家電製品ミニレビュー

ブラック&デッカー「スカムバスターエクストリーム スペシャルセット」

~風呂掃除の“ゴシゴシ洗い”を開放してくれる助っ人ツール
by 藤原 大蔵

ブラック&デッカーの「スカムバスター エクストリーム スペシャルセット Z-S700S」。本体と共にさまざまなアタッチメントが同梱されている
 風呂掃除は難儀である。その汚れは頑固で、しかもスポンジやタワシに力を込めて、ゴシゴシとこする作業が延々と続く。屈む姿勢も強いられる力仕事なので、終わった頃には汗ダクでグッタリ。できればやりたくない家事の一つだ。

 その延々と続く「ゴシゴシ」を引き受けてくれる強力な助っ人が、ブラック&デッカーの「スカムバスター・エクストリーム・スペシャルセット」だ。

メーカーブラック&デッカー
品名スカムバスター エクストリーム スペシャルセット
品番Z-S700S
希望小売価格オープンプライス
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格5,791円

 スカムバスター・エクストリーム・スペシャルセットは、充電式でコードレスの本体と、風呂場にこびりついたさまざまな汚れに対応するアタッチメントがセットになったもの。これを使うことで、本当に面倒で疲れる作業がラクになるのだろうか。使い勝手、その効果を探ってみた。

持ちやすい本体、充実のアタッチメント

 風呂掃除をする前に、本体と数々のアタッチメントを紹介しておこう。

【本体】 本体のハンドル部は柔らかいシリコンで覆われており、手に馴染みやすく、持った時のバランスも良い。充電池は内蔵されているので、コードレスで使用できる。本体のみの重さは438gで、大きさは210×110×100mm(幅×奥行×高さ)。アタッチメントを取り付けると最大520gとなる。もちろん丸洗いできる防水タイプだ。

【充電器】 充電は、ハンドルの底にあるキャップを外して充電器のジャックを差し込み、コンセントに接続して行なう。フル充電まで約8時間~10時間。充電が終了したら、ジャックを抜き、本体のキャップを戻しておく。

強力なモーターを搭載した本体で、3.6Vニカド充電池が内蔵されている。コードレスなので、駆動性が良いグリップ部分は柔らかめのシリコンが巻いてある。手に馴染み持ちやすい

充電器。内蔵電池の寿命に影響を与えるので、充電が終わったら速やかに抜いておこう本体はもちろん防水。ただし、水につけたまま5分以上放置しないよう指示されている

【ロータリーブラシ】 平らな面にも、複雑な形状を持つシャワー水栓などにも対応。先が細くなったブラシが特徴的で、細かな場所への汚れにも対応するという。75×150mm(直径×高さ)で、ブラシは硬めだ。

【ソフトブラシ】 軽い汚れ、傷つきやすい素材の物を掃除する際に使用する。サイズは110×30mm(直径×高さ)で、こちらは柔らかい素材を使用している。

ロータリーブラシ。ブラシの毛の長さが根元と先端で違うため、平らで広い部分、形状が複雑な部分のどちらにも対応するソフトブラシ。汚れの軽いもの、キズがつきやすい素材のものに使用するソフトブラシを本体に取り付けたところ

【エクストリームパッド(2種類)】 平らで広い面の掃除に適しており、細目の白いパッド、粗目の青いパッドを汚れの質や素材によって使い分ける。直径は130mmで、パッドディスクと併せて使用する。

【放射状ブラシ】  タイルの目地、ドアのレールなど、ほかのアタッチメントが入り込みにくいところに適している。85×8mm(直径×高さ)で、放射状で硬めのブラシだ。

【エクステンションポール】  エクステンションポールには2つの特徴がある。1つ目は、このポールにスカムバスターを差し込み、いわゆる延長ポールとして使用するというもの。435~670mmと長さも調節できる。手の届きにくい高所の壁面や、かがまずに浴槽を掃除するのに便利だ。2つ目は、ポール内部に洗浄水やクリーナー液を溜め、それを掃除したい場所に噴射できるのだ。つまり、大きな水鉄砲のように使える。

エクストリームパッドは2種類。左から細目の白いパッドは平面のこびりついた汚れ、粗目の青いパッドは床や汚れのひどいところに使う。それぞれ2枚ずつ同梱されている。奥はパッドを取り付けるパッドディスクパッドディスクを本体に取り付ける。パッドが触れるパッドディスクの表面は、マジックテープが覆っているため、パッドを軽く押し付けるだけで装着できる本体に放射状ブラシを取り付けたところ。主にタイルの目地や、ドアのレールなど細長いところに活用する

