家電製品ミニレビュー
お寝坊さんに朗報! 大音量アラームをユニークに止めるスマホ連携型アラーム
by 藤原 大蔵(2016/2/9 07:00)
無意識に目覚まし時計を止めてしまっての寝坊、忙しさにかまけて大事な用事をすっぽかしてしまったなど、誰もが経験した覚えがあるのではないだろうか。そんなミスを回避してくれる強力なアラームが登場した。
今回紹介するのは、Cerevoの「cloudiss CDP-CL01A」。見た目からはとても想像できない大音量のアラーム音と、本体を力強く振ってアラームを停止させる機能で、確実に二度寝を防止してくれる、生活をサポートするアイテムだ。
メーカー名 | Cerevo |
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製品名 | cloudiss CDP-CL01A |
購入場所 | Cerevo オンラインストア |
購入価格 | 12,800円 |
特徴的なのは、時刻表示機能を持たず、アラーム装置に特化している点。アラーム時刻設定などの操作は、専用アプリをインストールし、Bluetoothでペアリングした手持ちのスマートフォンを利用する。Googleカレンダーと連動して自動的にアラームも作動できるだけでなく、スマホで予定を読み上げることも可能だ。
高い質感と静かな佇まい
手にして目を惹くのは高い質感だ。アルミから削り出した本体に、天然ウォールナットのキャップが付き、ストラップは本革を使用している。シンプルなデザインだが、本物の素材だけが放つ高級感が漂う。大きさは、92×26mm(高さ×直径)で、重さは50g。手の中にすっぽり収まる。
天然木のキャップをひねると、充電用のMicro USB端子、電源ボタン、2つのLEDインジケーターが表れる。普段は細々とした部分が隠れるので、電子機器であることをまったく意識させないところがミソ。
アラーム音は本体底の孔から発せられる。その部分もアルミの削り出しで、アラーム音は360度、無指向に響き渡る工夫が見られる。
準備は簡単
cloudissはアラーム装置として特化している機器なので、操作するための専用アプリを手持ちのスマホにインストールしなければならない。対応している端末は、Bluetooth LE (BLE)を搭載した iPhone/iPad/iPod touchで、対応OSは、iOS8.3以上。現時点ではAndroidには対応していない。
準備は簡単だ。スマートフォンに、専用アプリ「cloudiss app」をインストールし、BluetoothをONにする。アプリを開くと、まず登録画面が表れる。すかさずcloudissの機能ボタンを長押しして電源を入れると、cloudissのシリアル番号が表示されるので選択すれば登録は終了。これでcloudissと手持ちのスマホがペアリングされたことになる。
充電はスマホの充電アダプターはもちろん、PCのUSB端子からでもOK。充電時間は2時間30分を要するが、1度充電すれば21日間も利用できる。
電池の残量は、cloudissの機能ボタンを押してLEDインジケーターでも確認できる。だが、アプリ画面の左上に視覚的によりわかりやすい電池マークがあるので、いちいち本体側のキャップを回して確認する必要はない。接続状態もスマホ側で確認できる。
登録が成功し、ガイドを終了すると、いよいよアラームの登録画面が表れる。
想像を絶する大音量! 力いっぱい振らないとアラームが停まらない!
さっそく目覚ましとしてアラームを登録しよう。アプリの「繰り返しアラームの登録」をタッチしてアラームの登録を始める。
登録内容は、「アラーム時分」と「アラームのタイトル」の他、「繰り返し」をタッチすると複数の曜日指定ができる。生活サイクルに合わせて、任意で最大10件も登録できる。もちろん、アラームの編集、アラームの有効化と無効化(ON/OFF)、削除などはアプリで自由自在だ。
さっそく、アラームを鳴らしてみたが、けたたましく鳴り響く大音量に驚いてしまった。しかも、停めるには相当力を入れて振らないと止まらない! やっとの思いでアラームを停めた瞬間、スマホからアラームの「タイトル」が音声で高らかに読み上げられ、2度びっくり!
