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家電製品ミニレビュー
ティファール「ニューヴィテス プラス」

~汚れが落ちやすくなった定番電気ケトル
Reported by 本誌:伊藤 大地

ティファール「ニューヴィテス プラス」
 私にとって、電気ケトルは、もはやなくてはならない家電製品の1つだ。すぐにお湯が沸き、空焚きの心配もない。この安心感のせいか、電気ケトルを使うようになってから、しょっちゅう、お湯を沸かしたこと自体を忘れてしまう。エネルギーのムダなので、けっして良いことではないのだが、ヤカンに火をかけていたときのことを考えると、ちょっと恐ろしい。まぁ、言葉にしてしまうと簡単なことだが、今まで、空焚きを気にしながらお湯を沸かすことが、いかにストレスになっていたかということだろう。

 そんな電気ケトルだが、何台かの遍歴を経て、ティファールの「ニューヴィテスエクスプレス」(以下エクスプレス)に落ち着いている。電気ケトルは、けっして複雑な機構ではない。むしろ、電気的な仕組みとしては単純な部類に入る。それだけに、安価な製品から、高価なデザイナーズ製品までいろいろなバリエーションがある。だが、それらすべてが似たような使い勝手かというと、そうではない。ここがまさに、ティファールとそれ以外を分ける一線となっている。

 具体的な要素でいうと、コップ1杯から沸かせること、注ぎやすい形状、洗いやすい形状、といったことになる。なんだそんなことか、と思われるかもしれないが、意外にこの3つを兼ね備えた製品は少ない。

 そんな定番製品のエクスプレスだが、水アカがつきにくい素材を採用した新製品が発売された。「ニューヴィテス プラス」(以下プラス)である。メーカー希望小売価格は8,925円。Amazon.co.jpでの購入価格は7,230円だった。


製品パッケージ
本体フタを空けた様子

持ち手部分にスイッチが付いている お湯を沸かしている時は赤いライトが点灯する 注ぎ口の形状も前モデルと一緒

 プラスの本体形状は、基本的にエクスプレスと同じ。違うのは内部底面の素材だけだ。メーカー希望小売価格は同じ8,925円だが、Amazon.co.jpでの販売価格がエクスプレスは5,470円で、価格差は約1,500円といったところだ。ティファールのWebページにある機能比較表を見ると、エクスプレスの記載がない。つまり、プラスはエクスプレスの後継機という扱いで、エクスプレスは在庫限りの可能性が高い。とりあえず安価な定番モデルを、ということであれば、購入を急いだ方が良いだろう。


従来機種から変わったのは内部底面の素材だけだ
真横から見た内部

 さて、話をプラスに戻そう。このプラス、ケトルとしての機能はエクスプレスとまったく変わらない。簡単にスペックを列挙すると、定格消費電力は1,450W。最大容量は1L。台座も含めた本体重量は1.2kgで、ケトルのみの重量は975g。電源コードの長さは1.3mだ。コーヒーカップ1杯(140cc)のお湯を沸かすのにかかる時間は50秒だ。


左が従来機種の「エクスプレス」右が「プラス」見た目も大きさもほとんど変わらない
 この部分に関しては、過去、エクスプレスを紹介した2つの記事をご参照いただくとして、ここでは新しい要素となる汚れにくい素材について検証したい。まず、プラスとエクスプレスの内部底面を見ると、見た目から違う。エクスプレスは、細かい溝が無数に入っているが、プラスは鏡のようにツルツルになっている。もう、見た目から汚れが落ちやすいのはどちらかが見て取れる。とはいっても、水アカが付かなければ検証できないので、2カ月近く、通常使用した。

 まず、水アカが付くということについては、両者ともに変わらない。水道水の中に含まれるカルキなどの成分が析出し、白いシミのようになって、底面の素材にこびりついている。きっちり比べたわけではないが、頻繁にお湯を沸かしているせいか、シンクや風呂場に比べて、電気ケトルにはすぐに水アカが溜まるように感じる。

 水アカが「用意」できたところで、さっそく洗ってみよう。最初に、手で触れずに軽く水ですすいでみる。当然のことながら、これでは落ちない。そこで今度は、スポンジで軽くこすって洗浄した。台所用洗剤は用いていない。エクスプレスのほうは、力を入れてこすれば、ある程度は落ちる。しかし、溝に入ってしまった水アカはなかなか落ちない。一方のプラスは、スポンジでこするだけでかなり落ちる。シミのフチの部分が完全に落としきれていないが、よほどきれい好きな人を除けば、だいたい満足する程度にきれいになる。この時点で新素材の効果が確認できた。


左からプラス、エクスプレス。水アカの付き方が違う エクスプレスの底面。細かい溝が入っている プラスの底面。鏡のようにツルツルになっている

 次に、台所用洗剤をスポンジにしみ込ませて、洗浄してみた。洗剤なしで洗った時と汚れの落ちに差は感じられない。それもそのはず、水アカは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが堆積してできるが、これを落とすにはクエン酸など酸性洗剤が有効とされる。それに対し、一般的な台所用洗剤は中性であるため、水アカを落とすにはあまり向いていないからだ。そうした意味では、洗剤を使わずにある程度水アカが落ちるプラスは、確実に手入れの面倒を減らしてくれる。

 物理的に水アカを取るだけならば、酸性であるトイレ用やバス用の洗剤が有効だ。しかし、これをケトルに使うのは安全面でも、心理面でも不安が残る。電気ポット用のクエン酸洗剤やレモン汁、重曹を使う方法もあるが、これらを用意するのも面倒。やはり、もとから汚れが落ちやすいほうが、コストもかからずなにかと便利だ。

 たしかに改良されたポイントは、非常に地味ではある。これ1つのために、1,500円を余分に支払うのがためらわれる人がいても決して不思議ではない。しかし、実際に試してみると、確かに違いがわかる。毎日使う機器だからこそ、メンテナンスの手間が多少なりとも省けるのはうれしい。

 次のモデルにはぜひ、お湯が沸いた際に音が鳴るようにしてほしい。もちろん、いらないという人もいるだろうから、鳴る/鳴らないの選択肢を残しつつ、だ。ここをクリアしてもらえば、ちょっとほかには弱点は見つからないのでは――そんなことを思わせるほど、完成度の高い製品で、万人に薦められる。空焚きがなく、飲みたいときにすばやくお茶を飲めるという意味で、シニア層を迎えた両親へのプレゼントにもよいだろう。





URL
  ティファール
  http://www.t-fal.co.jp/
  製品情報
  http://www.t-fal.co.jp/tefal/products/family/430/vitesseplus.asp
  機能比較表
  http://www.t-fal.co.jp:80/tefal/products/category/category_kettle.asp?mscssid=KNS8KPVT2ABJ9MWXS9VFJ4NP2CA01V7B

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2008/01/07 00:00

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