家電製品ミニレビュー

クイジナート「電気フライヤー CDF-100JBS」

~コンパクトでお手入れ簡単、失敗も少ない電気フライヤー
by 石井 和美
クイジナートサンエイ「電気フライヤー CDF-100JBS」

 揚げ物が好きなので、唐揚げやフライが食べたくなると、まめに自宅で作っている。揚げたてはカリッとしていて格別だ。

 そんなわけで個人的に揚げ物作りは苦ではないが、一方で「揚げ物はキッチンが汚れるから作らない」「うまく揚げることができず面倒だから、お総菜を買って済ましている」という意見も多い。実際にママ友グループに聞いたところ、揚げ物はしないという声が半数以上を占めた。

 もしそんな理由で揚げ物調理を諦めている人がいたら、ぜひおすすめしたい家電がある。クイジナートサンエイの、手軽に揚げ物ができる電気フライヤー「CDF-100JBS」だ。


メーカークイジナートサンエイ
製品名電気フライヤー CDF-100JBS
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格8,980円
 

キューブ型でコンパクト。設定温度になるとランプで知らせてくれる

 本体はキューブ型で、全体的にコンパクトな印象だ。サイズは285×205×195mm(幅×奥行き×高さ)となっている。

 基本的な使い方は、フタを開け、油を注ぎ、コンセントを差し込んだらダイヤルで油の温度を設定する。温度は90℃から190℃まで設定可能。加熱中は加熱ランプが赤く光り、設定した温度に上がると加熱完了ランプの緑色に変わる。

 油がハネるような場合は、フタをすることも可能。フタは本体から取り外すことができ、脱臭フィルターも付いているので、空気を逃しつつニオイを押さえることもできる。フタの取り外し方は取扱説明書に記載されていなかったので悩んでしまったが、全開にせず、少しだけ開けた状態で手前に引くと簡単に外れる。油を扱う製品は部品がギトギトしがちだが、フタを取り外して洗えるのは嬉しい。

 このほか、フライドポテトなどが一度に揚げられる「取っ手付きバスケット」も同梱されている。

横側には取っ手があり、加熱中でも熱くならない裏側にマグネット式の電源コードをつなげるフタが閉じられる構造になっている。調理中も内部が分かるガラスの窓付き
脱臭フィルター内側にMINとMAXの目盛り線が表示される。これは油の量を表す
取っ手付きバスケット。取っ手は取り外せる油切りが一度に済むのでラクバスケットを入れておいてもフタはきちんと閉まる
フタは取り外せる電源コードはマグネット式

自宅で串揚げパーティー! 衣なしの「オイルフォンデュ」も作れる

串揚げに挑戦。食材は先に串に刺しておく。あとは衣を付けるだけ

 まずは串揚げに挑戦。下準備は、材料を小さめに切り、竹串に刺してから、水と卵、小麦粉を混ぜた液にドボンと漬け、最後にパン粉をつける。

 油を入れる際に注意したいのが、本体内に記された、油量の最大・最小ライン。内側容器にはMIN(500ml)とMAX(1,000ml)の目盛があり、このラインの間に油をそそぎ入れる必要がある。新品の油をMAXまで入れてみたところ、油の量は900g程度となった。

 電源を入れ、温度設定180℃で加熱をスタート。8分ほどで適温ランプが点灯した。ワットチェッカーで消費電力を計測したところ、加熱中(赤ランプ点滅中)は880W前後となり、加熱が終了すると0Wになる。

本体にサラダ油を入れる設定温度まで油が熱くなるのを待つ「MAX」の線まで入れたところ、1kgの油が1割ほど残った

 串揚げを油に入れたところ、感覚的に油の温度が低いような気がしたので、温度計で測ってみると、実測は166.8℃という結果になった。設定180℃なのに、実際は10℃ほど温度が低い。

 もう少し高温にしたかったので、一番高い190℃に設定し直したが、ここれも178℃と、やや低めの数値が表示された。もし温度が低めに感じられたら、温度を測って設定温度と実際の温度の誤差を把握しておくことをおすすめしたい。

 なお本製品にはON/OFFボタンがないので、電源を切りたいときは電源コードを引っこ抜く仕様となっている。最初は気になったが、マグネット式の電源コードは本体から簡単に外せる。それほど気にならなくなった。

試しに1つだけ入れてみる。ジュッという音とともに揚げがスタートしたが、火力が弱いような気が……温度設定は180℃にしていたが、実際の温度は170℃を切っていたMAXの190℃設定でも、実際の温度は10℃ほど低めだった。調理自体は問題なくできた

 串揚げの調理に戻ろう。今回用意したのは豚肉、ホタテ、エビ、うずらのベーコン巻、ちくわのチーズ巻、アスパラのベーコン巻、カマンベールチーズ。手間のわりにテーブルが華やかになるので、子供たちは大喜びだ。

 下ごしらえだけしてテーブルに電気フライヤーと一緒に出してしまえば、あとは家族が勝手に揚げてくれる。これは主婦としてはラク。外食で串揚げをこれだけ食べれば結構な額になってしまうが、家で食べれば非常に安く済むというのも助かる。

うずらベーコン、カマンベールチーズなどは子供に大人気エビは取り合いに!子供達も喜んでよく食べていた
オイルフォンデュなら衣をつける必要がない

 串揚げよりもさらに楽に作れるのが、食材を衣なしで揚げる「オイルフォンデュ」だ。食材を串に刺すだけなので、下準備が簡単。衣がないぶんカロリーも低く、食べ終わった後も胃にもたれない。

 一般的なオイルフォンデュは、小さなお皿のような鍋に油を入れて調理するが、電気フライヤーはかなり深さがある。オイルフォンデュ用フォークでは短くて調理しづらいので、長めの竹串を使用したほうが作りやすいかもしれない。

