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日常防災のススメ。ポータブル電源があれば何ができるのか?ポータブル電源とソーラーパネルを使い検証してみた
今や災害に備えて電気もローリングストックする時代
提供:Jackery Japan
2022/08/22
常に備えが必要な地震はもちろん、気象災害も頻発する現代。各家庭では「自助」にあたる災害対策の必要性が年々増しています。食料・飲料などの備蓄、非常用持ち出しバッグの準備に加えて、在宅避難を意識してポータブル電源を用意する家庭も増えてきました。
そこで、「Jackery Solar Generator 1500」を例に、電源が使えなくなった時にJackeryのポータブル電源とソーラーパネルがあると何ができるのか、家庭にあるもので災害時に使えるものはどれか、災害時に必要となりそうな家電を中心に検証しました。
防災士のアドバイスを元に家庭で意識するべきポイントを整理
ライフラインがストップするような大規模災害時、避難所へ行かず「在宅避難」することを呼びかける自治体が増えています。現実問題、人口が集中する大都市では、避難所に人が集中しても入りきれませんし、大規模な集合住宅で倒壊の恐れがないと判断できた場合は、無理に動かず自宅に避難するのが現実的です。
では、そんな在宅避難をする際、何を準備すべきでしょうか。まずは、家電 Watchでも活躍する整理収納アドバイザーで防災士の資格も持つ、丸マイさんにアドバイスを頂きました。
コメンテーター紹介
丸 マイ
防災士の資格を持つ整理収納アドバイザーで、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。
丸マイさんによると、在宅避難が必要な規模の災害時は、当然ながら「まずは命を守ること、生命維持に務めること」が第一だと指摘。そして、最も必要なのは「水」。次に「情報」、そして夏や冬であれば体調を崩さないための「温度」のコントロールが重要だそうです。「食料」は多めに買い置きするローリングストックが基本とのこと。
「水」は1人1日約3リットルが目安。最低でも3日分、できれば1週間分を備蓄します。次に「情報」ですが、この情報を得るためには、ラジオやスマートフォンの電力を確保する必要があります。丸マイさんによると、これまではそのために乾電池の備蓄が必要だったとのこと。
「ポータブル電源は、アウトドアなどで日常使いしつつ防災にも使える製品です。まだ、持っている家庭は多くないと思いますが、今から備えるなら、予算が許せばポータブル電源はお勧めです」とコメント。一部乾電池は残しながらも、ポータブル電源を併用すると、非常時でもできることが一気に広がります。
非常時にポータブル電源の電力を何に使うべきかについては、「人数や家族構成によっても何が必要かは変わってくるので、それぞれの家庭で重要度の設定が必要です。赤ちゃんがいれば室温を調整したり、ミルク用のお湯を湧かしたりする必要もあるでしょう。各家庭で、1日でも欠かせないものは何か、非常時に自分が困ることをイメージしてください」とアドバイスされました。
また、普段使っている家電製品が、どの程度の電力を使うのか事前に把握しておくことも大切だそうです。パニックになっている非常時に冷静な判断をすることは難しいので、「リストにまとめておく」などの方法は現実的ではないそうです。タグやテープに「何分で何ワット」などと記載して、その家電のプラグ近くに取り付けておくと良さそうです。
コンセントと同じ感覚で使える、余裕ある規格の大容量ポータブル電源「Jackery ポータブル電源 1500」
そんな非常時に頼りになるポータブル電源として、「Jackery ポータブル電源 1500」を例に紹介します。Jackeryは、2012年にアメリカで設立されたポータブル電源とソーラーパネルのトップグランドメーカー。創立メンバーに元Appleのバッテリーエンジニアも加わり、日本でも2019年から販売を開始。自社で製品の開発・製造を行なっている、定評あるメーカーです。
