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カシオ「GULFMAN GW-9100-1JF」
~チタン採用の錆びないG-SHOCK
Reported by 本誌:伊藤 大地
GULFMAN GW-9100-1JF
カシオのデジタル時計、「G-SHOCK」が誕生してから、今年で25年目を迎える。G-SHOCKは耐衝撃性という尖ったスペックを保ちつつ、時代が求めるトレンドを取り入れ、今や多くの人に知られるブランドとなった。
特にアメリカでの人気は高いようで、映画「スピード」に登場したのを皮切りに、「M:i:III」(ミッション・インポシブル3)や人気テレビドラマシリーズ「24」などでも、主人公がG-SHOCKを着けている。これらに共通するのは「タフ」なヒーローであり、G-SHOCKはそれを演出する1つの小道具となっている。
頑丈さ、タフさはG-SHOCKのDNAであることは言うまでもないが、G-SHOCKには、「Master of G」というより過酷な環境に耐えることを目的としたのラインナップがある。今回紹介する「GULFMAN GW-9100-1AJF」(以下、GULFMAN)もその1つだ。メーカー希望小売価格は27,000円。Amazon.co.jpでの購入価格は19,845円だった。
さて、湾岸戦争を英語で「Gulf War」と呼ぶことからもわかるように、GULFとは「港湾」の意。GULFMANは、潮風に当たり続けるような環境でも、錆びない素材、チタンを用いたモデルだ。
実際にどの程度、錆びに強いかはここで検証しないが、このチタン採用こそ、GULFMANの最大の特徴である。特に目立つのが、本体をぐるりと囲むように配置されたチタンフレーム。本体の左右部分のところで一部剥きだしになっており、デザインのアクセントとなっている。
チタンフレーム。光の当たり方によって色が変わる
バンドを止めるネジもチタン製だ
バンドには“RUST REGIST”の文字。RUSTは錆の意
装着したところ。かなり厚みがある
裏蓋もチタン製
なぜか留め具は素材が違う
日付表示は「月-日」と……
曜日の略称表示が可能。月-日-曜日の3つを同時に表示させることはできない
チタンは光沢のないマットな質感で、光の当たり方によって、シルバーにもグレーにも見える。ここが普通のメッキパネル、あるいは高級時計に用いられるような磨きの入ったステンレスとは異なる部分だ。光沢の入った部分はキズが目立つが、光沢がなければキズもさほど気にならない。
装着時、腕に直接当たる裏蓋の部分にもチタンが用いられている。裏蓋を止めるネジもチタンになっている。ただ、解せないのがバンドを固定する針と留め具がチタンでないこと。ここだけ、ほかの機種で使われているのと同じ、光沢のある別素材になっている。できればここもこだわって欲しかったところだ。
ところで、潮に強いというと、ダイバーズウォッチなのかと思われる人もいるだろうが、GULFMANはダイバーズウォッチではない。たしかに、GULFMANは20気圧の防水機能を備えており、200mくらいまで潜ることは物理的に可能。だが、ダイバーズウォッチを名乗るためには、潜水時間を計る機能や、見やすい針を備える、といった条件がISO(国際標準化機構)やJIS(日本工業規格)により定められており、GULFMANはこれに該当しないので注意が必要だ。
世界時計を表示したところ。現在の設定はニューヨーク
ストップウォッチ
タイマー。1分刻みで最大60分まで設定できる
アラーム。5つまで設定可能
上がGULFMANのバンド、下がベーシックモデル「GW-5600」。波形の大きさが違う
着け心地は非常によい。これは、バンドの付け根部分の加工によるところが大きい。ウレタン製のバンドだと常時肌に密着していると、その部分が汗をかいたりして気持ち悪い。これを嫌って、ゆるめに腕時計を固定する人も多いことだろう。G-SHOCKではこれを軽減するため、ウレタンをジグザグに加工して通気性を良くしている。
ここまではどのG-SHOCKも共通の仕様なのだが、GULFMANでは、さらにこの間に海水などが入ることを想定して、波型の幅を大きくしている。これにより、しっかりとホールドされながら、ベッタリと素材が肌に密着しない感覚が得られる。特に私はバンドが腕に張り付くのが嫌いなので、海辺で働いてなくとも、この機構はありがたかった。
では、時計としての基本的なスペックをまとめておこう。電源には太陽電池を使用。時計のメカニズムはクォーツ式で、電波補正機能を備える。一般的な呼称で言うと、電波ソーラー時計と呼ばれるものだ。電池交換および時刻合わせが不要なので、メンテナンスの手間がかからない。ムーブメントはクォーツ式で、精度は月に±15秒。フルオートカレンダーが付いており、年月日と曜日が確認できる。
