趣味の節電道入門
第11回:節電ポスター&ステッカーあれこれ
by 小口 覺(2014/7/2 07:00)
震災後の電力危機時に、オフィスから店舗まで、あちらこちらで見られたのが、節電を推奨もしくはアピールするポスターやステッカーだ。手書きのものから商品として売られているものまで、他と差別化しようと工夫を凝らした表現も散見された。
最近は、すっかりニューカマーの節電ポスター類を見ることもなくなったが、今こそ見直してみようではないか。今回は、ちまたの節電ポスター・ステッカーを分類して、その効果を考えてみた。導入の参考にしていただければ幸いだ。
まずは文字表現に注目
シンプルに「節電」の二文字。単純かつ明快な命令形でもある。語尾に「中」や「!」が加えられることも。時代を問わない表現ゆえか、ステッカー製品も多く存在する。
少していねいな言い回しになっている。命令ではなく依頼なので、公共施設や店舗など、お客様の目に触れる場所でも使いやすい。
さらにていねいな表現に。少し前から流行っている、お願いよりも感謝という「既成事実化」表現である。トイレで増えている「いつもキレイにお使いいただきありがとうございます」の類だ。
店舗などで多く見られた、営業をアピールするパターン。照明をいつもより暗くしている、エアコンを控えめにしている、などの節電努力を示しつつ、営業中なのでおいでくださいと来店を促しているわけである。もちろん、「節電でいつもより暗くしていますが、がんばって営業しています」など派生表現も多い。
ビジュアル付き
おそらくイラストでもっとも多いのは電球。今でも、照明を「電気つけて」と言ってしまうように、電気といえば照明という意識は根強いのだろうか。しかし、描かれている電球の形状があきらかに白熱電球なので、いいかげんLED電球化してもらえないだろうか。説得力に欠けるので。
スイッチ。象徴としての電球より、具体的なアクションが提示されている。
プラグをコンセントから引き抜く。待機電力もカットしようという積極性が感じられる。ただ、パソコンやレコーダーなど、電源が入っている時にやると問題な機器もあるので場所は選ぶだろう。
さらに具体的に
対内的には設定温度の指導、対外的には「少し暑く感じるかもしれませんが、節電のためですのでご容赦ください」というエクスキューズとして使える。
エレベーターを使わず、階段を推奨するポスター。階数については、「上り1階、下り3階」など様々なパターンがあるようだ。健康面でのメリットが強調されることもある。
もっと個別の電気製品ごとにあってもいいのではと作ってみたのがこれ。ちょっと「いきすぎ」だ。
命令形ばかりだと疲れるので、ポエムはどうだろうか。節電標語もサラリーマン川柳のように笑えるのを考えていただきたい。
ちょっと物珍しさがあるのが、スイッチまわりなどに貼るタイプのステッカー。動物のキャラクター(温暖化を意識してかシロクマとかペンギンが多い)がかわいいので家庭でも使いやすい。
スイッチまわりに貼るステッカーで考えたのがこれ。送電線の先には発電所とタンカーが描かれ、化石燃料の高騰やCO2排出を意識させられるデザインだ(自画自賛)。
以上、ちまたの節電ポスター・ステッカーを分類しつつ、少し応用を考えてみた。コピーライターやイラストレーターの方々におかれましては、もっとグッとくる効果的なアイデアを出していただき、ふたたび節電ポスター・ステッカーの世界を盛り上げていただければと思う次第である。