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やじうまミニレビュー
normann copenhagen「norm69」

~自分で組み立てる存在感バツグンのベンダントライト
Reported by 西村 敦子

意外に目立つ部屋の照明器具

製品パッケージ。コードや電球は別売りになっている
 照明器具は、部屋全体の雰囲気を統一させるのにはもちろん、インテリアとしての効果もかなり高いようです。事実、インテリアに凝ったお宅や、ショップでは必ず照明器具まで凝ったものを選んでいます。我が家のリビングでは引っ越しのどさくさで購入したシーリングライトを使っていましたが、部屋全体の雰囲気を一新させたいと思い、ペンダントタイプの照明に買い換えをすることにしました。

 今回選んだのは「norm69」。折り紙のようにパーツを作ってくみ上げていく、ちょっと変わったペンダントライトです。デンマークに本社を持つ国際的なデザイン会社「normann copenhagen(ノーマン コペンハーゲン)」の製品で、Simon Karkov(シモン・カーコウ)というデザイナーによるもの。「normann copenhagen」の商品には調理器具からキッチン小物、ガラス食器などさまざまなものがありますが、自分で組み立てるパズルのようなこの照明器具は特に有名です。

 本体カラーには真っ白な「ホワイト」と、少し黄色みがかった「クリーム」の2色があり、サイズは直径約42cmのSサイズと、直径約51cmのLサイズ、そして直径約78cmのXXLサイズの3種類があります。今回購入したのはクリームのLサイズ。楽天市場で23,000円前後で購入できます。

 ちなみに、コードや電球は別売りになっています。電球付きのコードも販売されていますが、今回は電球は別に用意することにして、専用のコードだけを別に購入しました。長さが1mのもので、楽天市場では2,940円でした。

 なお、この照明器具自体にはスイッチがないので、壁面にON/OFFのスイッチがある場所でないと使えません。


組み立て前の単純なパーツと量に驚き

 「norm69」の一番の特徴は「69個のパーツを自分で組み立てること」です。

 届いた製品は実際に箱を開けてみて、想像以上の単純なパーツ型にびっくり。量もずっしりとあって、1つ1つはフチに折り目の付いたポリプロピレンの真っ平らなシート。表面はマット加工になっていて、裏表があります。

 この平らなシートを見ているだけでは、組み上がったイメージがまったくわきませんが、パッケージの写真を励みに、ひたすら組み上げていきました。パーツ単体では高級感は感じないのですが、組み立てが終わると期待通りの仕上がりで、高級感があります。


折り目が付いた平たいパーツが69個。フチを折って立体的にしていきます
このソケットで使用できる電球は15Wまで(ライトの対応は13Wまで)です

マニュアルとは別に全体の作業が1枚にまとめられてた解説も付いています
添付されているマニュアルはマルチランゲージ。日本語の解説ページもあります

66枚の羽をひたすら折り続ける、気力と体力のいる作業

各パーツには番号が書かれていて、同じものが6枚1セット。11から逆順に取り付けていきます
 基本的には、作り方は単純作業の繰り返し。3方向のフチを折り、縦2カ所を折って立体的にしたら、中央の筒型のホルダーにツメをひっかけて固定します。円柱の穴にツメをかけるだけなので、接着剤などは必要ありませんし、場所を間違えたら取り外してやり直しもできます。組み立てマニュアルは日本語のページもあるのでそれほど迷うことはありません。

 パーツは11~1までの数字が書かれた6枚1組のセットになっていて、これを11から順番にセットごとに作っていきます。作業としてはただこれだけの単純なものなのですが、なにせこれを66回繰り返すため、かなり根気のいる作業になります。

 買ったときには、「折り紙の要領かな」と簡単に考えていましたが、ポリプロピレンのパーツは案外硬く、折り目をつけるときに指先が痛くなったので、途中から料理に使うシリコン製のヘラを使っていました。

