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「CI-J1442」本体。白くシンプルなデザインで、家電というよりまるでステーショナリーのようなすっきりした雰囲気です
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温かい料理がおいしい季節になると、多くなるのが鍋料理。さらに年末が近づくに連れてパーティも多くなってきますが、こんなとき活躍するのが卓上コンロです。この卓上コンロ、以前は「ガス式」のカセットコンロが主流でしたが、最近は「IH式」が人気です。
今回試したユーレックス・アイのIHクッキングヒーター「CI-J1442」も、そんな便利なIH式のクッキングヒーター。真っ白なカラーリングとシンプルなデザインで、角に丸みがない分、家電ではなく文具を連想してしまうような1台です。Amazon.co.jpで9,400円で購入しました。
IHクッキングヒーターが人気の理由には、カセットコンロよりも割高ではあるものの、電気で使えるためカセットガスの買い忘れを心配する必要がない点や、火を使わずに鍋自体を温めるため、CO2や立ち消えによるガスの不完全燃焼、酸欠などの事故とも無縁で、安全性が高いといわれている点があります。
カセットガスによる事故は毎年ニュースになっていますし、箸の先やフキンなど、ちょっとした引火は経験したことがある方も多いでしょう。お子さんがいる家庭では、卓上で火を使うのは危険です。
今回の「CI-J1442」も、IHクッキングヒーターなだけに、安全性が高く部屋の空気や壁を汚しにくい点で有利。火に比べてどのくらいのパワーで加熱しているか目に見えないので意識しずらい点はありますが、「異常温度上昇防止機能」で鍋が高温になりすぎるのを防ぐ機能もありますし、本体から鍋を離すとアラートが鳴ったり、キー操作が2時間ないと自動的に電源が切れる機能などもあり、煮込みの際もタイマー機能を併用すれば切り忘れが防げて安心です。
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本体右側面
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本体左側面
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本体裏面。裏にもファンの排気口があるほか、上部(本体手前)に持ち運びに便利な取っ手があります
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本体後部。排気口があって、稼働中は「ブーン」という音と共に熱気が出ます
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電源コードはマグネットプラグなので、うっかりコードをひっかけてしまったときにも、本体や鍋をひっくりかえしてしまう心配がなく安心です
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本体右手前にスイッチ類がまとまっています
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● 「IHで使える鍋」をチェックできる「なべチェック」機能
卓上型という意味では、専用の機器でなければ使えない電気鍋に比べると、IHクッキングヒーターの場合、IHで使える鍋であればなんでも使えるというところが逆に便利なところではあります。
ただ、やはり家にある鍋のすべてが使えるとも限りません。「CI-J1442」では、基本的に鉄鋳物、鉄ホーロー、そして一部のステンレス鍋が使え、形状は底が平らで直径約12~26cmの鍋に限ります。
このように、IHには「使える鍋を選ぶ」、というイメージがあり、実際どんな鍋が使えるのか判断に迷うことも多くあります。そのため、「CI-J1442」には、置かれた鍋が使用に適しているかどうかをチェックする「なべチェック」機能がついています。
実際の使い方は、鍋に水を入れてトッププレートの上に乗せ、「電源」ボタンを入れるだけ。使える鍋ならLCDの表示窓でゲージが動き、3段階で使える鍋を判断。「最適」になってしばらくすると、そのまま加熱がはじまりますから、加熱が必要ないときはもういちど「電源」を押して電源を切っておきます。
鍋チェックで「不適」と表示されるのは、アルミ、銅、耐熱ガラス、土鍋などの陶磁器など。ゲージが伸びず、「×」が表示されてアラームがなり、自動的に電源が切れます。
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トッププレートに鍋を置くと、使えるなべかどうかの「なべチェック」が自動的にはじまります
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「最適」と判断されると、少しして自動的に加熱がはじまります
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毎日のように使っている鍋でも、案外どんな素材でできているかは意識していないことが多いので、このチェック機能はとても便利。色々な鍋に試してみると、中華鍋などの底が丸いもの、プレートからはみだす大きさのもの、底に約4mm以上の反りがあるものなども使えませんでした。特に底に大きな反りがあると、異常温度上昇防止機能などの安全機能が働きにくいのでご注意ください。
● グリル鍋に比べて立ち上がりが早く、パワーは十分
IHクッキングヒーターの利点のひとつが、最初の立ち上がりが圧倒的に早く、スピーディに調理できること。この点は想像以上で、実際試してみて、IHクッキングヒーターが人気な理由がよくわかりました。
この「CI-J1442」は消費電力1,400W、火加減調節機能は200Wから1,400W。実際にステーキを焼いてみたり、すきやきをしてみたりと、いろいろ使ってみましたが、グリル鍋と比べて使うときの立ち上がりの早さの差には本当に驚きます。ほとんど予熱はいらず、いきなり焼き始められます。
