家電製品ミニレビュー

手のひらから高温スチーム!? いつもの掃除感覚で使えるスチームクリーナーは買うべき1台だった

 今年4月、電動工具や掃除機などのハウスキーピング家電で知られる米国ブラック・アンド・デッカー社から、スチーマーの新製品が発売されたのだが、その大胆さに驚いた。なんとミット型のヘッドから高温スチームが噴出され、そのまま掃除ができるという。その名も「SteaMitt(スチーミット) FSH10SM」だ。

スチームとミットが一緒になった「スチーミット」
メーカー名ブラック・アンド・デッカー
製品名スチーミット FSH10SM
実勢価格13,658円(Amazon)

手の感覚で掃除できる、新しい形のスチームクリーナー

 そもそもスチームクリーナーは、高温スチームを噴射して汚れを浮かせながら掃除できるとして人気の掃除家電だ。洗剤を使わず頑固な汚れが落ちるほか、99.9%以上の除菌効果もあるという。

 スチームクリーナーといえば今までは、床掃除をするときに便利なスティックタイプや、先端にノズルをつけ、キッチン周りなど細かい汚れを落とすハンディタイプが多かった。一方、このスチーミットは、自分のいつもの手の動作で掃除できるため、テーブルをふいたり、壁や窓ガラスを掃除するなど、実に幅広いシーンで使えるという。さっそくセット内容を見てみよう。

高温スチームが持続するボイラー式
本体サイズは120×260×160mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.66kg。コンパクトかつ軽量なので、持ち運びながらの作業もラクラク
ミット型をしたヘッド部分。白いネットの中に手を入れる
手のひら側は熱を通さないシリコン素材で、パットを取り付けるための面ファスナーがついている
マイクロファイバーパッドが2枚付属

 スチーミットは、本体で生み出された高温スチームがホースを通ってミットの穴から噴射されるというもの。そう考えると、ミットに手を入れたら熱いんじゃない? と心配になってしまうが、大丈夫じゃないワケがない、と思い直し、さっそく使ってみた。

 まずは準備から。給水タンクに水を入れ、本体の電源を入れると内部のボイラーが温まり始める。あとはスチームボタンをオンにすれば、シュワシュワと音を立ててスチームが沸きあがってくる。

給水タンクに水を入れる。水道から直接給水できないので、計量カップなどを使用。容量は100ml
本体の電源を入れると、約20秒(電源起動時は45秒)と内部のボイラーが温まる
あとはスチームボタンをオンにするだけ

 ここまで準備できたので、ミットに手を入れてみた。入り口がゴムになっているのでフィット感も高く、動かしても脱げそうにない。内側にはクッションのようなものも入っていて、熱をガードしてくれそうだ。

ネット状のカバーの中に手を入れる。入り口部分ゴムになっているのでフィット性は高い
中指だけ独立して入れられるので安定感がある
手にひら側の面ファスナーに、パッドを貼り付けた

 ここで勇気を出してスチームボタンを押してみると、ジュジュジュジュ~と熱そうな音を立ててスチームが出始めた。スチーム穴は1つだけだったが、スチーム自体はパッド全体に広がっているようだ。

ミットに手を入れた状態で、スイッチをオン!
ドキドキドキドキ……
徐々にスチーム量が多くなり、もうもうと白いスチームが立ち上った

 これはすごいスチーム量だ! 期待が高まる。さっそくこのままテーブルを拭いてみると、普通にふきんを使う感覚で、テーブルにこびりついた汚れもすっきり落とせた。高温スチームのため水拭きでも乾きやすく、除菌効果があるというのもうれしい。

スチームを噴射しながらテーブルをすっきり拭き掃除、爽快です!

 ちなみに熱いか熱くないかというと、ほんのりと温かさを感じる程度で問題なかった。続いてお風呂の扉周りを掃除してみたところ、こちらも手で雑巾を持って掃除するように、スチームの力でスッキリ掃除できた。仕上がりはさらっとして、何より除菌効果があるのはいい。

扉のような面は掃除しやすい
ミットが厚いため、さすがに角までは届かない

ガスコンロがアクセサリーとの合わせ技で見違えるほどキレイに

 続いてガスコンロ周りを掃除してみた。約5日間、まったく拭き掃除をしなかっただけでなく、以前からの汚れもこびりついて、目を背けたくなる汚れっぷりだ。

五徳を外してみたら、予想以上に汚くて、我ながらドン引きした

 ここで使いたいのが、別売りの専用アクセサリーキット(FSHSMA)だ。マイクロファイバーパッドのほか、ボアパッド(マイクロファイバー)、ハードパッド、モップパッド、延長ノズル、小ブラシ、真鍮ブラシ、窓用スクイジーがセットになっており、さらに掃除できる範囲が広がる。価格は7,000円(税抜)。

専用アクセサリーキット(FSHSMA)。ミットにつけるパッドのほか、ハンディとして使えるブラシ類もセットになっている

 まずはミットにハードパッドを装着。これは、コンロやシンクなどの表面のこびりつきを落とすのに最適だという。このパッドを使い、スチームをかけながら表面をこすると、油を溶かしながらかなりの汚れを落とすことができた。しかしコンロ周りにこびりついた汚れはかなり頑固。そこで今度はミットから延長ノズルを差し替え、小ブラシ、真鍮ブラシを使ってこすると、さらに汚れが落ちた。

ハードパッドは表面がザラザラしていて、しつこい汚れを落としてくれる
こんなにべっとりついた汚れが
1、2回こすっただけで、キレイになった
ハードパッドだけで、ここまで落ちたが、まだ汚い
五徳回りは小ブラシを使って
それでも落ちなかったので、真鍮ブラシに変えて磨き上げた

 高温スチームで油を溶かしながら、ブラシを使って掃除すること約10分。ここまでキレイになった!

洗剤を使わなかったにしては、我ながら満足な仕上がりだ

 コンロ周りの壁に飛び散った油汚れも、ハードパッドを使ってキレイに落とすことができた。

 ちなみにここまでキレイにするためには、途中で給水が必要になる。1回の給水量が100mlのため、連続して3~4分も使うと徐々にスチームが出なくなってしまうのだ。そのためコンロ周りの掃除でも2回ほど給水が必要だったが、これだけ気持ちよくきれいになるのだから、給水ごとき苦にならない(笑)。

毎日の掃除に使える、買うべき1台と実感!

 今までいくつかのスチームクリーナーを使ったことがあるが、発想が斬新なスチーミットは、とても使いやすかった。何より、いつも手で行なっている拭き掃除に近い感覚で使えるのがいい。それなのに、こんなに汚れが落ちるのは爽快だ。コードの長さが3mあるため、キッチン周り、お風呂周りなど、場所ごとで使うときはコンセントをいちいち差し替えなくてもいい。

洗面所の水栓は、ボアパッドを使って
こちらもスチームで汚れを浮かせてピカピカに

 ちなみに手の感覚で掃除できるとはいえ、たとえばドアノブなどを握るように掃除するのは、ミット自体が弾力があるため容易ではなかった。あとは、料理用のミトンのように、親指が独立していたら、どんなに使いやすかっただろうとは思ったが、そこまで要求するのはわがままというものだろうか(笑)。

曲がることは曲がるが、少し力がいる
ドアノブを握るのも、自然な感じではできない。親指だけ独立していれば……と思ってしまう(笑)

 いずれにしても、このスチーミットは使いやすいうえ軽量コンパクト。さらに汚れ落ちも抜群で、毎日の掃除に買い足したいアイテムなのは間違いない。

田中 真紀子

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