エクステンションポール。本体を取り付けて、高所の掃除などに活用できるエクステンションポールは水鉄砲のように、洗浄液を溜め噴出できるポール内部には約300ccの洗浄液が入る

エクステンションポール、自家製の洗浄水をバケツ等を利用して作り噴射できるのが便利

 これらのアタッチメントは、本体と取り付け部を合わせて差し込むだけと着脱がとても簡単。取り外す際は多少の力は必要になるが、取り付けたアタッチメントは振っても抜け落ちないので頑丈だ。

 電源は、本体の柄の中間にあるスイッチを押すと電源が入り、もう一度スイッチを押すと電源が切れる。ブラシの回転速度は持っている手が振り回されるような高速回転ではない。細かい話だが、実際に回転を数えてみると1分間に177回転しているようだ。

ブラシが回転する様子。取り扱い説明書には1分間に160回転とあるが、満充電で電源を入れ、実際に数えてみたところ177回転だった。時間の経過と共に回転数が下がってくるようだ。なお、スイッチはプッシュ式で、押すと電源が入り、もう一度押すと止まる

風呂掃除が全然苦にならない

我が家のユニットバスの洗い場。シャワーの飛沫が飛び、水垢や汚れがつきやすい
 それでは、実際に風呂掃除に使用してみよう。

 我が家の風呂はいわゆるユニットバス形式。浴槽と洗い場はプラスチック製で、壁は防水プリントが施された合板、そしてシャワー水栓が取り付けてあるという、ごく一般的なものだ。

 掃除前の下準備として、浴室内全体を水で湿らせ、風呂用洗剤を吹き付けて数分置いておいた。水垢やカルキ汚れが目立つ床やシャワー水栓には、10%のクエン酸溶液を1Lほど作り、エクステンションポールで吹き付けておいた。汚れに洗剤がしみこんだところで、スカムバスターのアタッチメントを取り替えながら次々と掃除を進めていった。

 まずはソフトブラシを装着して、主に汚れのあまりひどくない所や、キズを気にする柔らかい素材に使用した。ゆっくりと左右上下に軽く押し付けると、効果的に洗うことができる。スポンジだと力が入りにくい浴槽のコーナー部も、ソフトブラシはコーナー部にフィットしながら回転するので、形状に合わせながらラクに洗うことができた。

かがんだ状態で、力を込めて垂直方向をゴシゴシ掃除するのは大変だが、スカムバスターを使うとゆっくり動かすだけで汚れがおちるのでラクコーナーにブラシを軽く押し付けるだけで曲面部分もラクに掃除ができる複数のコーナーがぶつかる我が家の洗い場の床。ソフトブラシはそんな場所も問題なし

汚れが放置されやすい浴槽側面は、パッドですばやく強力に掃除
 ソフトブラシ全体を洗った後は、“エプロン部”と呼ばれる、汚れの放置されやすい浴槽の外側部分を洗う。多少しつこい汚れのついた平らな面には、白いエクストリームパッド(細目)がお勧め。若干力を加えながらゆっくり動かしてゆくだけで簡単に汚れをこそぎ落としてくれる。

 その次は床面をより細かく掃除。床は普通に使っていても細かなキズがつき、そこに汚れが入り込む傾向にある。床面の凹凸が少ないなら、粗目のエクストリームパッドがより効果的だ。滑り止めの細かな凹凸がある場合なら、ロータリーブラシが良いだろう。

 次に浴槽のフチ。手が触れる上、水垢も溜まり、汚れやすい場所だが、パッドを使ってゆっくりと左右に動かすだけで、みるみるきれいになってゆく。また、サッシなどの細い溝部分は放射状ブラシが活躍してくれる。汚れはあっという間にかきだされてしまった。

床をパッドで磨いているようす。パッドはパッドディスクからはみ出すので、多少の曲面があってもしっかり掃除する事ができる。両手を添えると本体が安定し扱いやすい浴槽のフチは、数回往復するぐらいできれいになった

放射状ブラシは飛沫が少し番飛び散りやすい。キズもつきやすいので、あまり強く押し付けない方がよい蛇口の掃除にもフレキシブルなロータリーブラシがお薦めだ

厄介なタイル目地の掃除も放射状ブラシでラクに行なえる平らな壁面の掃除はあっという間

 ところでエクステンションポールだが、ロータリーブラシを装着した時以外は、あまり使い勝手が良くない。というのも、パッドを使用する場合は掃除する面と平行に触れさせないと効果がない。したがって、エクステンションポールは、ロータリーブラシ専用と考えたほうが良さそうだ。また、我が家のユニットバスは天井が低いため、エクステンションポールはクエン酸水溶液を噴出する時ぐらいしか活躍の場がなかった。

