家電製品ミニレビュー

無印良品「シリコーン多灯ペンダントライト」

~球形のペンダントが柔らかな雰囲気を演出
by 藤原 大蔵

無印良品「シリコーン多灯ペンダントライト」
 先日、日用雑貨を買うために立ち寄った無印良品の店頭で、とても魅力的なペンダントライトを見かけた。

 そのライトは3つの球体を一房にまとめたさくらんぼのような多灯型のライトで、白色のシェードを通った光は柔らかで優しく、クラシカルな雰囲気が漂っている。シェードは精巧なガラス製と思いきや、なんと柔らかいシリコーン製。柔らかいのに形状が安定し、耐熱・耐寒性に優れるという、シリコーンならではの特製を活かしたペンダントライトだ。

 今回は、この無印良品「シリコーン多灯ペンダントライト」を紹介しよう。

メーカー無印良品
製品情報シリコーン多灯ペンダント
購入価格14,899円
購入場所無印良品ネットショップ
     


組み立て、取り付けは簡単。コードの長さもスッキリと調整

 シリコーン多灯ペンダントライトは、シリコーンシェード、引掛シーリングとソケットが付いたコード、一般電球よりも小さいE17口金タイプの小型電球形蛍光灯、という3つの要素で成り立っている。電球形蛍光灯はNECの「コスモボール・ミニ」が初めから3つ同梱されている。

3つのシリコーン製のシェードは、つや消し加工の乳白色。2mm程の厚みがあり、一見するとガラス製のような印象がある。一個の直径は約145mm大きめの引掛けシーリングと3つに枝分かれしたソケットが600mmのコードで繋がれている。これに電球形蛍光灯を取り付け、シェードをとりつける光源は電球色の電球形蛍光灯。NECのコスモボールミニ(EFD10EL/7-E17-C2)が3つ同梱されている。一般的な電球よりも小さい、E17口金のついた小型の電球形蛍光灯だ。消費電力は7Wで、明るさは白熱電球40W相当

 組み立てはとても簡単だ。初めに電球形蛍光灯をソケットに取り付け、その周りについているプラスチック製のシェードカバーを、シリコーン製のシェードをはめ込むだけで完了する。箱から出して数分でできてしまうほどで、もちろん特別な道具もコツもいらない。

 作業はもうひとつあって、それは長さ600mmのコードを、取り付ける場所に応じた長さに調整すること。引掛シーリングキャップ内にストッパーとコード収納用スペースが用意されているので、長さの調整がキレイにできる。余ったコードがだらしなく垂れ下がらないため、コードが器具の景観を損ねないのだ。最長で1mほど、最短では50cm程度の高さに調節できる。

柔らかいシリコーン製のシェード。凹んでもすぐに形が戻る。ちょっとくらい雑に扱っても大丈夫ソケットのついたプラスチック製のシェードカバーのフチに、シェード開口部の溝に差し込むようにして取り付ける組み立てが終わった状態。シェードカバーにシェードがピタリとはまり、完璧な球形になる。器具全体の重さは約1.2kg
コード収納のついた引掛シーリングキャップ(写真右)には、キャップカバー(左)が付いている。ちなみに、引掛シーリングキャップの赤い部分は、キャップを引掛シーリングから取り外す時に押すものコードを最短にしてもキャップカバーを動かす余裕が必要なので、器具の全長は50cmを超える。取り付ける天井の高さは購入前に要確認

長さ調節が簡単なのは、引掛けシーリングキャップの付け根にある「コードストッパー」のおかげ。コードの長さを調整、固定も自在にできる

落ち着いた柔らかな光を演出

 準備が済んだところで、いよいよ実際の部屋に取り付け使ってみよう。本体にはスイッチがないので、壁スイッチ付きの引掛シーリングがある場所ならば、基本的にはどこにでも取り付けられる。軽いので取り付けやすく、例え落としてもガラスのように割れることがないのもシリコーンの魅力のひとつだ。

 今回は我が家のリビングルーム、ダイニングテーブルの上、そして玄関に取り付けた様子を撮影した。

 初めにコードを一番短くしてリビングルームに取り付けた。合計21Wの消費電力の電球形蛍光灯なのに、シェードからの光が天井全体に行き渡り、想像していたよりも明るい印象が得られた。柔らかい光に照らし出されたリビングルームはとても落ち着いた雰囲気になった。

 コードを一番短い状態で天井から吊るした場合、光源とローテーブルとの距離はだいたい140cm離れている。それでもテーブル面の照度は92lx得られ、新聞や雑誌を軽く読む程度なら十分な明るさだった。

