家電製品ミニレビュー

無印良品「スマートフォン用防沫スピーカー」

~お風呂でスマホ視聴できるステレオスピーカー
by 伊達 浩二

動画も音楽もスマホの時代

無印良品の「スマートフォン用防沫スピーカー MJ‐SP3W」。フタが透明なお弁当箱に見える

 最近、新発売される電話機の大半はスマートフォン(以下スマホ)になり、電車の中でもフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)を使っている人は珍しくなった。

 また、スマホになってから液晶が大きくなったためか、メールを打つのではなく、動画を見ている人が増えた。TV番組や映画らしき画面を、よく見かける。

 映像や音楽を視聴する端末として、スマホが主力になってきているのはまちがいない。私自身も音楽を聞くのはスマホが中心になっている。手持ちのCDは全部リッピングしてあるので、ライブラリを持ち歩いている状態だ。多少、音質的に劣っていても、聞きたい曲がすぐに聞けるという便利さの方に魅力を感じている。

 というわけで、このスマホをお風呂でも楽しみたいという要望が出てくる。もちろん、防水端末に買い換えるという選択肢もあるが、いまの端末のままで手頃に使える無印良品の「スマートフォン用防沫スピーカー」を紹介しよう。


メーカー無印良品
製品名スマートフォン用防沫スピーカー
MJ‐SP3W
購入場所MUJI net(直販サイト)
購入価格3,150円

しぶきに耐える防沫の箱にステレオスピーカーを内蔵

 今回紹介するスピーカーは、簡単に言えば、防水の箱にアンプとスピーカーを内蔵したものだ。アンプは単三乾電池で動作する。スピーカーはステレオなので2本搭載されている。

 スマホのタッチパネルを操作できるように、前面の部分は透明なシートになっている。このシートがスマホの液晶に密着するので、液晶保護カバーみたいな感じで操作できる。

 本体のサイズは、113×184×50mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約340g(本体のみ)だ。ちょっと大きめのお弁当箱というところだ。

スマートフォン用防沫スピーカー。いつものシンプルな無印良品のパッケージ正面。シート越しにクッションが見える
背面。中央の大きい丸が乾電池、その下の網の部分がスピーカー側面は大きなバックルがあり、フタを固定する

 防水の箱と書いたが、正確には「IPX4 防沫形」という規格に準拠しているので、防沫の箱というべきだろう。この規格は、「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」という水準なので、水に濡れても大丈夫と思っていればいいだろう。

 今回は、回線契約を解除してミュージックプレーヤー専用に使っているiPhone 3GSといっしょに使ってみた。

スマホのセットは簡単

 防沫スピーカーはアンプを内蔵しているので、電源が必要だ。単三形電池3本が必要で、アルカリ乾電池とニッケル水素電池が使える。電池寿命はそれぞれ、20時間と30時間とされているので、かなり長持ちするほうだ。

 電池は、本体裏の大きな丸いフタを開けて入れる。このフタも防水なので、ちゃんとパッキンが付いている。「LOCK」と書かれた位置まで、しっかり回して固定する。

乾電池は3本必要裏面中央の大きな丸い部分がフタ電池は交互にセットする。フタにはパッキンがついている

 これでスピーカー側の準備はできたので、スマホをセットする。

 まず、防水ケースを止めている3カ所のバックルを外し、フタを開ける。中にあるクッションの上にスマホを置き、イヤホン端子にスピーカーのケーブルを挿す。スマホの位置は、スクリーンの中央になるように調整しよう。

3つのバックルを開けたところ別の角度から見るとバックルの大きさがわかるフタを開けるとクッションが見える
クッションの表面は布製スマホを入れ、ケーブルをつなぐケーブルはスマホと重ならないように気をつける

 位置が決まったら、フタを閉め、3つある大きなバックルをカチッとはめる。このバックルはしっかりした作りなので、パカっと急に開いたりすることがなくて安心感がある。お弁当箱のおかず入れの構造にも似ている。