Jackeryのポータブル電源は、240Whの「Jackery ポータブル電源 240」から2160Whの「Jackery ポータブル電源 2000 Pro」まで6種類。「Jackery Solar Generator 1500」は、1534.68Whの大容量ポータブル電源「Jackery ポータブル電源 1500」と、同社のソーラーパネル「Jackery SolarSaga 100」2枚もしくは4枚をセットにした製品です。
「Jackery ポータブル電源 1500」は、1800Wの定格出力に対応しているJackeryのラインアップの中でも大容量タイプの製品。一般的に使われるAC100Vコンセントを3口、車載時に便利なシガーソケットのDC出力を1口、そしてUSB-A端子を2口と、PD 60W出力のUSB-C端子を1口搭載しています。Quick Charge3.0にも対応しているため、Android搭載のスマートフォンなど対応機種では充電も高速に行なえます。
ポータブル電源としては口数が多い製品ですが、電源タップと組み合わせると、さらに使いやすくなります。家庭内のいろいろな場所にある家電に同時に給電するには、通常使うよりも長い延長コード(コードリール)があると非常に便利です。
「Jackery ポータブル電源 1500」は、屋外で使えるような耐水性能や防水性能はありませんが、最大の特徴は1534.68Whという大容量と、1800W(瞬間最大3600W)の定格出力が魅力です。。一般家庭では、1つのコンセントで同時に使える電流は15アンペア(100Vで1500W)なので、通常家電として使われる製品なら問題なく使え、まるで家のコンセントのような感覚で使用することができます。
電化製品によっては、使い始める時に消費電力の数倍にもなる「突入電力(起動電力)」を消費する製品もあります。1000Wを超えるような突入電力が高い製品で使う場合は、コンパクトなモデルではなく、定格出力に余裕があるこの「Jackery ポータブル電源 1500」などのモデルを選んだ方が安心でしょう。
「Jackery ポータブル電源 1500」の本体サイズは横355mm×奥行き265mm×高さ253mmで、重さは16kg。かなり重いのですが、本体にしっかりしたハンドルがあるため通常の16kgよりは動かしやすく感じます。個人的には、家の中を移動させる程度なら可能でしたが、これを持って階段を上るのはかなり厳しそうです。外へ持ち運ぶときは、カートやスーツケースを使うと便利でしょう。
逆に言えば、庭に頻繁に持ち出したり、2階への持ち運びがあったりする場合は、「Jackery ポータブル電源 708」(容量708Wh、6.8kg)などが現実的かもしれません。もちろん防災備蓄を目的とする場合は大容量なほど安心です。Jackeryの製品にはコンパクトなモデルから様々なモデルがそろっているので、用途に合わせてラインアップから選ぶのもありでしょう。
一方、ソーラーパネル「Jackery SolarSaga 100」は1枚が約4kgと簡単に持ち運べる重さです。展開サイズは横122cm×縦53.5cm×厚さ2cm。本体にUSB端子もあるため、ポータブル電源の本体を通さなくても、スマートフォンなどUSBから給電できるものなら直接充電することも可能です。
充電には、発電効率が良い環境なら2枚使うと、「Jackery ポータブル電源 1500」を11時間で充電できます。アダプターを使うと4枚まで接続できるので、この場合は約5.5時間で充電できます。防災士の丸マイさんからも「ポータブル電源を防災備蓄のひとつとして用意する場合は、ソーラー式の充電器が必要だと思ってください」とアドバイスされました。天候に左右はされますが、一度の使い切りではなくソーラー充電で継続して使えると、災害時に在宅避難が長期化した時にも安心です。