 2~3時間で組み上がると書かれていたのでそのつもりでいたのですが、私の場合、途中で作業に飽きてしまい、一気に作り上げるのは無理でした。結局完成するまでには3日を要しました。「lamp puzzle」と呼ばれるだけあって、作業はまるでジグソーパズルのようで、黙々と作業するのはちょっと大変。好きな音楽を聴きながらとか、テレビを見ながらなんとか終わらせました。

 パーツのポリプロピレンが思ったより硬かったこともあって、最後は腕が筋肉痛でしたが、時間をかけて組み上げただけあって、できあがったときの感動はひとしお。美しいフォルムに苦労が報われた気がしました。

 今回は一人で黙々と作業を続けましたが、本当なら、家族総出でわいわいやりながら作ったり、最初から一週間かけてちょっとずつ作るつもりでいると、過程自体も楽しめると思います。「早く組み上げなきゃ」と焦りながら作ってもストレスがたまるだけ。ゆっくり作る過程を楽しむのがいいかもしれません。


各パーツは接着剤ではなく、ツメをほかのパーツにひっける方式。まずはこの穴の部分を取り去ります
左が穴の部分を取り去ったパーツ、右が取り去る前のパーツ
すべてのパーツを取り付けていく支柱になる部分を筒状にします

パーツの回りを折り、立体的にしたものを支柱の溝に引っかけていきます
支柱に引っかけていくと、中はこんな感じに。この内側のツメは、あとでソケットを取り付けるときに使います
「11」のパーツをつけ終わったところ。これを「1」まで11回繰り返します

パーツの切り込みが入った部分を、1つ前のパーツの溝のフチに差し込みます
さらに奥まで、しっかり固定されるまで押し込みます。これを両側行ないます
3段組んだところ

5段組んだところ
最後にソケットを取り付けます。ろうとのようなパーツを根元に1つ付けます
支柱の上から電球を取り付けたソケットを中に入れます

ちょうどパーツの内側がひっかかって固定されます
もう一枚のパーツをさらにつけて、上の折り返しにひっかけて完成です

想像以上に大きいLサイズ。パーツのツメ折れには注意

 完成した「norm69」はリビングに設置しました。直径約51cmのLサイズだったため、かなり存在感があります。うちのリビング・ダイニングは縦長で、リビングとして使っているのは6畳分ぐらい。ここに設置するにはLサイズは少々大きすぎたようで、直径約42cmのSサイズでも十分だったかもしれません。


取り替える前は、3灯のシャンデリア型シーリングライトでした。とても明るくて必要十分でしたが、純粋に照明器具で、雰囲気はありませんでした
灯りをつけるとかなり存在感があり、大きく見えます。シーリングライトと比べると暗くなりましたが、テレビを見たりくつろぐ分には十分な明るさです

 本体に使用できる電球はE26口金の13W以下のみ。最初、ソケットの「15W以下」の表示を見て「消費電力13Wって、どんな暗さだろう……」と思っていましたが、よく見ると「電球型蛍光ランプ」と書かれていました。確かに電球型蛍光灯なら消費電力12Wでも明るさが60W相当もあるわけで、これを使えば明るさ自体は十分。

 電球の色は当初、白熱電球のような暖かさがほしくてナショナルの電球型蛍光灯「パルックボール スパイラル」の「電球色」を使っていたのですが、さすがにこれ1灯だと暗すぎるように感じ、いろいろ交換した結果、自然な明るい発色の「パルック色」に落ち着きました。


写真でうまく映りませんでしたが、目で見た感じでは、ある程度明るくても、このぐらいのグラデーションに見えています
最初は電球型蛍光灯の「電球色」を使いましたが、さすがに明るさが足りずに交換しました
ナショナルの「パルックボール スパイラル」の3色を試し、自然な明るさに感じた「パルック色」に落ち着きました

