家電製品ミニレビュー

イデアインターナショナル「ワッカアロマディフューザー」

~“わっか”がゆる~く癒してくれるアロマディフューザー
by 西村 敦子

人気の超音波式アロマディフューザーに、一風変わった機能が

イデアインターナショナルの「ワッカアロマディフューザー YOE002」。魔法のランプのようなちょっとポップなフォルムが特徴です
 アロマテラピーの香りを楽しむには、以前はキャンドル(ローソク)で温める「アロマポット」や、電球の熱を使った「アロマランプ」などを使うのが一般的でしたが、ここ数年はミスト状に噴霧する「アロマディフューザー」が人気です。

 アロマディフューザーは、加湿器を兼ねた気化式や、超音波式、圧縮空気を使ったタイプなど、しくみもデザインもさまざま。キャンドルや電球を使うタイプはその熱でエッセンシャルオイルを直接温めます。その一方、超音波式のアロマディフューザーは、水とエッセンシャルオイルを超音波による振動でミスト状にし、部屋に噴霧するというもので、スイッチを入れるとすぐに噴霧が始まる点が人気のようです。

 今回の「ワッカアロマディフューザー」も、この超音波式アロマディフューザー。ただし、一風変わっているのが、そこから出てくるミストが「わっか」の形をしていることです。

メーカーイデアインターナショナル
製品名ワッカアロマディフューザー
希望小売価格14,490円
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格14,490円

魔法のランプのようなポップなフォルム

 

本体手前に電源スイッチがあるのみと、かなりシンプルなデザイン。このスイッチで、電源のON/OFFと、モードを切り替えます
 本体デザインは、前面の運転スイッチと運転モニターライトがあるものの、全体的にはシンプルで、まるで陶器の壺のようです。カラーには写真のホワイトのほか、「ベージュ」「ピンク」「ブルー」があり、全部で4種類。ACアダプターを装着して使用します。

 イデアインターナショナルというと、TAKUMIブランドの煙突形加湿器「チムニー」が有名ですが、この「ワッカアロマディフューザー YOE002」はYUENTOブランド。YUENTOは独特の雰囲気を持つかわいらしいアイテムが多く、この「ワッカアロマディフューザー YOE002」も、実用性一本槍というよりは“わっかが出てくる”という不思議でゆるい雰囲気を楽しむためのアイテムです。

 はじめて「ワッカアロマディフューザー YOE002」を見たとき、昔のアニメに出てきた魔法のランプみたいだと思ったのですが、これは壺の形が気取りすぎていなくて、ポップな印象を与えるためかもしれません。

 大きさは、壺の下部分は直径130mm、首まで含めた全体の高さは217mm。重さは約350gです。500mlのペットボトルよりも少し高いだけのコンパクトなサイズで、卓上に置いていてもじゃまにならないサイズです。

上部のカバーを外すと本体内部を構成しているパーツが見えます。上部は蒸気パイプ、下部が本体すべて取り外すとこの状態に。中央手前は水やアロマオイルを入れるための気化カップです気化カップは本体にセットして使用。水は毎日とりかえます


 本体の素材はポリプロピレン。光沢を抑えたマットな加工がされているため、上品な印象を受けます。前述のように超音波式なので、噴霧されるミストは熱くなく、常温。本体もそれほど熱は持たず、駆動中に触っても少しぬるく感じるぐらいです。

 内部の水タンク容量は約40mL。上部カバーや蒸気パイプを取り外し、本体内部の気化カップにこの量の水を注ぎます。もちろん、水のままでも“わっか”の発生は楽しめますが、アロマディフューザーとして使うときは、このカップに水を注いだあとに水に1~2滴アロマオイルを垂らせばOK。

 ちなみに、アロマオイルを入れると次回に少し香りが残りますが、香りがまじらないようにしたいときは、一カップ分、水のまま噴霧すると気にならなくなります。

 そして、本体に気化カップをセットし、その上に蒸気パイプをセット、そこにかぶせるように上部カバーを回しながらセットして準備完了です。

水は内側にある水位線まで。多すぎると噴霧されないことがあります。中央の金具が振動子水位線まで入れた水に、1~2滴アロマオイルをたらして使います本体底面にACアダプタージャックがあります。多少外れやすいので、電源を入れても駆動しないときはここをチェック

