている「KBC-L3AS」とまったく同じもの。そのためネックウォーマー以外にも、携帯電話の充電などにも使用できる。ちなみにパッケージには、ACアダプターとUSBケーブルが同梱されており、コンセント、USBポートのどちらでもモバイルブースターが充電できる。

ヒーターは首の背の部分だけに用意されている内部のヒーターを取り出したところ。洗濯する場合は必ず取り出す
電源がなくなったら、モバイルブースターをAC電源、またはUSBに繋いで充電する。充電時間はいずれも約7時間モバイルブースターは、単品で売られている「KBC-L3AS」とまったく同じもの。そのため、携帯電話などモバイル機器の充電も大丈夫。iPhoneだって充電可能だ

 話をネックウォーマーに戻そう。使用法は、まず前面のファスナーを開け、ネックウォーマーをかぶる。そして、モバイルブースターが入ったポケットをめくり、モバイルブースターの電源ボタンを押してONにする(ONの場合、青い光が点灯する)。そして、ネックウォーマー内部の「サイズ調整ベルト」で首周りを固定し、背部のヒモを絞って締まり具合を調節すればOKだ。とりあえずのところ、装着して苦しいといったところはなく、マフラーのようにヒラヒラと風に舞うこともないので、着心地はむしろ良い。

 装着後少し経つと、徐々に首の背が暖まってきた。パワフルに暖めるというよりかは、ぬくぬくとしたほのかな熱が、ジンワリと伝わってくる。パッケージの説明によれば、低温やけどに配慮した温度設定をしているとのこと。人によっては物足りないと思う人もいるかもしれないが、個人的には十分な温かさに感じられた。熱すぎると感じた場合は、モバイルブースターのボタンを押して給電をストップすれば良い。なお、連続使用時間は約5時間となっている。

装着方法。まずは、ファスナーをあけて頭から被る。頭の大きな私でもスッポリと入る次に、ネックウォーマーの下部をめくり、モバイルブースターを接続してポケットに入れる。出力中は青いランプが点灯。装着した状態でも確認できるその後、本体内部の取り付けベルトを首に巻く。長さが足りない場合は、同梱の長めのベルトを使用すると良い
ファスナーを引き上げ、後部のドローコードで首周りを締めれば完了ダウンコートの中に装着しているところ。モバイルブースターの電源を入れなくても、この時点で暖かい

体が冷えがちなサッカー観戦にはピッタリ。週末の試合を観戦する方は、試合前にぜひとも入手していただきたい
 試しにサッカー観戦時に着用したところ、これが大変重宝した。観戦中は約2時間もジッーと席に座っているため、どんどん体の熱が奪われていく。マフラーやコートをしていても、確かに寒気を防いでくれるものの、自ら暖めてくれるわけではない。しかし本製品なら、ネックウォーマーで首を保温しつつ、さらにヒーターが暖めてくれる。陽が暮れた夕方の試合だったが、ほとんど寒さを感じず快適に観戦できた。

 また、雨が降り気温が10℃ほどしかなかった寒い日にも役に立った。普段なら寒さで外出が億劫になるところだが、ネックウォーマーが暖めてくれるという安心感からか、気軽に外に出られた。心理面での効果もあったようだ。

 特にすごいと思ったのが、首だけ、しかも背の部分だけをほのかに温めているだけなのに、全身が温かく寒さが感じられない点。血管が集まる首を集中的に暖めることで、血流を促進し全身に温感効果があるということなのだろうか。とにかく、効果はテキメン。確実に寒さが和らいだ。

今回はチャコールグレーを購入したが、ファスナーのオレンジがかなり派手で、合わせる服が限られる。知人には「なんでオレンジなんか着てるの!?」と驚かれてしまった……
 機能についてはまったく文句はないが、あえて欠点を指摘するなら、“ファッション性”だ。というのも、カラーはチャコールグレーとホワイトグレーの2色のみと、衣料品であることを考えれば、選択肢が少ない。これが大手の衣料メーカーなら、全8カラーくらいは普通に用意され、それぞれのユーザーに合った色が選べたことだろう。機能は問題ないだけに、衣料メーカーとコラボレートするなどカラーバリエーションが増えることを強く希望する。

 用途としては、前述のスポーツ観戦を始め、スキーやアウトドア、バイクなど、屋外に長時間出ている場合には間違いなく勧められる。また、買い物に行きたいけど寒くて外に出たくないという場合の、ちょっとしたモチベーションアップとしての効果も発揮してくれることだろう。

 使い始めて3週間。確かに寒くはなってきたが、エネループ ネックウォーマーのおかげで、それを辛いと感じたことは今のところない。巣ごもりの冬も悪くはないが、今年はネックウォーマーを身につけて、冬をアクティブに楽しんでみてはいかがだろうか。

パッケージには、お勧めの使用法としてスキー、スノボ、釣り、バイクなどが挙げられていた洗濯も可能。洗濯用ネットに入れれば洗濯機でも洗える。私のようなオッサンが着続ければ、加齢臭が大量に付着することだろう。早めのお手入れをお勧めしたい



2009年11月20日 00:00