かがむのが大変な人はロータリーブラシをつけた本体に、エクステンションポールを取り付けるのがお薦めだ。ただし、ブラシに力が加わりにくいので、あまり汚れを溜め込まないうちに掃除をするのが良いだろう高所を掃除する場合ば、エクステンションポールにローターリーブラシを取り付けるのがお勧めポールにパッドを装着すると、角度が付いてしまい、接着面が少なくなるため機能しない

 使用した率直な感想は“全然苦にならない”。ほとんどの汚れは、本体を軽く押し当てながらゆっくりと左右、もしくは上下に一往復するぐらいできれいになってしまうからだ。汚れが落ちて行く様は楽しくなってしまうほど。鼻歌まで飛び出す始末であった。

 また、本製品の駆動時間が気になるところだが、説明書にはフル充電で約25分の連続使用が可能と記されている。手を止める時には電源を切るよう心がけて使用したところ、浴室丸ごと問題なく掃除を終えられた。試しに、本体の電源を入れて放置してみたところ、1時間34分も回り続けた。1時間を過ぎるぐらいまで、回転部分を握り締めても回転は止まらず、高いトルク力をキープしていた。本体を軽く押し付けながら掃除を進めているとき、負荷でブラシの回転が止まってしまうことは一度も起こらなかった。


その差は歴然のビフォー&アフター

 実は今回、このスカムバスターの効果を実感したいがために、あえて風呂掃除をしないまま放置して、汚れを作り出してみた。掃除前はリアルな汚れが写っているため、文字通り「お目汚し画像」ではあるが、スカムバスターの効果を披露するため、ここは正直に公開してしまおう。

 まずは洗い場と浴槽だが、張り付いていた水垢、皮脂の老廃物はきれいさっぱり落ちた。浴槽を指でこすると“キュッキュッ”と音がし、気持ちが良い。細かい点を指摘すると、入居前から付いていた浴槽の底のシミはあまり取れてはいないが、これは仕方がないだろう。

【Before】洗い場には水垢がたっぷりこびりついている。浴槽もくすみ、かなり汚れている【After】床全体がきれいになりとても気持ち良い。入居前からあった浴槽底のシミは取れなかったものの、若干は薄くなっている

 シャンプー置き場、水道に付いた赤カビも、スカムバスターはあっという間にかき出してキレイにしてしまった。特に汚れが目立ちやすいシャワー水栓は、ハンドルを外して掃除した。ロータリーブラシだけで難なくピカピカになってしまった。シャワー水栓と壁の間にはスカムバスターは入らなかったので、そこだけは手作業になってしまった。

 壁面と浴槽の継ぎ目は、スポンジだけではなかなかきれいにならないが、ソフトブラシだけでずいぶん汚れが落ちている。カビ取り剤は使用していないものの、浴槽にツヤが戻っているのがわかる。

【Before】シャンプーボトル等を置いていたところに輪状の汚れがべったりついている。また、水道の点検孔カバーの下の汚れが特にひどい【After】赤カビもボトルの底の汚れもあっという間にきれいになってしまった

【Before】湯垢、水垢、石鹸カスの汚れが特に目立ちやすい蛇口。でこぼこが多く、普通に掃除する時は、かなり厄介な場所【After】ロータリーブラシを利用したら、思った以上に簡単に掃除できた

【Before】見落としがちな浴槽と壁面の継ぎ目。通常なら歯ブラシなどで飛沫を浴びながら掃除するような場所だが……【After】ソフトブラシをゆっくり移動するだけで汚れがかき出され、きれいになった。不快な汚れた飛沫を浴びることもなかった

お風呂掃除が面倒な人に

 スカムバスターを使うと、あれだけイヤだった風呂掃除が苦ではなくなった。ゴシゴシが無くなるだけで、汗だくにもならず、本当に以前と比べ物にならないほどラクになったのだ。すっかりキレイになった浴室は爽快である。また、ブラシの回転数が適切なのか、思ったほど飛沫が飛び散らず快適に進められる。さらに、ブラシ類は水はけが良くすぐに乾いてくれるので、清潔に保ちやすい点も良い。

  使用上の注意としては、ガラス、ホーロー、鏡面加工が施されているステンレスなどのキズがつきやすい素材では、使用後に細かな傷が付いてしまう恐れがある。使用する前に目立たないところで試しておきたい。

 あの疲れる風呂掃除の苦労が激減する、頼もしいツールであることには間違いない。風呂掃除が嫌い、面倒な人にお薦めしたい製品だ。




2009年10月14日 00:00