 3灯のクリプトン球を使ったシーリングライトからの置き換えだったので、1灯になったことで余計に暗さを感じたのかもしれませんが、慣れてくると逆にそれほど明るさは必要なかったな、と感じるようになりました。本を読むなど明るさが必要なときだけ、スタンドライトと組み合わせて使っています。基本的に「norm69」で明るくなるのは、直下を中心にふんわりとした球型のエリアで、だいたい6畳分ぐらいです。

 実は、この電球交換の過程で何度も支柱から電球を出し入れしていたら、電柱を吊るためのソケット留めのパーツのツメが折れてしまいました。「norm69」には予備のパーツがないので、こんなふうに支柱やソケット留めなど重要なパーツを折間違えたりツメを折ってしまうと大変です。テープで補強したり接着剤でくっつけたりもできますが、折れる前のような柔軟性はなくなります。組み立ての際は力一杯ひっぱるなど無理は厳禁です。


下から見上げると、松ぼっくりのような感じで、横から見るのとはまったく違う印象です
昼間に下から見上げたところ。クリーム色はパーツ自体に色が付いていることもあって、昼間もグラデーションがキレイです
昼間のランプシェード。照明というより、宙に浮いている置物という感じ

昼間、見た目に邪魔になることはありませんが、人が通る場所だと頭に角がぶつかって痛いので注意
「電球色」を使った場合。色はいちばんキレイなのですが、リビング用としては少し明るさが足りないように感じました
「パルック色」や「パルックday色」にすると、かなり明るくなります

窓に映る美しい姿もデザインライトの魅力の1つ

 思わぬ効果を感じたのが、ガラスに映る「norm69」のフォルムの美しさでした。ソファに座っていて、壁にかけた額に映る「norm69」の姿や、窓ガラスに映る姿など、「はっ」とする美しさがあって、照明器具というより、それ自体がインテリアになる、デザインライトの強みを痛感しました。

 この「映る姿が美しい」のは、家の外から見た時にもいえます。例えば、通りに面した部屋や、外から見える吹き抜けの階段にあるとより効果的に使えると思います。基本的に、下から見るより横や上から見る方が美しいので、それが活かせる場所がベストだと思います。


夜になるとライトの横にある額にも映って、ちょうどソファに座るとよく見えます
立ち上がって窓を見ると、ライトがガラスに映る姿がキレイでドキッとします
ソファから振り返ってみると、満月のように見えてキレイです

組み上がったときの達成感と意外性がクセになる

 「norm69」の主な魅力は、「組み立ての際の過程を楽しめること」、「自分で組み立てることで愛着がわくこと」、「少し離れたとこから見たときのフォルムの美しさを楽しめること」だと思います。暗い時間の長い北欧ならではの、凝った照明をゆっくり「楽しむ」ためのアイテムだなぁと感じました。気持ちに余裕があるときに、ゆったり取り組むのをおすすめします。

 作り始めたときは、仕上がりが想像できない平らなパーツなわけですが、組み上がると見事なデザインに仕上がる達成感と、「あれ? すごいな!」と思わせる意外性も、デザイナーの狙いなのではないかとも感じました。作っているときは大変なのですが、できあがってみると、もう1パターン違うものを作ってみてもいいかな、と思わせるのが不思議なところ。

 あればいいと思ったのは、予備のパーツ。そして、各パーツにはもうちょっと折り目がしっかりついていると、折りやすくて指も痛くならないのにと感じました。

 北欧風のインテリアライトの魅力と、作る際の「lamp puzzle」の楽しさを両方楽しめるアイテムとして購入する価値は十分あります。ただし、使う場所はある程度選ぶので、どこに使うか、どのサイズにするか、実際のサイズで大玉を作ってみるなどしてサイズを選ぶことをおすすめします。





URL
  normann copenhagen(英文)
  http://www.normann-copenhagen.com/the1.html
  製品情報(英文、PDF)
  http://www.normann-copenhagen.com/downloads/norm69_instruktion.pdf

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2008/05/27 00:02

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