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やじうまミニレビュー
ルクエ「スチームケース」

~高いけど、意外に使えるシリコン製調理器具
Reported by すずまり

パッケージ
 今回は電子レンジを活用するにあたり、強力な味方になってくれるアイテムをご紹介しよう。

 それはスペインに本社を置くルクエの「スチームケース」だ。「スチームケース」とは、スイス人デザイナーのルキ・ヒューバー氏が、バナナの葉を使ったメキシコの蒸し料理からインスピレーションを得て考え出したという調理器具なのである。食材を入れ、両サイドのフタを閉じると、全体がすっぽりつつまれた様な状態になるのが特徴。そのまま電子レンジにいれれば、食材のもつ水分だけで蒸し料理が完成するのだ。

 サイズは幅240mm、奥行き124mm、高さ50mmで、じゃがいもやトウモロコシ、さつまいもなどがすっぽり収まる。重さは約260gと軽い。つかめば簡単に曲がるほどソフトなため、これを加熱して大丈夫なのかと不安に駆られるが、全く心配いらない。プラチナシリコン製で、耐熱温度はなんとマイナス30~260℃と幅広い。おかげで電子レンジだけでなく、オーブン、食器洗い機、冷凍冷蔵庫まで対応する。食器も兼ねているので、できあがったらそのままテーブルに並べてもOK。そのまま食べればお皿もいらない。

 「手間をかけずに下ごしらえをしたい」「簡単にもう1品増やしたい」「手の込んだ料理を作るのは苦手」「ヘルシーな料理を作りたい」「洗い物は極力減らしたい」などのニーズに応えてくれるのが、ルクエの「スチームケース」というわけなのだ。

 インパクトのある色はトマト、ニンジン、カボチャなどの野菜がイメージされているのだという。現在では日本のお米をイメージした新色「ライス」や、重厚な黒の「アナスタシア」も登場している。

メーカールクエ
製品名スチームケース
希望小売価格5,250円


スチームケース本体。色はトマト(レッド)
横から見たところ。やや舟形に見えるデザイン
前後から見ると、楕円形であることがわかる

フタを開けた状態
プラチナシリコン製のためクニャクニャと柔らかい。果たしてこれで調理できるのかと思わせるほどの柔らかさだ
フタも柔らかい。しかし滑りにくく、つまみやすい

耐熱温度は上は260℃までOKだが、直火やトースターはNG。また中身を入れた状態でナイフを使ってはいけない。長く使うなら火と刃物には要注意なのだ
電子レンジに入れた状態
取扱説明書兼レシピブックが1冊付属する

「スチームケース」と他のポリプロピレン製容器との違い

 ここでちょっと気になるのが、数百円程度で手軽に手に入るポリプロピレン製の電子レンジ専用調理器具だろう。野菜の下ごしらえなどはそれらの容器で十分対応できるため、あえて5千円する「スチームケース」を選ぶ必要はないだろうと考えてもおかしくはない。しかし「スチームケース」のほうが有利な点が2つある。

 1つ目は耐熱温度の違いだ。ポリプロピレン製ケースの場合、耐熱温度の上限は140℃程度。水分の多い材料や野菜の下ごしらえ程度なら問題ないが、油分が大敵。容器もしくはパッケージに、油分が多い食材の調理は避けるよう、またオーブンでは使わないよう必ず注意書きがあるはずだ。溶けて変形する恐れがあるため、電子レンジのオート加熱やおまかせ加熱にも対応していない。

 一方、プラチナシリコン製の「スチームケース」の耐熱温度は260℃。下ごしらえはもとより、オーブン調理にも対応しており、バターやオリーブオイルといった油分をあえて加えて調理することもできる。この温度差が調理の幅を決定的に変えているというわけである。(ただし260℃を超える調理や、直火、オーブントースターでの利用はできないので注意してほしい)

 2つ目はフタの構造だ。「スチームケース」のフタは観音扉のように開閉する。一見、ユニークな構造というだけで見過ごしがちだが、非常に配慮されたデザインなのだ。

 フタ付き容器の場合、加熱後しばらくそのままにしておくと、密閉されてフタが凹んでしまうことがある。フタが開けにくくなると同時に、開ける際に勢いよく蒸気が吹き上がるため非常に危険だ。開ける際も両手でしっかり固定する必要がある。また、フタが別になっていると、フタだけ紛失する(見つからない)可能性もある。フタがなくなってしまった専用容器は、片方なくなった手袋のようなものだ。

 「スチームケース」のフタは本体と一体型で、端を指先でつまむだけで簡単に開けられるユニバーサルデザイン。中が陰圧になることもないため、開けにくくて困ることもない。中から出てくる蒸気の量は多くても、フタをそっと持ち上げれば心配ない。注意が必要だとすれば、全体が柔らかい構造なため、電子レンジやオーブンからの出し入れを慎重に行なう必要があることだろう。

 以上が「スチームケース」の特徴だが、やはりその形を見ていると、本当にそこまで多機能なのかと思う気持ちはよくわかる。というわけで、ここで使用例をご紹介しよう。野菜の下ごしらえはできて当然ということで、今回はあえて野菜以外のものも加えた調理に挑戦した。


ソーセージと野菜のオリーブオイル蒸し

 レシピに掲載されている「季節の野菜のオリーブオイル蒸し」をベースに、冷蔵庫の中にあったものを使って「ソーセージと野菜のオリーブオイル蒸し」を作ってみた。

 野菜を食べやすいサイズにカットし、ソーセージには切れ目を入れ、「スチームケース」の中へ。上から大さじ1程度のオリーブオイルをふりかけ、塩、コショウを振っておく。フタをして500Wで7分加熱した。(レシピより量が多かったため)