実際に使ってみるまでイメージしにくかったのですが、確かに十分に直射日光が当たる状態だと2枚で130W近くで充電されていきました。マンションでも日当たりの良いベランダがあれば十分に実用的でしょう。ちなみに、一般的にシリコンのソーラーパネルの場合、夏の強い光線が必要なのではなく、むしろ直射日光が当たれば夏より冬の方が効率良く発電できる場合もあるそうです。ポイントは、太陽光がなるべく直角に当たること。日光をさえぎるものをうえに置いたり、陰になったりしないようにすること、汚れが付着しないようにすることです。
何かの陰がソーラーパネルにかかる環境や、日の当たるガラス越しの室内でも発電自体はできますが、効率は大幅に落ちます。一軒家なら庭やデッキ、マンションでも日当たりの良いベランダが確保できる環境に向いています。
また、ソーラーパネルで本体に充電しながらほかの機器へ給電する「パススルー充電」も可能ではありますが、充電する量よりも使用する電力量が少ない必要があり、出力電力が充電電力より大きくなるとバッテリーが蓄電できなくなります。続けるとバッテリーに負荷もかかるので、基本的には「充電」と「給電」は同時に行なわないと考えておく方が良いでしょう。
まずは水、そして照明にポータブル電源で使えるのか、明るさとともにチェック
防災士の丸マイさんのアドバイスも受け、在宅避難する際に使いそうな家電をチェックし、普段意識していない電力を「見える化」を実行しました。各家電は、電力量計を介して「Jackery ポータブル電源 1500」へ接続して使用し、電力量を計測しました。
ウォーターサーバーは電源が使えなくても水が使える方法を確保
在宅避難で大切な「水」は用意するしかないのですが、「ウォーターサーバーがあるから大丈夫」と思っている方は、ブラックアウト時にそのウォーターサーバーが電源なしでも使えるかチェックしておきましょう。電源がないと使えないモデルには、水のボトルから手動で水を出せる非常用キットが用意されていることが多いので、購入しておくことをお勧めします。
筆者が自宅で使用しているウォーターサーバー(消費電力 冷却80W/加熱350W)は電源を使用するタイプです。一般的にウォーターサーバーは24時間電源を入れっぱなしにする製品なので、ポータブル電源で長時間使うのはおすすめしませんが、電気がないと水が出ないタイプを一時的に動かすには便利です。
照明はLEDをフル活用。キャンプグッズや充電池も取り出しやすい場所に
災害時が夜にかかる場合は、照明の確保も必要になります。天井のシーリングライトは通常のコンセントでは使えないものがほとんどで、ポータブル電源があっても使えません。キャンプなどで使うLEDランタン(単3形乾電池3本使用タイプ/15.4lm)は、1本1900mAhの単3形ニッケル水素充電池を「Jackery ポータブル電源 1500」から充電して使用しました。
家の中でも、電気がないと移動もままなりません。キャンプと同様、夜にはトイレに行くだけでもライトを持ち歩く必要があるので、持ち運べるLEDランタンや懐中電灯など、複数を用意しておくと便利です。LEDライトは消費電力が少ないため、乾電池でもかなり持ちますが、大容量の充電池ならポータブル電源で充電して繰り返し使えるので安心です。今回のLEDランタンは、小型ですが単3形3本を使用していることもあって、明るさは十分。最後はやや暗くなりつつも、最終的に32時間点灯しました。この充電1回で、一週間近く使えそうです。
また、ポータブル電源が使える場合は、LEDランタンだけでなく、小型のLEDデスクライトがあると非常に便利です。我が家にあったLEDデスクライト(消費電力 3.6W/1000lx)の場合、1時間で3.6Whしか使わないので、暗くなってから寝るまでの4時間使っても14.4Wh。在宅避難が長引いても現実的に使える消費電力です。
夏・冬物家電はポータブル電源でどこまで動く?