 オイルフォンデュで用意したのは牛肉、アスパラ、茹でたジャガイモ、にんじん、マッシュルーム。油はオリーブオイルを使用するので香りもよく、さっぱり食べられる。お酒のつまみにも合いそうだ。

 ソースは市販品でもよく、何種類か用意しておくと豪華にみえる。ちょっとしたパーティーにもおすすめだ。

 オイルフォンデュの際の注意点としては、食材を直接油に入れる際に、キッチンペーパー等でよく水分を拭き取ったほうが良いということ。油がハネてまわりが汚れるだけでなく、高温の油が飛び散ることになる。特に小さな子供と食卓を囲む際は注意する必要がある。

串揚げのように入れっぱなしにするわけではなく、専用のフォークで油にサッと漬ける牛肉は軽く揚げて中を少しレアにするとおいしいポン酢がよく合う!

取っ手付きバスケットでフライドポテトもラクラク

 続いては、我が家ではおやつの定番となるフライドポテトに挑戦。フライドポテトは子供たちが大好きなので、新鮮な油を使ってサッと揚げている。外で食べるフライドポテトは、油を何度も使用しているので胃がもたれがちだが、新しい油で揚げれば胃にやさしく、とても食べやすい。

 冷凍のフライドポテトを使うと、霜がついているため油がハネやすいが、本製品ではフタを閉じて揚げられるので安心だ。フタにはガラスの窓がついているので、食材の揚がり具合の確認もできる。

 また、取っ手付きバスケットが付属しているので、まとめ揚げもできる。これなら油切りも一度にできるので、揚げ加減も均一で、時間がかからない。油ぎれも非常によく、カリッとした食感になる。これはとても便利。ドーナツ作りなどでも重宝しそうだ。

我が家では定番のフライドポテト。コストコなどで大きめのものを購入しているフライドポテト調理は、バスケットが便利!油がハネやすいが、フタができるのでラク
バスケットで一度に取り出すことができる。油切りも一度ですむフライドポテトは塩コショウが基本だが、クレイジーソルトなどアレンジをしてもおいしい

野菜たっぷりの天ぷらも

 続いては「天ぷら」だ。フライは小麦粉、卵、パン粉を付けなければならないが、天ぷらは天ぷら粉を水に溶かし食材をからめて揚げるだけなので、非常に簡単だ。

 今回は、新タマネギやセリなど春の野菜を使ったかき揚げ、サツマイモの天ぷらを作った。温度は一定なので、ベチャッとすることもなく、サクッとした食感が味わえた。この食感は格別。キッチンが汚れることもなく、おなかにしっかりたまった。野菜もたっぷり食べられた。ごはんのおかずや、うどん、お弁当などにも幅広く使えるだろう。材料費も安く、食費の節約にも貢献できそうだ。

 天ぷらの野菜はざっくり切れば大丈夫なので、ぜひ一人暮らしの方にもお試しいただきたい。揚げ物は煮込み料理より時間がかからず、温度設定さえきちんとしていれば失敗が少ない料理だが、本製品では温度が常に一定なので、安心して調理できる。お料理初心者でも問題ないだろう。また冷凍食品では、衣がついていて揚げるだけのフライなども販売されている。そういったものも活用すれば、料理のレパートリーが増えそうだ。

天ぷらは天ぷら粉を水に溶かし、食材を入れて揚げるだけサクッと揚がるベチャッとした感じがなく、おいしい!!

朝の忙しい時間でも、弁当用の揚げ物が失敗なくできる

 また、弁当用の小さなトンカツも、ジューシーに作ることができた。朝の忙しい時間は、うっかり放置して油を加熱しすぎたりする場合があるが、電気フライヤーならそういった失敗もない。これなら朝の出番が増えそうだ。

トンカツはお弁当用のヒレカツに衣をつけて揚げる副菜の赤ピーマンも素揚げした。温度が一定なので朝の忙しい時間でも失敗なし簡単にトンカツ弁当の出来上がり

内鍋は取り外しできないが、後片付けは簡単

 後片付けは簡単だ。内鍋は取り外すことができないが、使用後の油はオイルポットに移し、キッチンペーパーで拭き取ればキレイになる。あとは濡れたふきんなどで外側など全体をサッと拭けばお手入れは終了。四角い形なので隅っこにカスが溜まりやすいが、それほど時間はかからない。

 「油モノは後片付けが大変」というイメージがあるが、内鍋のお手入れは思いのほか簡単だ。複雑な形のフタは取り外して丸洗いできる。電源コードやカゴなどの付属品も中に入れてひとまとめにしてスッキリ収納できるのも便利だ。

使用後の油使用後の油はオイルポットに移す
その後、キッチンペーパーで内鍋を拭く最後に水でしめらせたキッチンペーパーでふきとればピカピカに

簡単にかつおいしく揚げ物が作れる。少人数の家庭におすすめ

 揚げ物料理には“面倒くさい”、“汚れる”という先入観を抱きがちだが、本製品はとても簡単に、かつ確実においしく作ることができた。油も飛び散りにくく、テーブルは予想より汚れなかった。また、コンロのようにモワッと熱気が上がらず、まわりの温度もあまり高くならないので、夏場にも気軽に揚げ物ができそうだ。

 また、コンパクトで500mlという少ない油で揚げることができるのもポイント。我が家は4人家族なので1,000mlで使用しているが、500mlなら1人暮らしや少人数の家庭でもちょうどよい。

 本製品と新鮮な油を使って、ぜひ「揚げたて」の味を楽しんでいただきたい。






2012年3月8日 00:00