フタを閉めた状態。縦位置縦位置でも使える

 この状態になったら、お風呂場に持ち込んでも大丈夫だ。

お風呂でのBGMには十分な機能

 お風呂場のどこに置こうか考えたが、スピーカーを浴槽に落としたり、シャワーを正面から浴びせたりはしない方が良いので、浴槽のフタを隅に畳み、その上に置いた。スピーカーの上下は、緑色のLEDが見える方が上だ。

たたんだフタに載せたところ画面はくっきり見える
縦位置で置いたところメールチェックぐらいは、楽に操作できる

 ボリューム兼用の電源スイッチは本体の裏面にある。操作し忘れると、音がでないので注意しよう。

背面にある電源スイッチ兼用のボリューム横から見るとシートがぴったりと張り付いているのがわかる

 スマホの操作は樹脂製のシート越しになる。伸び縮みする厚手のシートなので、操作性が不安だったが、ごく普通に操作できる。液晶画面にピッタリと張り付いているのが良かったのだろう。

 ただ、シートはすべりにくい素材なので、指の移動がひっかかる感じはある。ちょっと前の感圧式タッチパネルみたいな感触だ。

 また、スマホのタッチパネルは操作できるが、本体の側面にあるボタンは押しにくい。あまり無理をするとシートに負担をかけるので、操作できるのはタッチパネルだけと割り切った方が良い。

 シートは光をやや反射するが、液晶を正面から見る分には、ほとんど気にならない。音楽だけでなく、動画コンテンツでも大丈夫だ。液晶が暗い状態だと、ちょっとムラが見えるが、液晶のバックライトが点いている状態だと気にならない。バックライトは明るめに設定しておくと良い。

 このスピーカーはアンプを内蔵しているので、思った以上に音量は出る。お風呂場で音楽を聞くぐらいならば十分だ。ステレオ感は強くはないが、なんせ目の前にあるので、それなりに左右の音は分かれて聞こえる。

 この防沫スピーカーは、オーディオ機器メーカーのオーディオテクニカ製なので、音質もバランスが良い。ただ、スピーカーの口径が小さいので、低音はあまり出ない。ボーカルやギターは良いが、ベースはあまり聞こえない。音質調整などはついていないが、低音を強調する機能だけでもあると良かったと思う。

 それでも、ポータブルラジオぐらいの音質は十分にあるし、今のバランスはBGM系の軽い音楽には向いている。また、人の声が良く聞こえるので、radikoを使ってラジオ放送を聞いてみると、これがとても良かった。

 ボリュームダイヤルが背面なので、お風呂から出るときは、スイッチを切り忘れやすい。LEDの点灯をチェックして電源を切り忘れないようにしよう。1時間ぐらいの切タイマー機能があると便利だと思う。

音楽視聴以外の用途にも使える

 このスピーカーでは、スマホのタッチパネルは操作できるので、音楽を聞くだけではなく、メールチェックなどのアプリの操作もできる。ただ、スマホが固定された状態で指を伸ばして操作するので、左手で持って右手で操作といういつもの操作パターンに比べると効率は悪い。

 また、マイクは内蔵していないので、通話はできない。まあ、お風呂に入っているときぐらい、着信に出なくてもいいとは思う。

お風呂で長い時間を過ごす人に推薦

 極端な話、スマホをお風呂に持ち込むだけならば、ビニール袋にスマホを入れ、入り口をしっかり縛っておくという手もある。

 しかし、この防沫スピーカーを使えば、より安全に、かつ十分な音量でスマホを持ち込むことができる。お風呂を楽しむための道具として、良くできていると思う。

 スマホでは、動画系の配信サービスも普及が始まっているので、お風呂で楽しみたいという人も増えているはずだ。そうでなくても、半身浴などで長い時間をバスルームで過ごす人にとっては、魅力的なアイテムとして推薦する。






2012年10月17日 00:00