夏物家電
普段、夏も冬もエアコンに頼る生活に慣れすぎているため、災害時の温度のコントロールは非常に頭の痛い問題です。特に、在宅避難が想定される高層マンションは、夏の暑さが顕著。何がどこまで使えるのか、ぜひチェックしておきましょう。
エアコンの稼働もスムーズ。ただし使えるのは短時間の停電時のみ
まず、平常時は必需品のエアコン。5畳に設置したモデルが我が家のエアコンの中で一番消費電力が少ないので、わが家のエアコン(2.2kwタイプ)で検証しました。災害時に空調をコントロールする際は、なるべく小さい部屋に全員が集まって過ごすのがコツです。
ポータブル電源でエアコンを動かすということ自体、未経験の作業でイメージがつかめずに恐る恐る電源を入れましたが、全く問題なく動きました。設定は「自動+1度」、風向き「上下」。外気37度、室温32度から、クーラー稼働で室温27度になる状態です。
電源ONから最初の10分間は、800W程度のフルパワーで稼働。10分ほどでW数が下がり、500W前後で推移しました。1時間経過時点で、消費した電力は440Wh。3時間半程度なら「Jackery ポータブル電源 1500」だけで稼働させられそうですが、在宅避難中の様々な電力をまかなうことを考えると、現実的には長時間の使用は難しそうです。逆に、1~2時間で停電が解消されるとわかっている状況であれば十分使えそうです。
扇風機は低消費電力で非常に実用的! 特にDCモーターの製品がおすすめ
エアコンと並ぶ、夏の定番家電の扇風機。一般的に消費電力が低めで、夏の在宅避難中にも必需品です。扇風機には、「タワー型ファン」、「ACモーター式扇風機」、「DCモーター式扇風機」の3タイプがあります。どれも比較的消費電力は低めですが、特にACモーター式と比べてDCモーター式は半分以下の消費電力になっていることが多いので、買い換えや新規購入の際は、DCモーター式を選ぶのがお勧めです。
我が家のDCモーター式扇風機(消費電力 19W)を風量[中]、首振り[あり]で1時間使ったところ、使用した電力量は5.0Whになりました。24時間つけっぱなしにしても1日120Whで利用できます。災害時にエアコンがない状態を乗り切るためにも、扇風機は用意しておきましょう。
サーキュレーターは暑い時間帯にだけパワフルに使いたい
扇風機よりもパワフルに室内の空気を入れ換えるのに適した製品です。普段からエアコンの効果を高めるために併用できますし、夏キャンプを快適に過ごすためにテント内にサーキュレーターを設置する方もいるでしょう。
我が家のサーキュレーター(消費電力 21~40W)もエアコンとともに活躍しています。風量「強」で1時間使用すると31Wh消費しました。DCモータータイプの扇風機よりは消費電力が高くなりますが、昼間の暑い時間帯などには、併用しても良さそうです。
卓上冷風機は驚くほど低消費電力。ポータブル電源にUSB接続で稼働してもOK
水の気化熱を使って冷風を出す、卓上冷風機。様々な製品が発売されています。冷風機と言っても、部屋全体を冷やすわけではなく、すぐ側に置いて、風が当たる人だけに冷風を届ける製品です。
我が家の卓上冷風機で風量[3]、首振り[なし]で使ってみたところ、1時間で1.8Wh。非常に低消費電力で、在宅避難時にも安心して使えるでしょう。USB給電も可能なので、ポータブル電源で動かすのも方法のひとつです。
冬物家電
エアコンや床下暖房に満足している家庭では暖房にあまり選択肢が用意されていないかもしれません。特に都心の高層マンションは冬でも温かい場合が多く、エアコン以外の長時間使える暖房機器を意識することがあまりありません。エアコンがない状態で役立ちそうな製品を幾つかピックアップしました。
電気毛布ならアウトドアから冬の防寒対策までぴったり
冬の在宅避難をイメージして、室内の暖房機器として電気毛布(サイズ 188cm×130cm・消費電力 80W)を、「[中]約36℃」で1時間使ってみたところ、消費電力量は27.7Whでした。8時間使うと221.6Whと消費電力量も増えますが、就寝時に寒くて眠れない時など、布団の中をピンポイントで温められるので便利です。
