気象庁は関東地方の梅雨入りを6月14日と発表したものの、それ以後は雨が降ることもなく、日々晴天が続いている。気温30℃を超える真夏日を観測する日もあるなど、さながら夏本番といったところだ。
私は電気料金をケチるため、エアコンを極力使わず、毎年扇風機だけで乗り切ろうとするのだが、先日の真夏日の暑さに参ってしまい、エアコンの電源をつい入れてしまった。すると、出てくる風が臭う。何かしら生臭いイヤなニオイだ。これでは涼しくなったとしても、気持ちが悪い。実際にエアコンをつけて、このいやなニオイを感じた人も多いだろう。
このニオイの原因は、フィルターや熱交換器などのエアコン内部などに発生するホコリやカビだ。カビはエアコン内に溜まったホコリを栄養として繁殖する。機内は温度・湿度ともに高いため、繁殖に適しているのだ。これらの汚れはニオイだけではなく、エアコンの運転効率を下げ、冷房の利きを悪くし、ひいては電気代の無駄遣いにも繋がってしまう。
最近では自動掃除機能を備えたエアコンも増えているが、旧モデルや普及タイプの製品にはまだ搭載されていないものが多い。私の賃貸マンションに備え付けのエアコンにも、その機能はない。
こうしたエアコン内部の掃除は、エアコンのクリーニング会社に依頼するのが確かな方法だ。しかし、それなりの料金も覚悟しなければならない。そこで、今回は自分でエアコンの内部を掃除できるクリーナーを試してみたい。
● 68.7cmの長いスティックでフィルターをお手入れ――三洋電機「SCS-LB3」
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三洋電機の「ブラシ付き3段ロングすき間用吸込口 SCS-LB3」
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まずは、エアコンのフィルターの掃除である。フィルターはエアコンのパネルを開けばすぐ顔を出すが、エアコンは高い位置にあるので、いちいち外して、ふきんや掃除機で吸い取った後、もう一度付け直す――というのは考えただけでも面倒くさい。なるべくなら、もう少し手間を省きたいところだ。
そこで、三洋電機の「ブラシ付き3段ロングすき間用吸込口 SCS-LB3」の出番だ。掃除機のスティックに付け替えるアタッチメントだが、最長68.7cmまで伸ばせるのがポイント。一般的な掃除機のスティックではエアコンまで届かないが、本製品を装着することで、フィルターの位置まで届くのだ。Amazon.co.jpでの購入価格は1,100円だった。
実際に使ってみると、フィルターを取り外す必要がなく、非常にラクだ。先端にはブラシが付いているので、このブラシがフィルターに付いたホコリを掻き出す効果もある。また、長さを固定するストッパーが付いているため、上向きの状態でも安定している。エアコンとは直接関係ないが、ソファーや敷物、スキマ掃除にも使えるというのもうれしい。
メーカーによっては、フィルターの手入れを月に2回するよう勧めているところもある。日常的な手入れが必要なのに手間がかかるため、なかなかできないフィルター掃除だが、本製品を使うことで、手軽にできるようになるだろう。
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32.7cmから68.7cmまで、長さを3段階に調整できる
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先端のブラシ部分
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ブラシを取り外せば、細いノズルとして使える
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我が家の掃除機に装着したところ。アタッチメントが付いているので、特殊な接続方式のものを除けば、三洋以外の製品にも対応する
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エアコンにフィルターを付けたまま掃除できる。とても簡単だ
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エアコン以外にも、スキマの掃除などにも使える
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● フィルター内部の汚れを泡で取る――ショーワ「くうきれい」
![](/cda/static/image/2007/06/21/aircom_F09s.jpg)
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ショーワ「くうきれい」
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さて、フィルター掃除をしたものの、エアコンからは相変わらず悪臭がする。どうやら問題はこのさらに奥にあるようだ。
フィルターを外すと、中には金属の薄い板がいくつも並んでいるのが確認できる。これが部屋の空気を冷やしたり,暖めたりするアルミフィン(熱交換器)だ。ここには、エアコンのフィルターを通り抜けた細かなホコリが溜まり、それがカビの繁殖に繋がっているケースが多い。
アルミフィンの掃除が難しいのは、フィルターと違って、間隔が狭いうえに奥行きもあるため、奥まった部分の掃除が難しいところだ。
そこで、ショーワ株式会社の「くうきれい」をチョイスした。製品パッケージに「アルミフィンの奥まで泡が届いて根こそぎ洗浄!」と書かれているように、泡でてエアコン内部を掃除するというものだ。楽天市場での購入価格は、1,512円だった。
製品はスプレー缶の2セットで、「ムース」と「リンス」に分けられる。使用法としては、ムースに噴射用のストローを付けて、アルミフィンに泡を吹きかけ、15分ほど放置。その後、リンスで泡を消すようにスプレーがけをするとのことだ。なお、「リンスは使い切ってください」との説明書きがあるように、1回で使い切る製品のようだ。
ムース上部の噴射ボタンを押す。プシューという音ともにストローから泡が出る。かなり勢いが強いので、これならフィンの奥までも届きそうだ。なお、薬剤のニオイはわずかにする程度だが、説明書には「必ず換気」との注意書きがあるので、窓はしっかりと開けておこう。
15分経った後、リンスで泡にスプレーをかけて、フィンの汚れを含んだ泡を洗い流してゆく。泡はエアコン表面を伝って落ちてゆく場合もあるので、床には新聞紙やビニールなどでガードをするようにしておきたい。エアコン内部へと流された泡は、ドレンホースを伝って排出される仕組みになっている。
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エアコンのフィルターを取り外した部分にある金属の薄い板がアルミフィン(熱交換器)だ
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「ムース」の噴出ボタンを押すと、噴射用のストローの先から泡が吹き出す
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完了後は1時間の自然乾燥後に使用できる。エアコンの電源を入れると、最初に使ったときのあのイヤなニオイが消えている。送られてくる空気も、以前より快く感じられた。人の手が届かない場所を掃除できたという爽快感もあった。
エアコンを使うことは、同時にエアコン内の汚れを増やすことにつながる。エアコンはメンテナンスが肝心な製品だということがよくわかった。ああ、自動お掃除機能付きのエアコン、欲しいなぁ……。
■URL
三洋電機株式会社
http://www.sanyo.co.jp/
ショーワ株式会社
http://www.showa-water.co.jp/
くうきれい 製品情報
http://www.showa-water.co.jp/kukirei.html
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2007/06/22 00:07
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