 フタがギリギリになるほどの量だった野菜も、フタを開けてみるとしんなりしてちょうどよい量に。シンプルかつ食べ応えのあるおかずが完成だ。そのままテーブルに運んで食べてみたが、オリーブオイルの香りと塩、コショウが効いていて、野菜のおいしさが堪能できた。中途半端に野菜が残ってしまったときにかなり便利な一品だ。

 食べる直前までフタをしておけるので、冷めにくい点もうれしかった。当初は赤いケースに入れた状態で食べるのはいかがなものかという懸念があったが、食べ始めると全く違和感を感じなかった。

 なお、容器全体が柔らかいため、電子レンジから取り出すときは、ミトンを使って両手でしっかりホールドすることをお勧めする。


中途半端に余った野菜と、ソーセージを使った蒸し料理に挑戦
上からオリーブオイルと塩、コショウを。さすがにこれは食べきれないかも!?と思ったが……
そのまま電子レンジの中へ

加熱後開けて見ると、しっとりと適量に。水を使わないのに、ジューシーな蒸し料理が完成
どんどん食べられる。おつまみがもう1品欲しいなんてときにも便利だろう

甘鮭と野菜のバター蒸し

 フライパンを使って鮭をソテーするつもりでいたが、レシピに掲載されていた「鮭の千切り野菜蒸し」を見て、調理方法を「スチームケース」に変更した。

 量はほとんど勘で、やはり冷蔵庫にあった、しめじ、えのき、にんじん、アスパラを食べやすいサイズに刻み、2切れの鮭とともにスチームケースの中へ入れてみた。その上に薄めにカットしたバターを乗せ、フタをかぶせて電子レンジへ。600Wで5分程度加熱し、電子レンジから取り出して2分程度蒸らした。

 フタを開けてみると、野菜と鮭から生じた蒸気が立ち上り、ジュージューと音をたてている。当然中は熱々の状態だ。鮭を軽くほぐし、最後に醤油などを少々垂らして完成。お好みでレモンをかけてもいいだろう。


材料をスチームケースに入れ、上にバターを乗せた
電子レンジから取り出した直後の状態

食べやすいように切り身をほぐし、お好みの調味料で味を調えて完成
そのまま食卓へ

ランチ蒸しケーキ

 これは付属のレシピ通りに試した一品。「スチームケース」と電子レンジでさつまいもが入ったヘルシーな蒸しケーキを作ってしまおうというものだ。

 小麦粉、ベーキングパウダー、卵、砂糖、牛乳、サラダオイルを混ぜ合わせ、「スチームケース」の中に流し込んだら、1cm角に刻んださつまいもを投入する。パタンパタンとフタをして電子レンジの中へ。500Wで5分間加熱してみると、ちょうど良い高さにまで膨らんだ蒸しケーキが完成した。

 完成直後の見た目はいまいちだが、ひっくり返してみるとなかなかの見栄えである。「ヘルシー」が前提であることを忘れ、いろいろとトッピングしたくなってしまった。慣れてしまえば全工程で15分もかからないだろう。子どものおやつにもピッタリだ。なお、しばらく蒸らしてしっとりさせたほうが、食べたときのパサ付き感が抑えられていいかもしれない。


ランチ蒸しケーキの材料
全部を「スチームケース」に流し込んだらフタをして電子レンジへ
完成した蒸しケーキ。加熱中はどんなことになるのかと緊張したが、こぼれ出ることはなかった。もちろん指定量以上はあふれる恐れがある

ひっくり返すとこの通り。こびりつきもほとんどなく、スムーズに取り出せた
さつまいもが見た目と味のアクセントになっている
材料を工夫するといろんなバリエーションが楽しめそうだ

完成直後の蒸しケーキの様子

肉まんの温め

 寒い季節に“蒸す"とくれば肉まん! そこで「スチームケース」に市販の肉まんを2個入れてみたところ、計ったようにピッタリ。肉まん用の温めケースかと思うサイズ感だ。いつものようにフタを閉じて電子レンジの中へ。肉まん付属の説明書に従って、600Wで1分20秒加熱してみた。(1個ならわずか50秒)

 するとどうだろう。驚くほどふんわり熱々に仕上がっているではないか。説明書には軽く水にくぐらせるとあったが、なくても全く問題なかった。いちいちラップで包むのは面倒だと思っていた方、表面だけ水っぽくべたべたした仕上がりになると悩んでいる方には絶対お勧めしたい。「スチームケース」があれば、誰でも「肉まん温め名人」になれるのだ。


スチームケースと肉まん
サイズはぴったり
熱々な仕上がりで、もう手放せない!

電子レンジ調理がさらに楽しくなる製品

 手に取った瞬間は「これで~?」と思ったものだが、「スチームケース」の多機能ぶりには正直驚かされた。想像以上の働きを見せてくれるのだ。

 そのままテーブルに出せる点も楽でいいが、調理後フタをしたままにしておくと保温になり、乾燥が防げる点も見逃せない。ラップが不要なので、レンジ調理を頻繁に行なう人には経済的といいことづくめである。

 野菜不足解消したい方、自炊をすべきだとは思うが、面倒くささが先に立って、なかなかやる気が起きない方にもピッタリではないだろうか。付属のレシピ以外にも公式サイトには多数の事例が紹介されているので、ぜひ参考にしてみよう。お値段が少々高い点がネックだが、それを活かして贈り物するとかなり喜ばれるかもしれない。





URL
  コラムジャパン株式会社(国内販売代理店)
  http://www.coram.co.jp/
  ルクエ
  http://www.lekue.jp/
  製品情報
  http://c08.future-shop.jp/fs/coram/lekue_luki/62036

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2009/01/26 00:01

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