家電製品ミニレビュー
ティファール「イディリス プラス」
ティファール「イディリス プラス」 |
お湯を素早く沸かす、ただそれだけに特化した電気ケトルは、今もっとも注目を浴びている製品ジャンルの1つと言っていい。量販店に行っても、電気ポットを追いやる勢いで展示スペースが拡大している。中でもティファールは、テレビCMを展開するなど火付け役と言ってもよい存在で、おそらく、圧倒的なシェアを握っていることが予想される。
そんな「お湯を沸かす」だけのケトルに、さらに簡易的な保温機能を付けた製品が、この「イディリス プラス」である。
メーカー | ティファール |
製品名 | イディリス プラス |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,138円 |
まず本体の大きさだが、保温機能がない、1Lのモデル「ニューヴィテスプラス」が265×165×215mm(幅×奥行き×高さ)なのに対し、保温機能付きのイディリスプラスが210×171×218mm(同)と、大きな差はない。保温機能が付いたからといって、本体サイズが大きくなるということはない。
中の金属は水アカの着きにくいポリッシュ加工が施されている。口が広いので手を入れて洗うのも簡単。このあたりの気軽さも、普通のティファールと変わらない。
ボタンを取っ手方向に押すとフタが開く | 内側の底面、側面は水アカの付きにくいポリッシュ加工 |
注ぎ口にはメッシュフィルターが付いている | 密閉型の電気ポットと異なり、お湯を沸かすと湯気が付いて熱くなるので注意が必要だ。 |
さらに操作部分に目を移すと、取っ手の下にあるお湯を沸かすスイッチは同じだが、ポットの中央部に保温のON/OFFを切り替える「KEEP WARM」ボタンが付いている点が異なる。お湯を沸かすボタンを押した後、「KEEP WARM」を押すと、沸かしてそのまま保温モードに移行、1時間、80℃で保温したあと、電源が切れるようになっている。なお、「KEEP WARM」ボタンはお湯を沸かすあとに押しても大丈夫。押してから40分間、80℃キープするようになっている。保温運転するのは、沸かしてから60分、保温ボタンを押してから40分間の2通りのみで、電気ポットのように保温しっぱなしにすることはできない。
お湯を沸かしている間の消費電力は1,100~1,200W。500mlのお湯を沸かすのにかかった時間は2分40秒で、このあたりはティファールのほかの製品と同じ。
お湯を沸かしているときの消費電力は1,100~1,200W | お湯を沸かすところまでの消費電力量は0.06kWh |
保温中のサイン | お湯を沸かしている最中のサイン |
焦点となるのは保温機能だが、まず、沸いた直後から温度が下がるまで、およそ10分くらいはまったく電力を使わない。80℃を割り込んだころに、スペック値で55W、実測値で46Wの電力をかけて保温をし始める。80℃というと、お茶やコーヒーにも最適な湯温なので、たとえば料理の際に多めにお湯を沸かして、一部を料理に使い、そのまま保温させて食後のお茶に使う、なんてことも簡単にできる。保温中に再度、沸騰したお湯が欲しくなったなら、ボタンを再度押すだけで良い。
保温モードにしていても沸いた直後は湯温が高いため、電気を使っていない | お湯が冷めると温め始める。実測消費電力は46W |
保温を使っても、使わなくても、自動で電源が切れるため、電気代や火元などの気遣いを最小限に抑えることができるのは大きな利点だ。
ちなみに500mlの水を沸かして、60分保温したときの消費電力量は0.09kWhであった。電気代換算で約2円である。保温時の消費電力については、最新型の電気ポットが10W前後なので約5倍近くの電気を食うことになるが、この比較はナンセンスだろう。そもそも長時間貯めておくことがメインのポット、沸かすことがメインのケトルという具合に、方向性が全く異なるからだ。
個人的には、まったく死角のない製品になったなという印象を受ける。注ぎやすさ、洗いやすさ、湯沸かしのしやすさ、という従来の基本性能の高さを受け継ぎつつ、なにも犠牲にすることなく保温機能を取り入れている。新たな定番製品としてオススメできる製品だ。
2009年6月11日 00:00