家電製品ミニレビュー

パナソニック「充電式バスウォッシャー BH-BB01」

~楽に浴槽が洗えるお掃除家電
by 伊達 浩二

お風呂掃除を助ける家電

パナソニック「充電式バスウォッシャー BH-BB01」

 お風呂の掃除というのは、意外と身体にきびしい家事だ。天井近くの壁のタイルを磨くために身体を伸ばし、排水口や蛇口周辺などを洗うために身体を縮めるなど、全身を使う労働だ。

 特に、腰を折り曲げて、手を伸ばして浴槽の底の部分を洗うのがつらい。我が家のバスルームは、さほど広くないのだが、洋式の浴槽で浅くて長いため、腰への負担が大きい。

 そこで、パナソニックの「充電式バスウォッシャー BH-BB01」を導入した。以前、この製品の前のモデル「BH-669」を使っていたことがあるが、だいぶ改良されたというので、今回新しいモデルを試してみることにした。



メーカーパナソニック
製品名充電式バスウォッシャー BH-BB01
希望小売価格14,280円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格11,800円


 まず国内ではあまり一般的ではない、バスウォッシャーという製品について紹介しよう。バスウォッシャーは、スティック型の本体の先に、モーターを内蔵して回転式のブラシをつけたものだ。本体には充電池も内蔵しており、ケーブルをつながずに使える。水気が多い浴室内での感電を防ぐのも、電源コードを使わない理由だろう。

 動作原理としては、ハンディミキサーを大きくしたものだと思えば良い。とても大きな電動歯ブラシに見えるときもある。

外箱。手持ちで持って帰るにはちょっと大きい本体の外箱に記載されたバスウォッシャーの長所

 使ってみると便利な製品なのだが、国内メーカーの製品は少ない。このパナソニックの製品を除くと、以前、ツインバードが「ふろピカッシュ」という製品を出していたぐらいで、あとは商社が輸入する海外製品ぐらいしか見かけない。どうも、お風呂掃除に、そこまで大がかりな道具を使わなくてもという雰囲気があるようだ。

素晴らしい洗浄力

 では、実際にバスウォッシャーを使いながら、使い方を紹介していこう。

 バスウォッシャーは、白く長い棒の先にブラシがついた形をしている。白い棒の部分は2つに分かれるようになっており、ニッケル水素充電池が入った電池ケースと、モーターが入っている本体に分かれる。この棒の先にブラシがカチッとはまるようになっている。

 充電は、電池ケースだけを、付属の充電台に置いて行なう。つまり、充電の度に、本体の組立を行なう必要がある。充電時間は約12時間、連続使用時間は約40分だ。これは従来製品の2倍にあたる。大きな改良点だ。

 組み立てた状態の本体の長さは113cmもあり、立った姿勢のままで、浴槽の奥までブラシが届く。本体は軽くするために、金属と樹脂の組み合わせだが、重さは約1.1kgあり、割と重い。重さは均等ではなく、先頭に近いモーターの部分が重いで、普通に持つと、自然にブラシ側が下がった形になる。

パッケージの内容。本体は2つに分かれる充電台がACアダプタを兼ねる電池ケースを充電台にセットした状態
組み立てた状態。長さは1mを越える。手前は30cm定規ブラシは毛の密度が高いブラシのコネクタ部分。本体と噛み合うようになっている
操作部分。電源のON/OFFだけで強弱の切り替えなどはない。充電が必要なときはLEDが点灯する本体の真ん中ぐらいにフック用の穴が用意されているただし、フックの位置が本体の端ではないので、ちょっと中途半端な位置になってしまう
普通に構えたところ

 無理に振り回そうとすると重く感じる。コツは、本体の端に用意されたT字型のグリップを片手で握り、本体の中間部分をもう片手で支えて、バランスを取りながら使うことだ。こうすると軽く感じるのでお勧めだ。ただし、回転するモーターの力も加わるので、壁など横方向へ向けるのは体力がいる。

 このT字型グリップはカヌーのパドルにヒントを得たものと思うが、重いモノの先端を動かすときには、握りやすく有効だ。今回のモデルチェンジで一番成功している部分だと思う。

 モーターの回転力は強く、ブラシも密毛なので、汚れの落ち方は素晴らしい。ブラシは以前のモデルより増毛されているので、浴槽への当たりが柔らかくなった感じだ。浴室用洗剤は、ブラシに直にかけると飛び散ってしまうので、掃除する浴槽などにあらかじめ撒いておくのだが、普段の掃除であれば、洗剤を使わなくても良いぐらいだ。

 しばらく掃除していなかった排水口周りなども、ものの数十秒できれいになる。また、本体が長く、汚れた排水口に顔を近づけることなく掃除できるのも気持ちが良い。ただし、排水口のあたりにある髪の毛がブラシにからんでしまうので、ときどき櫛やハサミなどを使ってブラシの掃除をする必要がある。

 なお、天井を掃除するのは、本体が重い上にブラシから水が飛び散るのでお勧めできない。浴槽中心で、せいぜい浴槽周辺の壁など、自分の腰から下の位置を掃除するのにとどめた方が良いと思う。

 実際の掃除時間は、浴槽だけならば、長くても数分だ。掲載した動画の例では1分で終了しているが、メーカーでは、連続使用時間約40分で、約2週間使えるとしているので、掃除1回あたりは3分弱ぐらいと想定しているようだ。内蔵バッテリの残量が少なくなると、LEDが点灯して充電を促してくれる。これも今回の改良点だ。



浴槽掃除のようす。約1分で終わる

充電方式と重さの改善に期待

 数カ月使っていて、洗浄能力には充分満足しているのだが、2つ改善してほしい点がある。

 1つは、充電方式で、充電のたびに本体を分解するのが手間に感じてしまう。本体の充電口から直接ACアダプタをつなぐ方にするか、せめてブラシを外しただけで、充電台に立てられるようにしてほしい。多少、倒れやすくなるかもしれないが、使う側にとっては手軽さの方が大事だ。

 現状では、本体は充電器と離れた形で置かれているのが通常の状態で、充電器は電池切れの警告を受けたときに使う“仮の宿”とでもいうべき存在になっているが、以前のように、いつも充電台に置く方が使いやすい。

 もう1つは、重さだ。以前のBH-669は、フルセットの状態で約950gだった。増加したのは、100gちょっとなのだが、ずっと重くなったように感じる。これぐらいの重さでは100gの差が大きいのだろう。また、重量バランスの問題かもしれない。持ちやすいように、今回の製品ではT字型グリップを付けるなどの工夫はされているが、以前の方が軽く使いやすかったという印象がある。

 お勧めのユーザー層としては、腰痛持ちの熟年層だろうか。充電方式と重さが改善されると、もっとお年を召した方にも勧められる製品になると思う。

 パナソニックとしては、隙間的な分野の製品かもしれないが、ふろピカッシュ亡き後は、このジャンルを支えてもらわなければならない製品なので、あえて欠点を指摘した。もう少しお年寄りに優しい製品になり、周知されれば、喜んで使う人も多いと思うので、今後の発展に期待したい。





2010年12月20日 00:00