家電製品ミニレビュー

誰でも簡単に炭火をおこせるコンパクトな炭火グリル

ドウシシャ「HOMPING 炭火パワーグリル」

 夏の暑い時期にビールを飲みながら……というのがバーベキューの定番ではあるが、我が家のバーベキューは、毎回秋に行なっている。お肉や野菜はもちろん、秋なら秋刀魚の炭火焼きも格別だ。

 しかし、バーベキューは何かと準備が大変だ。我が家は夫婦共々インドア派なので、炭の火おこしがなかなかうまくできず、苦労している。子ども達はバーベキューが好きなのでときどきやってあげたいが、私たちにとってバーベキューは準備や運搬などのハードルが高く、正直言って面倒だ。

 特に炭の火おこしは慣れていないせいか、うまくつけられない。小さな子どももいるので、火を扱っているのにモタモタして目を離すのも怖い。

 そこで、素人でも簡単に火おこしができると評判のドウシシャ「炭火パワーグリル」を使ってみることにした。コンパクトで、女性でも気軽に持って行けるサイズのかわいい炭火グリルだ。

メーカー名ドウシシャ
製品名HOMPING 炭火パワーグリル
品番DPG-014
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,800円

とてもコンパクト! 女性でも片手で持てるサイズ

 セット内容は、グリル用プレート、汁受け、カバー、炭コンテナ、インナーボール、アウターボール、キャリー、ケース、クリッパー、取扱説明書。単三乾電池(4個)、炭、ジェル状着火剤は付属していないので、別途準備する必要がある。

 直径は36cm、高さが15cmで、重さは3.8kg。専用のカバーもついており、持ち運びも簡単だ。第一印象は「こんなに小さいのに、炭おこしができるの?」ということ。家庭用の電気グリルと同じようなサイズで、ここに炭を入れて火をおこすことが、最初は信じられなかったほどだ。

このように細かく分解できる
電源は単三電池4本
カバー付き! 炭コンテナを出し入れする際に使用するグリッパーも付属

 あらかじめ、炭は4cm程度に細かく割り、炭コンテナいっぱいに入れ、油受け皿には約180mlの水を入れておく。

 つまみの風量は最大にする。インナーボールにジェル状着火剤をグルッと塗り、そこにチャッカマン等のライターで火を点け、その上に先程の炭コンテナを置く。風量を最大にすると、ゴーッという音がして、炭に勢いよく風が送られているのがわかる。

持ち歩きもラク。女性でも片手で軽々持てる
近所のホームセンターで一番安い炭を購入。大きかったのでハンマーで割る。備長炭は使用できない
炭コンテナに詰める
ジェル状着火剤をインナーボールに入れる
火を点ける
その上から炭コンテナを置く
火力は十分
料理をしながら、火力はつまみで調整可能
お肉を食べた後もこんなにプレートはキレイ

 この製品は、乾電池でファンを回して着火をスムーズにするというもの。

 空気を効率よく取り入れるので炭に火のまわりが早く、あっという間に炭が赤々と燃えていた。試しにグリル用プレートにお肉を置いてみたところ、ジューッといい音が! この音を合図に、一斉に肉や野菜を置き始めた。火力が強いので、おいしそうな焦げ目がつく。

 炭火おこしで四苦八苦しているお隣のお父さんを横目に、素早く食べ始めることができた。

工夫されたグリル用プレートの形状で、秋刀魚を焼いても煙が少ない!

下に脂が落ちないような穴の形状

 グリル用プレートにも注目いただきたい。炭に肉の脂が落ちると煙がモクモクと出てしまうが、直接炭に落ちないように工夫されているのだ。

 プレートは中心が高く、外側に向かって低くなっており、プレートをつたって肉汁が下に流れていくので、炭に落ちることはない。いったん炭に火が入ると、煙がほとんど見えなくなった。

 グリル用プレートはテフロン加工が施してあるので、たくさん焼いても汚れはほとんどつかない。火力が強い場合は、風量コントロールを左右に回すことで送風ファンがの強弱が調整でき、火の勢いも変わる。テーブルコンロのように、手軽に火力が調整できることにも驚いた。

 旬の秋刀魚も焼いてみることにした。秋刀魚は脂が多く、炭で焼くと煙がモウモウと出て大変だが、炭火パワーグリルで焼くと煙が全く気にならなかった。

秋刀魚を焼いてみる。丸ごと焼くことができた
ひっくり返してみたが、皮がはがれることがなかった
美味しい! エリンギやカボチャといった秋の味覚も最高だ

 穴の形状からして仕方ないが、焼き目は水玉模様だ。炭火の火と煙でもっと全体的に焦げ目をつけて楽しみたいという方には物足りないかもしれない。

 しかし、皮がプレートについてはがれてしまうこともなく、肉を焼いた後に、そのまま魚も焼けるというのは嬉しい。炭火で焼いた秋刀魚の皮はパリッとして、中はふっくら。子ども達もお肉より秋刀魚のほうがおいしいと喜んでいたほどだ。

気が向いたときに、いつでもバーベキューを楽しめる

 取扱説明書には、1回で約1時間燃焼するとあったが、1時間半経過しても火は消えなかった。4人家族が楽しむのなら、1回で十分だ。しかし、お酒を飲みながら長時間ゆっくり楽しみたい方は、炭の交換が必要となるだろう。

 炭は専用のグリッパーで取り外しも簡単で、交換も時間はかからない。1回で使用する炭の量は少なく、後始末も苦にならなかった。

 コンパクトなので、洗うのもラクだ。一般的な家庭にあるシンクにも収まるサイズで、バーベキューにはつきものの真っ黒に焦げた網をゴシゴシ洗わなくてすむのは助かる。

終わった後の炭はとても少ない
洗うのもラク。後片付けが簡単なのはありがたい
最初のうちは煙が出るが、その後ピタッと止まる。子ども達も久しぶりのバーベキューに大喜び!

 炭に火が入るまでは少々煙が出たが、その後は無煙状態になる。我が家は田舎住まいなので、ご近所は庭でバーベキューする方が多いが、やはり庭でバーベキューをやるのは気が引けて、今回はバーベキュー場を予約した。しかし、この程度の煙なら、我が家の庭でもバーベキューができそうだ。

 「バーベキューは準備がちょっと……」という方に、ぜひお試しいただきたい。家族で気軽にバーベキューを楽しめる炭火パワーグリルは、自信を持っておすすめできる製品だ。

石井 和美