冬の定番と言えば「こたつ(消費電力 300W程度)」や「電気カーペット(2畳サイズで500W程度)」もありますが、どちらも消費電力が高め。まずは洋服で体温を調整し、電気毛布を活用してみましょう。
ちなみに、我が家のエアコン(2.2Kwタイプ)は夏のため検証できませんでしたが、夏の冷房が560Wなのに対して暖房は470Wと設定されているので、夏の「3.5時間」よりは長く使用できそうです。
丸マイさんによると、寒いときには充電式のポケットカイロも役立つそうです。カイロの機能だけの製品はオフシーズンに使わなくなり、なくしてしまいがち。スマートフォンなどに充電もできる、モバイルバッテリー兼用のタイプを選び、普段はモバイルバッテリーとして、冬はカイロとしても使うと効率的です。
逆に夏には充電式のハンディファンを持ち歩くのが定番になりましたが、こうした普段使いされている充電式の製品も防災グッズとして活用してほしいとのこと。エアコンなどで部屋全体の空調がコントロールできない非常時は、狭い範囲をコントロールすることになります。どうすれば快適に過ごせるか、工夫を凝らして乗り切りましょう。
ポータブル電源で調理家電を使う際の実用度と備えておくべきもの
ローリングストックとともに防災の必須アイテムとされているのが、カセットコンロとガスボンベです。停電時でもガスは使えるケースもありますが、調理機器がIHの家庭では停電で調理方法も失います。カセットコンロとガスボンベが十分に備えてある場合は、ポリ袋を湯せんして調理する「ポリ袋調理」が便利。白米の炊飯からパスタ、具材まで湯せんだけで一度に調理できます。
カセットコンロの用意がなかったり、ガスボンベを使い切ってしまったりした場合、ポータブル電源があると電子レンジやケトルなどの普段の家電を短時間だけ使うことも方法のひとつになります。
電子レンジが使えれば普段の買い置きをいつも通り食べられる
例えば、電子レンジはどうでしょうか。大きい電力を使う家電の、代名詞のような家電ですが、使う時間は数分間だけと短めです。そのため、ポータブル電源があると実はかなり役立つとわかりました。例えば我が家の電子レンジ(庫内容量33リットル/消費電力 1450W)で、パックごはんとレトルトカレーを温めてカレーを作る例で見て見ましょう。
「サトウのごはん(200g)」(500W設定、2分)は27.7W、レトルトカレー「プロクオリティ ビーフカレー(170g)」(700W設定、1分)は17.7Whで調理が完成です。両方で45.5Whとなり、家族3人分でも136.5Whで調理できます。ガスコンロやカセットガスがない時には、調理方法として選択肢のひとつになるでしょう。
電気ケトルならコップ1杯分が21Wh程度で使える
では、調理はもちろん、寒い冬に温かい飲み物が欲しくなったときに役立つ、瞬間的にお湯を沸かせる電気ケトル(1.2リットルタイプ/消費電力 1250W)はどうでしょうか。こちらも消費電力の高い家電ですが、コップ1杯分の140ccはこの電気ケトルで1分でわかせる量のため、使用した電力量は21Wh程度。カップラーメンが作れる300ccも30Whでした。寒いときに飲む温かいコーヒーや、温かいカップラーメンはほっとするもの。一時的に大容量を使っても、それが数分なら非常時でも十分に役立ちそうです。
ひと晩で復旧するなら冷蔵庫もポータブル電源で救える
震災など大災害の際は「命を守る」ことを第一に考えるため、冷蔵庫の中身まで電源の振り分けができないのですが、落雷や倒木、台風などが原因の短時間で復旧のめどが立つ停電の際は、冷蔵庫の中身をポータブル電源で何とか救いたいと思う人も多いのではないでしょうか。大型の冷凍庫に大量に詰まったアイスやかたまり肉が全て解けると思うと、精神的にもなかなかのダメージが想像できます。
そこで、実際に我が家の冷蔵庫(400リットルクラス/温度設定[中])で試したところ、消費電力量は1時間で約100Whでした。この冷蔵庫の年間消費電力量は590kWhなので、そこから計算すると1時間あたり67Wh程度となりますが、冷蔵庫の中身の量や季節によっても消費電力は変化します。また、冷蔵庫は大きさと消費電力が比例しない家電なので、自宅の冷蔵庫の年間消費電力量からぜひ計算してみてください。