また、立ち上がりだけでなく、もちろん火力も十分で、おいしいコゲもできます。つい最近、おいしそうな肉が手に入ったときに、せっかくだから卓上で焼きたてを食べよう!と試してみたら大正解。大変おいしくいただけました。
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立ち上がりが早いので予熱がほとんどいらず、すぐに焼き始められます
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想像以上に火力は強いので、焼き上がりもあっという間
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つけあわせのポテトやきのこ類もその鍋で楽に調理できます。コゲもばっちり
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すき焼き、寄せ鍋、ステーキ、ホットケーキなど、卓上でのできたて料理は、おいしくてクセになります
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卓上型のIHクッキングヒーターは消費電力が1,300Wのタイプも多いのですが、1,400Wある「CI-J1442」は、ガスコンロの強火とあまり変わらない感覚で使えます。
以前一人暮らしをしているとき、ワンルームマンションのキッチンが、安全面からかガスコンロが使えず、小さな電気コンロでした。が、これがパワーがなくて本当に不便だったので、当時この卓上型IHクッキングヒーターがあったら、もっと自炊が楽しかっただろうなと思います。火を使いませんから賃貸マンションの規約にも違反しないでしょうし、備え付けの調理器具に不満がある方なら検討をおすすめします。
キッチンに備え付けのタイプだと200Vが必要で、電気工事が必要なことも多いので導入も大変なのですが、卓上型のIHクッキングヒーターならもちろん通常の100Wで使えますから、導入も簡単ですし、人が集まったときにはもちろん卓上に移動させて使える便利さもあります。
● 「揚げ物」スイッチの利用や、「煮込み」のタイマー利用で用途も広がる
鍋チェック後の温度調節は簡単で、「加熱」スイッチを押して5段階の火力から選ぶだけ。ボタンを押して切り替えた瞬間に鍋の沸騰がおさまるなど、反応が早く温度調整しやすいのも便利な点です。
また、通常の加熱方法だけでなく、揚げ物専用の「揚げ物」スイッチがあり、160度から200度まで、10度刻みで温度を設定して揚げ物ができます。温度が一定に保てるので火加減を気にする必要がなくて楽ですし、火を使うプレッシャーがないので精神的にもストレスなく使えます。
もう1つ、「煮込み」機能では、「煮込み」スイッチを押すごとに1分ずつタイマーが増えて10分から99分までを設定でき、ここでセットした時間がすぎると、自動的に「保温モード」に切り替わる便利な機能。加熱とは違うので、冷えた状態から煮込むときは、まずは加熱で温めてから煮込みに切り替えます。タイマー設定は、加熱と煮込みを組み合わせて、「20分加熱してから1時間煮込む」などの設定もできます。
普段はガスコンロで調理している場合でも、タイマーがないコンロなら、この機能を使って煮込み料理をするのも便利でしょう。
● フラットだから収納しやすく手入れしやすい
「CI-J1442」は31.5×37.3×6.7cm(幅×奥行き×高さ)のフラットなデザインのため、薄く収納しやすい点も利点のひとつです。シンク下などのスペースにもすっきりしまえるので、カセットコンロのようにスペースをとるので棚のいちばん上にしまいこんでしまう……というようなこともなさそうです。
そして、キッチンに据え置くタイプのIHクッキングヒーターでもよく言われることですが、IHクッキングヒーターはなんといっても手入れが簡単。ガス式のように「五徳」や「受け皿」がなく、フラットなので拭き掃除しやすいのです。
「CI-J1442」の外側はABS樹脂のプラスチック、トッププレートは陶器のようなセラミック素材。どちらも手入れがしやすく、固くしぼったふきんで拭きとる程度で手入れが完了します。
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本体が薄く、自立するのでシンク下などの狭い場所にも入れやすく、7cmの隙間があればOK。省スペースさも魅力です
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中央のセラミックのトッププレートは、枠があるので最適な大きさがわかりやすく、少しのふきこぼれならここで防げます。全体的にフラットなので使用後に手入れがしやすいのもいいところ
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よくホテルやレストランのビュッフェで料理を保温している機器を見ていると、最近はほとんどがIHクッキングヒーターです。安全性が高くて手入れが簡単で、すぐに鍋でも置き換えられる卓上型のIHクッキングヒーターは、ビュッフェにはベストな選択なのでしょう。業務用にも使われる、“使い勝手のよさ”がわかります。
グリル鍋やカセットコンロと比べて気になる点といえば、稼動時の「ブーン」という音ぐらい。会話の邪魔になるほどの音ではありませんし、炒めているときなどは焼ける音の方が大きく感じることもありますが、気になる人もいるでしょう。
また、IHクッキングヒーターで使える鍋が1つもないと、もちろん役に立たないので、鍋まで買って使うのはちょっと……とか、鍋は土鍋でないと雰囲気が出ない……いう方には不向きです。
キッチンでひとりで料理を作るのは、案外孤独な作業ですが、卓上での料理はわいわい作業できるので、作り手も楽しめるのがいいところ。扱いやすい卓上IHクッキングヒーターで料理も食事も楽しみたいですね。
■URL
ユーレックス株式会社
http://www.eureks.co.jp/
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2007/10/29 00:00
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