電波受信機能は日本の2局(福島・九州)に加え、北米、イギリス、ドイツの合計5局に対応した「マルチバンド5」仕様になっている。日本2局、北米局の3局に対応するモデルは多数あるが、イギリス、ドイツを加えたマルチバンド5は、基板を小型化した最新のベースチップを採用しており、G-SHOCKのラインナップの中でも、一部のモデルにしか搭載されていない。
日本の2局は半径1,000km程度をカバー、理論的には日本全土と朝鮮半島一帯まで電波が届く仕組みだ。北米局はアメリカ中西部のコロラド州フォートコリンズにある。その到達範囲は半径3,000kmで、アラスカやパナマ付近を除く、北米のほぼ全土が到達範囲内に入る。
イギリス局はブリテン島のほぼ中心に位置するアンソーンに、ドイツ局はフランクフルト近郊のマインフリンゲンにあり、到達距離はそれぞれ半径1,500km。ポルトガルやスペイン西部、ノルウェー、スウェーデンの北部を除く、欧州のほぼ全域をカバーしている。
なお、5局は自動で判別して受信するため、ユーザー側が意識して切り替える必要はない。1つ注意したいのは、これらの最大到達距離は最大の理論値であること。たとえば日本の2局については、実際、電波が受信できるのは900km程度とされている。その点は割り引いて考える必要があるだろう。
GULFMANでは「ホームタウン」設定というものが存在する。世界48都市の中から、自分のいる都市を選択すると、自動でその地域のタイムゾーンに合わせるというものだ。もっとも、このホームタウンというのはタイムゾーン判別のために用いるため、1つしか標準時がない日本の場合、東京(時計の表示で言うと“TYO”)以外の選択肢はない。
電波の自動受信は1日最大6回、さらに手動更新も行なえる。受信状況は、液晶右上のインジゲータで表示される。液晶右上に5つ窓があり、日本の福島局が「JP40」、九州局が「JP60」、アメリカが「US60」、ドイツが「GE77.5」、イギリスが「UK60」といった具合に名前が振られている。数字は送信される電波の周波数だ。受信した電波のところに、黒く印がつく仕組みとなっている。
電波時計を使ったことのある人はわかるかもしれないが、受信感度はけっこうシビアだ。東京のようなビルが多い場所だと、フロアの真ん中では受信できないこともしばしばある。東京では福島局の電波を受けるため、北向きに障害物があると、たいてい失敗する。屋内より屋外で、屋外ならば北向きが見通しのいいところで受信すると成功しやすいようだ。
電波の表示窓
電波を受信しているときの画面
私も、電波式の腕時計を使い始めた頃は、これが気になっていた。せっかくの電波時計なのだから、毎日合わせて欲しい。ところが、家の中に放っておくだけではなかなかうまく受信できない。しかし、そもそもが1カ月に±15秒程度しか誤差が生じないクォーツ式時計なので、実用上は、月に1回、週に1回受信できれば十分だ。現在はこう割り切って使っている。なお、この性質はGULFMANしいてはG-SHOCKだけではなく、電波式の腕時計一般について言えることだ。
全体的には、チタンフレーム採用のタフなボディに最新のマルチバンド5を積みんだ、「ハイスペックG-SHOCK」というのにふさわしいデキだと思う。とくにチタンパーツの加工などを見ると、作り手のこだわりがヒシヒシと伝わってくる。デジタル時計というと、とかく安物扱いされがちだが、これは別物だ。
近年、G-SHOCKは10万円以上の高級路線「The G」シリーズや、“スーツにも合う”「GIEZ」シリーズなど、アナログ式のラインナップに注力している印象だった。こうした新しい側面も否定はしないが、やはり原点の“デジタル&タフネス”も忘れて欲しくない、というのが、ファンとしての正直な気持ちだった。そうした折りに登場したこのGULFMANは、十分、その不安を打ち消してくれるデキだと思う。
筆者の知る限り、G-SHOCKマニアは、現在販売されていない、いわゆる“ビンテージ”ものや限定販売モデルにこだわっている人が多いようだ。このGULFMANはどちらかというとマニアではなく、高機能でタフな実用時計を求める、普通のユーザーにお勧めしたい。
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URL
カシオ計算機株式会社
http://www.casio.co.jp/
g-shock.jp
http://www.g-shock.jp/
製品情報
http://www.g-shock.jp/products/g_master.html
マルチバンド5について
http://casio.jp/wat/tech/multiband5/
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