家電製品ミニレビュー
無印良品「スマートフォン用防沫スピーカー」
■動画も音楽もスマホの時代
無印良品の「スマートフォン用防沫スピーカー MJ‐SP3W」。フタが透明なお弁当箱に見える |
最近、新発売される電話機の大半はスマートフォン(以下スマホ)になり、電車の中でもフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)を使っている人は珍しくなった。
また、スマホになってから液晶が大きくなったためか、メールを打つのではなく、動画を見ている人が増えた。TV番組や映画らしき画面を、よく見かける。
映像や音楽を視聴する端末として、スマホが主力になってきているのはまちがいない。私自身も音楽を聞くのはスマホが中心になっている。手持ちのCDは全部リッピングしてあるので、ライブラリを持ち歩いている状態だ。多少、音質的に劣っていても、聞きたい曲がすぐに聞けるという便利さの方に魅力を感じている。
というわけで、このスマホをお風呂でも楽しみたいという要望が出てくる。もちろん、防水端末に買い換えるという選択肢もあるが、いまの端末のままで手頃に使える無印良品の「スマートフォン用防沫スピーカー」を紹介しよう。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | スマートフォン用防沫スピーカー MJ‐SP3W |
購入場所 | MUJI net(直販サイト) |
購入価格 | 3,150円 |
■しぶきに耐える防沫の箱にステレオスピーカーを内蔵
今回紹介するスピーカーは、簡単に言えば、防水の箱にアンプとスピーカーを内蔵したものだ。アンプは単三乾電池で動作する。スピーカーはステレオなので2本搭載されている。
スマホのタッチパネルを操作できるように、前面の部分は透明なシートになっている。このシートがスマホの液晶に密着するので、液晶保護カバーみたいな感じで操作できる。
本体のサイズは、113×184×50mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約340g(本体のみ)だ。ちょっと大きめのお弁当箱というところだ。
スマートフォン用防沫スピーカー。いつものシンプルな無印良品のパッケージ | 正面。シート越しにクッションが見える |
背面。中央の大きい丸が乾電池、その下の網の部分がスピーカー | 側面は大きなバックルがあり、フタを固定する |
防水の箱と書いたが、正確には「IPX4 防沫形」という規格に準拠しているので、防沫の箱というべきだろう。この規格は、「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」という水準なので、水に濡れても大丈夫と思っていればいいだろう。
今回は、回線契約を解除してミュージックプレーヤー専用に使っているiPhone 3GSといっしょに使ってみた。
■スマホのセットは簡単
防沫スピーカーはアンプを内蔵しているので、電源が必要だ。単三形電池3本が必要で、アルカリ乾電池とニッケル水素電池が使える。電池寿命はそれぞれ、20時間と30時間とされているので、かなり長持ちするほうだ。
電池は、本体裏の大きな丸いフタを開けて入れる。このフタも防水なので、ちゃんとパッキンが付いている。「LOCK」と書かれた位置まで、しっかり回して固定する。
乾電池は3本必要 | 裏面中央の大きな丸い部分がフタ | 電池は交互にセットする。フタにはパッキンがついている |
これでスピーカー側の準備はできたので、スマホをセットする。
まず、防水ケースを止めている3カ所のバックルを外し、フタを開ける。中にあるクッションの上にスマホを置き、イヤホン端子にスピーカーのケーブルを挿す。スマホの位置は、スクリーンの中央になるように調整しよう。
3つのバックルを開けたところ | 別の角度から見るとバックルの大きさがわかる | フタを開けるとクッションが見える |
クッションの表面は布製 | スマホを入れ、ケーブルをつなぐ | ケーブルはスマホと重ならないように気をつける |