今回の計測中、冷蔵庫や冷凍庫の中の食材を取り出して通常通り使いましたが、消費電力は100W前後から大きく変化はなく、「Jackeryポータブル電源 1500」で15時間程度持つ計算になりました。3日間など在宅避難が長引く場合は使えませんが、数時間やひと晩だけの利用なら現実的に使えそうです。
ちなみに、冷蔵庫は一般的に、電源を抜いたあと5~10分ほどおいてから電源を入れる必要があります。ぜひ一度、冷蔵庫のマニュアルをチェックしておきましょう。コンセントから電源を抜いてすぐにポータブル電源に挿してしまうと、冷蔵庫のモーターに負荷がかかって傷みます。ポータブル電源からコンセントに戻すときも同様なので、注意しておきましょう。
ホットプレートや卓上IH調理器も問題なく利用できるが消費電力は高い
そのほかの調理方法も様々な方法を試してみました。例えば大型のホットプレート(幅54cm・奥行37.5cm・高さ12cm/消費電力 1300W)で冷蔵庫の野菜や肉を蒸し焼きにするため、10分間中温で調理してみたところ、200Wh程度になりました。ホットプレートだと、10分間が過ぎてスイッチを切ったあとも、フタを取らずに余熱で蒸し焼きも進められます。「1時間焼き肉をし続ける」などの使い方には向きませんが、調理方法を工夫すれば、特に大家族の場合など、一気に大量に調理できるので便利でしょう。一方、卓上IH調理器(消費電力 1400W)も20分間で300Whほどになりました。こちらは余熱が期待できません。
どちらもメニューや量によっては役立ちそうですが、かなり高い消費電力なので、短時間の停電でもここに大量に電力を使うのは気が引けそうです。ほかの方法が使えないときの選択肢にとどめておいておいた方が良いでしょう。
停電時のペット対策にもポータブル電源は活躍
ペットを飼っている家庭では、災害に備えてどんな対策を取られているでしょうか? 電気が使えず室温のコントロールもできない場合、小動物や鳥、魚など非常に困る種類のペットもいます。
犬や猫なら場合によっては人と一緒に寝床に入ることもできますが、ウサギやチンチラなどの小動物の場合それも難しいでしょう。冬の間、ゲージの外側に取り付ける小動物用の「パネルヒーター」を使っている方も多いかもしれません。このパネルヒーターには様々な種類がありますが、ゲージの外側に取り付けるタイプで20~30W、ゲージの中に設置してそのうえに小動物が乗るタイプで1~10W程度の製品が多いようです。
30Wの製品だと、寒い夜の間だけ12時間の稼働で360Wh。一方でこれが12Wに抑えられる製品もあります。災害時用に、低消費電力のパネルヒーターを用意しておくと安心できそうです。
熱帯魚やメダカなどを飼っている方にとっては、停電はより深刻な問題です。水槽の場合、どの魚もエアレーションで空気を送っていますし、水の浄化や、水の温度をコントロールするヒーターが稼働している場合もあるでしょう。
特に熱帯魚の場合は水温を25~26度に保つ必要があるので、水温の管理に皆さん非常に気を使われています。停電時もその環境が維持できるように、大型のアクアリウム水槽の台の中にポータブル電源が設置してあるケースもよくあります。
家庭でも最低限、エアレーションとヒーターは止めるわけにいきません。設置されている製品がどの程度のW数の製品か、ぜひ通常時に把握しておきましょう。
例えば我が家の水槽はごく小さいものですが、エアレーション(消費電力 0.9W)、ろ過装置(消費電力 1.9W~2.2W)、ヒーター(消費電力 55W)を設置しています。中には、水槽用ライトを設置している方もいるかもしれません。
我が家の水槽の場合、エアレーションは0.9W、ろ過装置も2Wと消費電力はごくわずかですが、問題はヒーターです。今は夏なので稼働していませんが、メーカーによるとこの55Wの小型タイプでも1日12時間使用すると660Whになるとのこと。通常、水温が上がればヒーターは止まるので常時電力を使うわけではありませんが、水槽まわりの電力では、このヒーターの維持がポイントになるのは間違いありません。