コードを一番短い状態に調節し、リビングルームに取り付けた。この高さに取り付けてもテーブル面は92lxの明るさだった広い天井面も柔らかく照らし出され、四角い部屋に柔らかさを演出する

 せっかくコードの長さが簡単に調節できるので、長さをいろいろ変えて撮影してみた。頭がぶつからない高さも良いが、思い切って低く下げてるのも、部屋の印象が一変して面白い。柔らかい素材なので、少々頭をぶつけたところで痛くもなく、器具ももちろん壊れない。もしガラス製シェードなら、とても気を遣うところだが、その心配はほとんどない。

シェードを頭に触れるぐらいの高さに設定。テーブル上に取り付けるならば、普通はこのぐらいの高さがちょうど良い次に、顔の高さに触れるぐらいの高さ。ソファに腰掛けても、器具が目に入ってくるほどコードを最長まで伸ばすと、シェードの高さは部屋の高さの中間ぐらいの位置になる。テーブル面が一番明るく、天井、壁、床は同じぐらいの明るさとなる。

テーブル上に取り付けたところ。傘タイプのシェードよりも開放的な印象となる。テーブル面は510lxと明るくで、食事にも仕事にも向く
 次にコードを最長にしたまま、ダイニングテーブル上に取り付けてみる。テーブルと光源の距離は550mmぐらいになり、テーブル面の明るさは510lx。食事だけでなく、細かな仕事もできるぐらいの明るさになった。3つの球体をあわせた直径は300mmに収まる程度なので、2人用の小さめのテーブル上に取り付けても、良いバランスが保たれている。


 テーブル面だけでなく、ダイニングキッチン全体にも十分行き渡る明るさがある。しかし、シェード1個1個は直視できるぐらいの明るさなので、目に触れる高さに器具を設置しても、それほど眩しさを感じない。また、長時間点灯していても、シェードの表面はほんのりと暖かい程度なので、目の前にあっても熱はほとんど感じなかった。

玄関のような狭い空間に取り付けても、シェードを通した柔らかい光で満たされるので、強い影ができにくく、親しみやすい雰囲気が演出できる
 最後に玄関。電球形蛍光灯の光がシリコーンを通して柔らかく広がるため、玄関のような狭い空間であっても強い影ができにくい。玄関全体にフワリとした明るさが満ち、親しみやすい雰囲気が演出できる。

 ただし、頻繁な点滅は蛍光灯の寿命を縮めてしまう。頻繁にON/OFFするよりも、長時間点灯して使いたい。

LED電球との相性はイマイチ

 さて最近では、LED電球のE17口金バージョンも発売されている。そこで、現時点で手に入るLED電球の2種を取り付けてみた。用意したものは、パナソニックの「EVERLEDS(エバーレッズ) LDA6L-E17-A1/D」(全光束230lm)と、三菱オスラムの「PARATHOM CLASSIC(パラトン クラシック) 10W形」(全光束60lm)。LED電球は電球形蛍光灯よりも発熱量が低いため、うまくいけば、長寿命で消費電力もさらに抑えられる。

 しかし、結果はあまりうまくいかなかった。まずはパラトン。もともとそこまで明るい製品ではないので、照明器具というよりもオブジェ的な明るさにしかならなかった。一方のエバーレッズは、直下部は明るいが、シェード内に光のムラができてしまい、器具の印象が変わってしまう。現時点では、LED電球のへの取替えは考えずに、規定の電球形蛍光灯をそのまま使用するのが良いだろう。

同梱の電球形蛍光灯(写真左)のほか、LED電球でも試してみた。使用したのは、パナソニックのエバーレッズ・E17口金用(写真中央)、三菱オスラムのパラトン10W形(写真右)シェードにそれぞれを取り付けた様子。光のムラができにくく明るい電球形蛍光灯(写真左)と比べると、エバーレッズはシェード内にムラができ、器具の印象を損ねる(写真中央)。パラトンはもともと暗く、実用的な明るさは得られない(写真右)

少々値は張るがそれに見合った価値。灯りを利用したインテリアが楽しめる

 シンプルながら、クラシカルな印象を持つシリコーン製ペンダントライトは、柔らかな優しい光と相まって、部屋に取り付けるだけで空間がとても和らいだ表情になる。値段は少々高めではあるが、扱いがとてもラクな点と、割れてしまう危険がないという、価格に見合ったメリットを備えている。

 多少身体に触れるような高さに取り付けても問題にならないので、全体照明にも部分照明にも幅広く使える。味気ない照明器具よりも、雰囲気のある室内空間が作り出せるだろう。灯りを利用したインテリアを楽しんでみてはいかがだろうか。




2010年2月3日 00:00