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明治乳業「ほほえみ らくらくキューブ」

~個体なのにすぐ溶ける新世代の粉ミルク
Reported by 本誌:伊藤 大地

明治乳業「ほほえみ らくらくキューブ」メーカー希望小売価格は2,079円。
 子供ができて、楽しみも増えた反面、大変なことも増えた。当たり前のようにできていたことが、とたんに難しくなる。たとえば、外出。これまでは、大人二人が身支度を済ませれば、すぐに出発できた。しかし今は、子供のおもちゃやミルク、ご飯などを用意しなければならない。

 とくにやっかいなのがミルクで、50~70℃程度のお湯を魔法瓶に入れ、さらに携帯用の粉ミルクを用意している。外出先では、ほ乳瓶に粉末を入れ、魔法瓶からお湯をそそぎ、温度が高すぎれば水で冷やす――という作業が必要だ。まぁ、とにかく面倒な作業である。

 そんな風に思っていたところ、2007年、革命的な粉ミルクが登場した。粉ミルクをキューブ状に固めた、明治乳業の「ほほえみ らくらくキューブ」(以下、らくらくキューブ)である。

 これは、こぼれたり、手にこびりついたり、なにかと扱いにくかった粉末ミルクを、タブレット状の固形にまとめた画期的な製品だ。


らくらくキューブ本体
4個で1パックになっている らくらくキューブを4個いれて160cc分のミルクができる

 結論から言ってしまうと、この製品、一度使ったらもうやめられない。粉が固形に変わっただけで、これほど便利になるとは思ってもみなかった。

 固形になったということで、一番心配なのは溶け残りがないかということだろう。一般的に、粉末ミルクからミルクを作る手順は、(1)ほ乳瓶に粉ミルクを入れる、(2)作りたいミルクの量の6分目くらいまでお湯を入れる、(3)ほ乳瓶を振って溶かす、(4)残りの4分目のお湯を足す、(5)もう一度振ってできあがり、といった感じだ。

 らくらくキューブも、その手順に変わりはない。しかし、一番手軽さを求めたい出先の場合、お湯を2度に分けて注ぐのが面倒で、いきなり1回目にできあがり量のお湯をいれてしまうことが多いだろうと思う。

 また、解説書には70℃以上のお湯を使うよう指示があるが、ショッピングセンターの育児ルームなどにあるお湯は、作ってすぐに赤ちゃんが飲み始められるよう、50~60℃になっていることが多い。

【編集部追記】世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)による乳児用調製粉乳の安全な取り扱いに関するガイドラインでは、使用する湯は70℃以上を保つことと、調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄することが推奨されています。ここでは、実際の使用状況下での実用性を検証するために、あえて低い温度の湯を使用していますので、ご了承ください。

 ガイドラインの詳細につきましては、下記リンクをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/070605-1.html


パッケージ裏面には作り方がわかりやすく書いてある 解説書には70℃のお湯で溶かすよう指示があったが、ミルク用のお湯というと60℃が一般的なようだ

 そこで、60℃のお湯を2回に分けずに注いだ場合でも、きちんと溶けるかどうか検証した。くわしくは動画を見ていただきたいが、溶け具合はすばらしいの一言に尽きる。体感レベルで言うと、粉末よりよく溶けるくらいだ。お湯を注いだ直後はタブレットが原形をとどめたまま、フワッと浮いてきたのでこれはまずいかな、と思ったがシェイクするとすぐに溶けはじめ、3回振った頃には固形物がなくなっていた。

 固形がこんなに溶けるとは! という新鮮な驚きが第一印象だったらくらくキューブだが、製品のWebページによると、添加物なしで固める技術、溶けやすくするための成形技術、崩れにくくするための加湿乾燥技術、溶けやすくするためのくぼみ、それらを実現する製造設備が特許の対象になっているという。長年の研究の末、生み出された製品であることが想像できる。


【動画】60℃のお湯を2回に分けて注いだ場合でもきちんと溶けるかやってみた(WMV形式,1.07MB) お湯をいれてから3回ほど振ると見事に固形のキューブがなくなっていた

 ちなみに5.4gのタブレット1つで作れるミルクは20cc。粉ミルクでいう、“すり切り1杯”と同じ分量で、粉ミルクから移行しても違和感のないように配慮されている。


左から徳用パッケージと外出用パッケージ。外出用パッケージは420円だ。
 らくらくキューブには、4個1パック(160cc)×5袋入りの外出用パッケージと、5個1パック(200cc)×24袋入りの徳用パッケージがあるが、実はこの2つ、本質的な差はまったくない。粉ミルクの場合、徳用の大きいサイズを買った場合、それを持ち出すには専用の容器を使うか、ビニール袋に入れるなど、面倒なことが多い。そこで、200cc分を1袋にした「スティックタイプ」という持ち運び用の製品が登場した。

 ところがらくらくキューブの場合、徳用パッケージでも、200cc分が1袋に入っているので、出かけるときはその小袋単位で持ち運べばいい。1袋に入っているタブレットの数が4つ(160cc分)か、5つ(200cc分)かという違いしかない。2つの選択基準は、持ち運ぶかどうかというよりも、赤ちゃんが1回に飲む量が多いか少ないかで決まると言ってよい。

 最後に、気になるコスト比較をしたい。毎日消費するものなので、いくら便利でも、通常の粉タイプよりもはるかに高ければ、導入がためらわれるからだ。比較対象は同じ明治乳業の粉末タイプ、徳用サイズとした。希望小売価格ベースと、ケンコーコムの販売価格の2つで検証すると、以下の表のようになった。

100ccあたりのコスト比較
製品名メーカー希望小売価格
(ケンコーコムでの販売価格)
作れるミルクの合計量100ccあたり単価
(定価ベース)
100gあたり単価
(実売ベース)
らくらくキューブ 27g×24袋2,079円
(1,980円)
4,800cc43.3円41.2円
らくらくキューブ 21.6g×5袋420円
(420円)
800cc52.5円52.5円
明治ほほえみ 930g2,761円
(2,380円)
6,889cc40.0円34.5円


 個人的な感想から言わせていただくと、思ったより差がない。現在のところ他社製品にない付加価値があることから考えて、1.5倍くらいかなと思っていたのだが、徳用同士、希望小売価格ベースで比べると、粉末タイプが100ccあたり40円に対して、らくらくキューブが43.3円。差は1割未満だ。さすがに小さいパッケージは52.5円と高くなるが、そもそも少量のパッケージで販売されているものなので、これは仕方のないところだろう。

 ところが実売ベースでみると、もう少し差がつく。粉末タイプは値引きが効いて、34.5円まで下がるが、らくらくキューブは値引きがほとんどなく、41.2円となり、差が6円強まで開いている。比率にすると19%割高ということになる。

 この差が高いか安いかは、個人の判断にまかせるとして、ユーザーにとってありがたいのは「粉タイプと混在して使ってもよい」と明記されていることだ。家にいるときは粉タイプを、出かけるときはらくらくキューブを、と使い分けるのは誰もが考えることだが、併用すると、どちらか片方を切らしてしまうこともあるだろう。そんなときに、「100cc分、キューブが足りないから粉を使おう」といった融通が利くわけだ。

 私も、外出時のらくらくキューブの便利さは、価格差以上の価値を感じているので、両者を使い分けることにしている。

 とにかく、一度使ってみてほしい、そう断言できる便利さだ。特に、私と同様、子育てに不慣れな新米パパに推薦したい。





URL
  明治乳業株式会社
  http://www.meinyu.co.jp/
  製品情報
  http://www.meiji-hohoemi.com/raku2/index.html

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2008/01/10 00:00

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