大型の水槽になれば当然ヒーターの消費電力も増えるので、自分の水槽のヒーターが1日に何Wh程度使っているか、電力量計でチェックしてみることをお勧めします。それに合わせてポータブルバッテリーの構成を検討する必要が出てくるかもしれません。
普段、電力はペットのためにも使われています。「ペットの在宅避難」も快適になるよう、災害時にポータブル電源でどこまで行なうかをシミュレーションしておきましょう。
「日常防災」を意識して、普段の生活に組み込みながら備えたい
普段使用している様々な家電を「Jackery ポータブル電源 1500」で稼働させてみましたが、意外にも消費電力が低かったものから、想像以上に電力を使っていた家電製品まで様々でした。LEDデスクライト(消費電力 3.6W)や扇風機(消費電力 5W)は在宅避難時を考えて買ったものではありませんでしたが、ポータブル電源があれば災害時にも十分役立ちそうだとわかりました。夏には卓上冷風機(消費電力 1.8W)、冬には電気毛布(消費電力 27W)を普段からもっと活用することで、電気代を節約できそうです。
また、「Jackery ポータブル電源 1500」のような大容量のポータブル電源を、小型の充電池やモバイルバッテリーの“ホーム”として組み合わせて使うと非常に便利そうです。昼間はソーラーパネルで充電し、夜はモバイルバッテリーを充電すれば、昼間モバイルバッテリーを繰り返し活用できます。
最近では、充電式のスティッククリーナーの普及も進み、コードレスの扇風機、コードレスのドライヤーなど家電製品自体にバッテリーを搭載している製品もさらに増えています。これら充電式機器が災害時には非常に役立つので、普段からフル充電しておくことをお忘れなく。
もちろん、「Jackery ポータブル電源 1500」もフル充電しておき、非常時でなくても2~3カ月に1回は使っておくのがお勧めです。キャンプの予定を定期的に入れて持ち出したり、庭でのバーベキューの電源に使ったりと用途は様々。棚の奥や物置にしまい込まずに、ぜひ日常にポータブル電源を活用しましょう。食料を「ローリングストック」するように、電気もローリングストックをしてみてはどうでしょうか。複数のポータブル電源があると、一方のポータブル電源の電気を使ったらソーラーパネルで充電して備蓄する、という流れが可能になります。
防災士の丸マイさんが語っていた通り、災害時は「人数や家族構成によっても何が必要かは変わる」ため、何を優先するかの重要度の設定が必要になります。ただ、在宅避難なら、一律に重要度を決められる避難所よりも自分の都合に合わせた準備も可能になります。「Jackery ポータブル電源 1500」を、「数時間の停電なら何に使うか」、「長期にわたりそうな場合は何をあきらめて、何を優先するか?」をあらかじめ決めておくと、パニックになりがちな被災時に落ち着いた対応ができそうです。大量の乾電池からポータブル電源へのアップデートで、在宅避難時の環境を過ごしやすいものに変えていきましょう。
「Jackeryの日常防災キャンペーン」を開催
Jackery Japanでは、2022年8月22日から2022年9月4日まで「Jackeryの日常防災キャンペーン」が開催されます。
最大30%OFF(8月30日 ~ 9月5日)のセールを実施するほか、日常はもちろん、アウトドアでも、災害時でも使える有名ブランドの防災グッズ、Jackeryポータブル電源のプレゼントキャンペーンも実施されます。
また、専門家による「日常防災」に関する記事や、防災イベントの紹介、Jackeryのポータブル電源とソーラーパネルの日常防災での活かし方、家電量販店での実機常設コーナーやノベルティ配布のご案内など様々な日常防災に関するコンテンツが更新されていきます。
□ 「Jackeryの日常防災キャンペーン」特設サイト
https://www.jackery.jp/pages/nichijou-bousai