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家電製品ミニレビュー 東芝「IH調理器 MR-A30」
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~収納もメンテナンスも楽な卓上調理器具
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Reported by
田中 真一郎
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電磁調理器 MR-A30
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IH調理器というと、オール電化マンションなどの台所にビルトインされているものを想像するが、テーブルで鍋ものや焼肉をやるときに使う卓上型のガスコンロがあるように、IH調理器にも卓上型があって、10,000~15,000円程度で販売されている。
東芝の「MR-A30」はオープンプライスだが、家電量販店で12,800円(10%ポイント還元)で購入できる、標準的な卓上型IH調理器の代表格だ。
「IH」とは電磁誘導加熱(Induction Heating)の略で、磁力線が金属を通るときに「うず電流」が発生し、この電流の電気抵抗が熱を生むという現象を使った調理器だ。したがって電流を通す鍋やフライパンでないと、発熱しない。
だから、まだIH調理器で使ったことのない鍋を載せるときやフライパンを新調するときなどに「この鍋(フライパン)はIH調理器でちゃんと発熱するだろうか」と心配になる。多くのIH調理器には、鍋やフライパンが発熱するかどうかを判定する機能が備えられているが、いくら薄くてコンパクトなIH調理器とはいえ、鍋やフライパンの売り場に持っていって確かめるわけにはいかない。
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とろ火から強火まで火力は6段階で調節。タイマーで自動電源断も可能
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気になる火力はガスコンロと変わらない印象。IH調理器以上の火力が必要な料理は、ビルトインのガスコンロでも作れないだろう。熱の立ち上がり方も、想像以上に速いのに驚かされる。5~10秒程度で鍋底全体が熱くなるし、どんな火加減でも鍋の底が均一に熱せられる。
ヤカンで2リットルの水を沸騰させるまでの時間は、どちらも10分程度だった。ただしガスコンロでは、火がヤカンの底からはみ出さない程度の火力(最大火力の4分の3程度)で沸かしたから、不経済を承知で最大火力を使えばガスコンロのほうが早く沸く。
MR-A30は304×373×52mm(幅×奥行き×高さ)と卓上型ガスコンロに比べれば格段に薄いうえに、鍋などを置くトッププレートよりも本体下部をへこませることで、さらに薄く見せるデザインが与えられている。薄いおかげで、ちょっとした隙間に立てた状態でもしまえるなど、取り回しもよい。
トッププレートがまったくの平面なので、スタイリッシュなうえにメンテナンスもしやすい吹きこぼれなどの掃除も水拭きですぐにきれいになる。
電源は家庭用コンセントから付属のケーブルで得る。電源ケーブルはゴムホースよりも格段に扱いが楽だし、ガスカセットを着脱する手間も不要だ。
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プレートが平らなので拭き掃除が楽
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電源ケーブルはマグネットで本体に装着
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左はカセットボンベ式のガスコンロ。こんなに高さが違う
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薄いので本棚に立てて収納できるかも、と思ったら、我が家の本棚には高さ、奥行きともちょっと大きすぎた
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いきなり汚い画像ですみません。結局、ガスコンロの上の空間に押し込んで収納することに。これも本体の薄さゆえできること
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IH調理器を象徴するのが「揚げ物」キーで、MR-A30に限らず、多くのIH調理器に備わっている。揚げ物に最適な温度を維持してくれるモードで、温度は150~200度の範囲で10度刻みで設定できる。家電Watchの伊藤記者によれば、IH調理器の発表会では必ず揚げ物の比較デモが行なわれ、ガスコンロとの味の違いが非常にわかりやすいとのこと。
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食卓の上で天ぷらができる
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というわけで我が家でもテーブルの真ん中にMR-A30を置き、天ぷらを試みた。火が出る調理器では油がこぼれたときの引火が怖くてテーブルで揚げ物の調理などできないが、IH調理器では目の前で揚げた天ぷらをすぐに食べることができる。
もちろん揚げ物キーのおかげで火加減を気にする必要もない。ガスだったら油温計を用意して、こまめに火加減を調節しなければこんなにカリっとした天ぷらを揚げることができなかっただろう。揚げ物こそIH調理器のキラーアプリケーションといえる。
この揚げ物キーに代表されるようなIH調理器の自動火加減調節機能は、発展させればいろいろなことができそうだ。パナソニックの卓上型IH調理器には「味しみこみ」キーというのがあって、煮物に最適な火加減に制御してくれるそうだ。「150度で2分加熱した後に100度で10分煮込み、10分冷ましてから5分加熱」といった工程を自分で登録できたりすると面白いと思う。
ちょっと意外だったのが音。底面に排熱ファンがあって、これが掃除機のような騒音をたてる。「IH」という言葉の響きからはなかなか想像しがたい音だが、巨大なコイルを内蔵している以上、やはり発熱はしてしまうということだ。どんな音がするかは次の動画をごらんいただきたい。
揚げ物をテーブルで安全に囲むにはIH調理器以外には思いつかないし、すき焼きや鍋物では鍋の高さを抑えることができて、子どもやお年寄りでも鍋の中にアクセスしやすくなる。焼肉のような、食材から落ちる脂で大きな火が上がって火力に変化がおきる、といったようなハプニングを楽しむ側面もある料理は、ガスコンロのように火が出る調理器でやったほうが面白いかもしれないが、後始末がしやすいというIH調理器のメリットも捨てがたい。すでに卓上ガスコンロなどが家にあっても、IH調理器が活躍する余地は十分にあるだろう。
■URL
株式会社東芝
http://www.toshiba.co.jp/
製品情報
http://www.toshiba.co.jp/living/kitchen_appliences/mr_a30/
2006/11/21 00:03
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