一般的な目覚まし時計と違うのは、アラーム音量やユニークな停止方法だけでなく、ブザー音(3パターン)と音量(無段階)が選べ、停止するシェイクの回数とレベルの強さは、それぞれ(EASY・NORMAL・HARD)の3段階から選べる点も挙げられる。
実際に目覚まし時計として使ってみたが、腹が立つほど効果的だった。ブザー音は「タイプ2」のピピピッ! ピピピッ! ピピピッ! と鳴る間欠タイプを最大音量で設定。シェイク回数とレベルはNORMALにして就寝した。
次の日の朝、指定した時刻に大音量のアラームが鳴り、20回近く、cloudissを力いっぱい振らないとアラームが止まらない。実は寝起きが相当悪い自分は、目覚まし時計を3台使っている身。だが、覚醒した瞬間に一汗かくほどの運動を強いられるので、嫌でもcloudissだけで確実に目が覚めてしまった。
気に入った点は、登録されてcloudissに転送された設定は、スマートフォンとの接続が無くても保持されることだ。つまり、スマホの電源を切っていても、cloudissのアラームが確実に機能するのだ。本体の電源は機能スイッチを長押ししないと切れないので、シェイクしている最中に誤って切ってしまう心配も無い。
停止するシェイクの回数とレベルの強さを最大の「HARD」にすると、確実に40~50回、力いっぱい振らないとアラームが止まらない。目覚ましとしては相当強力だ。
アラームは最大15分間鳴り続けるので、万が一、力及ばず止められない場合には、アプリの設定→その他→「ブザー停止」をタッチすれば強制的にアラーム停止もできる。
大事な約束の日の目覚まし、アラート時計として
日々の予定にGoogleカレンダーを利用しているなら、cloudissを約束のスッポカシ防止にも役立てられる。
準備として、専用アプリからGoogleカレンダーと連携させるが、作業は簡単だった。Googleアカウントにログインし、許可を取る。アカウントのカレンダーを選択して同期マークをタッチすれば、1週間分の予定がアプリに取り込まれると同時に、アラーム時刻がcloudissに転送される。
特徴的なのは、cloudissに転送される予定の時間帯が指定できる「参照時間範囲」機能と、予定よりも前の任意の時間にアラームを鳴らせる「オフセット時間」機能だろう。
例えば、予定のある時間帯を朝8時から12時に参照時間範囲に設定すれば、アラームが鳴る対象となる予定が限定される。オフセット時間を2時間と設定しておけば、予定時刻の2時間前にアラームが鳴る。予定の入力をGoogleカレンダーから行なうのは変わらない。
アラームが鳴らせる予定は、1日あたり1つに限定されている。また、設定した参照時間範囲外はアラーム対象にならないので、アラームを一日に何度も停止するような煩わしさはない。アラームを鳴らす必要が無ければ、カレンダーの利用停止もアプリでできるので、生活や仕事のスタイルに合わせて設定できる。
メインの目覚まし時計として有望
一見して、アラームとは思えないような、凝った素材を用いた美しいフォルムのcloudissなのに、姿形からは想像もつかないような大音量のアラームが鳴るだけではなく、止めるためにはそれ相当の体力を使う。見た目とアラームとしての実力の温度差がとにかくユニークだ。
実際に使うまでは、オシャレな、サブ的なアラームと捉えていたが、cloudissはメインの目覚まし時計として据えられるほどの実力が実感できた。
ただし、アラームの音量や停止させる回数やレベルは一括設定なので、個々のアラーム(目覚まし)やGoogleカレンダーの予定には対応していない。設定を忘れて、突然職場や電車の中でけたたましくアラームが鳴ると、周囲の迷惑にもなりかねない。使う場所は家や宿泊先に限定した方が良いだろう。
価格は一般的なアラーム時計よりも相当高価。だが、アラームとしての威力はとにかく「絶大」。朝起きるのが辛いお寝坊さんにこそ、是非手にして欲しいスマホ連携型アラームだ。