底面には吸気口があるため、ここをふさいでしまうようなカーペットやふとんの上での使用は不可本体に気化カップをセットしたら、その上から蒸気パイプを乗せます上部カバーはねじ込む形で固定しますが、セット位置にはごく小さく目立たない●印がついています


香りが広がる連続モードと、リズミカルに“わっか”が出現するワッカモード

 運転モードは、本体前面の電源スイッチで「ワッカモード」と「連続モード」の2モードに切替られ、ワッカモードで約6時間、連続モードで約1~2時間駆動します。運転モニターライトは、ワッカモードのときはオレンジ、連続モードのときは緑に光ります。適用床面積は6~10畳程度と、小さいボディながら見た目の印象よりも広い範囲にミストの香りが広がります。

 本製品の最大のウリ、“わっか”が出てくる「ワッカモード」ですが、後述する連続モードよりもかなり噴霧する勢いはゆっくりで、“ポン、ポン”というリズミカルな音とともに、わっか状にミストが出てきます。常に完璧なわっか何個も出てくるわけではないのですが、2回に1回はしっかりわっかに見える状態のものが出てきて、そのわっかがふわっと空気に溶けていくようすが、なんとも不思議。思わず子どものように触りたくなってしまいます。

 一方の連続モードは、ミストがかなり広範囲に広がるので、香りを急速に部屋の中に噴霧させたいときや、多少加湿の効果もほしいときは、この「連続モード」が便利です。

前半はワッカモード、後半は連続モードに切り替えて噴霧しているようす(本体横から撮影)
前半はワッカモード、後半は連続モードに切り替えて噴霧しているようす(本体上部から撮影)


 超音波式のアロマディフューザーは、湿気の白い粒が目に見えるため、実際よりも加湿の効果が高いように錯覚しがちですが、一般的な加湿器が一晩で数Lの水を消費することを考えると、本製品の約40mlという水タンク容量はとても些細なもの。あまり加湿効果は期待できませんが、1~2時間で噴霧が終わる「連続モード」の状態で近くに置いて使うと、ミストが少し涼しく感じますし、喉も少しラクに感じました。ただし、ディスプレイの近くなどに置くと、噴霧されるミストが邪魔に感じられるかもしれません。

ポンポンという音が“わっか”のいい効果音に

 「ワッカモード」では最初、このわっかがキレイに出ないことがあって悩んだのですが、どうやら冷たい水を使うとキレイにはっきり出るようです。確かに、ドーナツのようにしっかりしたわっかで出てきたミストが溶けていくようすは、見ていると癒し効果満点で、個人的には、働き過ぎで頭が疲れたときに、頭をリセットするのに最適でした。

 わっかが“ポン、ポン”と出てくるときの噴霧の音はとても心地よく、いい効果音になってくれます。たとえばゆっくり打つ脈のようにも聞こえますし、ピアノのメトロノームや、ちょっとイメージと違うかもしれませんが木魚をゆっくりたたいているような音にも聞こえます。

 ただし、この音や振動が邪魔に感じることもあります。たとえば、デスクの上でなにか書いているときに同じデスクに置いてあるとこの振動が気になりますし、これから寝るというときにも気になります。音は連続モードのほうが静かなので、私の場合は寝付く前の時間は枕元のテーブルに置き、連続モードで純粋にアロマディフューザーとして使用していました。そのまま寝入ってしまっても、自動オフ機能付きなので水がなくなれば自動的に電源はオフになるので安心です。

寝付くときに使うなら、駆動音の静かな連続モードがおすすめ。ただし、スタンドなどの明かりがないとミストほとんど見えませんワッカモードは、出てくるわっか自体をじっと見つめて、気持ちをリセットしたいときに便利

リビングに置いておくと、来客の際に会話のネタになることうけあいです


 「ワッカアロマディフューザー」は、ただのアロマディフューザーでは終わらない、不思議なアイテム。わっかで出てくるというおもしろさと親しみやすいフォルムで、癒しの時間を楽しませてくれます。



2009年11月5日 00:00