位置が決まったら、フタを閉め、3つある大きなバックルをカチッとはめる。このバックルはしっかりした作りなので、パカっと急に開いたりすることがなくて安心感がある。お弁当箱のおかず入れの構造にも似ている。
フタを閉めた状態。縦位置 | 縦位置でも使える |
この状態になったら、お風呂場に持ち込んでも大丈夫だ。
■お風呂でのBGMには十分な機能
お風呂場のどこに置こうか考えたが、スピーカーを浴槽に落としたり、シャワーを正面から浴びせたりはしない方が良いので、浴槽のフタを隅に畳み、その上に置いた。スピーカーの上下は、緑色のLEDが見える方が上だ。
たたんだフタに載せたところ | 画面はくっきり見える |
縦位置で置いたところ | メールチェックぐらいは、楽に操作できる |
ボリューム兼用の電源スイッチは本体の裏面にある。操作し忘れると、音がでないので注意しよう。
背面にある電源スイッチ兼用のボリューム | 横から見るとシートがぴったりと張り付いているのがわかる |
スマホの操作は樹脂製のシート越しになる。伸び縮みする厚手のシートなので、操作性が不安だったが、ごく普通に操作できる。液晶画面にピッタリと張り付いているのが良かったのだろう。
ただ、シートはすべりにくい素材なので、指の移動がひっかかる感じはある。ちょっと前の感圧式タッチパネルみたいな感触だ。
また、スマホのタッチパネルは操作できるが、本体の側面にあるボタンは押しにくい。あまり無理をするとシートに負担をかけるので、操作できるのはタッチパネルだけと割り切った方が良い。
シートは光をやや反射するが、液晶を正面から見る分には、ほとんど気にならない。音楽だけでなく、動画コンテンツでも大丈夫だ。液晶が暗い状態だと、ちょっとムラが見えるが、液晶のバックライトが点いている状態だと気にならない。バックライトは明るめに設定しておくと良い。
このスピーカーはアンプを内蔵しているので、思った以上に音量は出る。お風呂場で音楽を聞くぐらいならば十分だ。ステレオ感は強くはないが、なんせ目の前にあるので、それなりに左右の音は分かれて聞こえる。
この防沫スピーカーは、オーディオ機器メーカーのオーディオテクニカ製なので、音質もバランスが良い。ただ、スピーカーの口径が小さいので、低音はあまり出ない。ボーカルやギターは良いが、ベースはあまり聞こえない。音質調整などはついていないが、低音を強調する機能だけでもあると良かったと思う。
それでも、ポータブルラジオぐらいの音質は十分にあるし、今のバランスはBGM系の軽い音楽には向いている。また、人の声が良く聞こえるので、radikoを使ってラジオ放送を聞いてみると、これがとても良かった。
ボリュームダイヤルが背面なので、お風呂から出るときは、スイッチを切り忘れやすい。LEDの点灯をチェックして電源を切り忘れないようにしよう。1時間ぐらいの切タイマー機能があると便利だと思う。
■音楽視聴以外の用途にも使える
このスピーカーでは、スマホのタッチパネルは操作できるので、音楽を聞くだけではなく、メールチェックなどのアプリの操作もできる。ただ、スマホが固定された状態で指を伸ばして操作するので、左手で持って右手で操作といういつもの操作パターンに比べると効率は悪い。
また、マイクは内蔵していないので、通話はできない。まあ、お風呂に入っているときぐらい、着信に出なくてもいいとは思う。
■お風呂で長い時間を過ごす人に推薦
極端な話、スマホをお風呂に持ち込むだけならば、ビニール袋にスマホを入れ、入り口をしっかり縛っておくという手もある。
しかし、この防沫スピーカーを使えば、より安全に、かつ十分な音量でスマホを持ち込むことができる。お風呂を楽しむための道具として、良くできていると思う。
スマホでは、動画系の配信サービスも普及が始まっているので、お風呂で楽しみたいという人も増えているはずだ。そうでなくても、半身浴などで長い時間をバスルームで過ごす人にとっては、魅力的なアイテムとして推薦する。
2012年10月17日 00:00