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シャープ、小さな屋根でも設置可能な太陽光発電システム


 シャープは、様々な屋根の形状や面積にあわせて、効率よく太陽光発電システムを設置できる「ルーフィット設計対応住宅用太陽光発電システム」を、東京都内に限定して4月1日から発売する。順次、全国規模に広げる計画。

 また、標準電圧入力回路に加えて、低電圧入力回路を装備することにより、狭いスペースでも最少3枚からモジュールを設置して効率的に電力を取り出せるダブルレンジ・パワーコンディショナーも日本全国を対象に発売する。

 ルーフィットとは、ルーフとフィットを組み合わせた造語で、シャープが商標を登録申請しているもの。

 ルーフィット設計対応住宅用太陽光発電システムは、従来は設置が難しかった小さな屋根や、複雑な形状の屋根への太陽光発電システムを設置するために、サイズの異なる2種類以上の太陽電池モジュールを組み合わせて、屋根に設置するもので、従来は約117cm刻みだったモジュールを、屋根の幅、面積にあうように、7~25cm刻みで設置できる。屋根横幅が6.5~7.6mmの場合で、モジュールの組み合わせによって、8通りの設置が可能となっている。


屋根に合わせて小さいパネルを組み合わせる新設計を取り入れ、効率が上がった 屋根の隅まで効率よく配置できる パワーコンディショナもコンパクトに

補助金の復活で再び需要増に転じる見込み 足立区の場合、各種補助金を利用すると46万円で導入できる 自宅で発電した電気の買い取り額に国の補助金が上乗せされる政策も追い風に

シャープソーラーシステム事業本部結晶太陽電池事業部企画部・宮前浩二副参事
「これまでの設置対象は、大きな屋根、形状が単純な屋根となりがちだったが、これが柔軟になる」(シャープソーラーシステム事業本部結晶太陽電池事業部企画部・宮前浩二副参事)としている。

 さらに、ルーフィット設計対応モジュールと架台は、従来製品に比べて耐風圧性を強化していることから、屋根の端近くまで設置が可能になっている。

「従来モジュールでは屋根の端から400mm、300mmの幅が必要だったが、200mmのところまで設置が可能になる」(宮前副参事)という。

 これらにより、設置できるモジュール枚数が増えるため、設置容積を平均で約24%向上し、効率的な発電システムが実現できる。

 同社では、ルーフィット設計の効果が発揮できる小さな屋根が多い東京都内から販売を開始し、設計パターンをデータベース化した上で、全国展開を図るという。


シャープソーラーシステム事業本部システム事業推進センター・吉岡秀起所長
「太陽光発電システムのニーズには、設置容量、経済性、デザイン性の3つの要素があるが、ルーフィット設計が加わることで、顧客ごとに最適設計するセミオーダーメイド提案が可能になり、設計バリエーションが大きく広がる」(シャープソーラーシステム事業本部システム事業推進センター・吉岡秀起所長)としている。

 ルーフィット設計対応パネルとして、4つの製品が用意され、一辺を990mmで統一し、組み合わせを容易にしている。

 6段7列の42直列のND-160AVの価格は79,380円、6段5列の30直列のND-114CVが63,840円、コーナーに利用する16直列のND-061LVおよびND-061RVが46,410円。

 一方、ダブルレンジ・パワーコンディショナーは、低電圧入力回路を搭載することで、低い入力電圧にも対応。従来は屋根面にモジュールを置けても、枚数が少ないために、パワーコンディショナーに接続して電力を取り出すことができないといった課題を解決することができ、小さな屋根面での太陽光発電システムの設置を可能とする。

「従来製品で、低電圧対応するには装置が多くなり、繁雑さとともにシステムコストの上昇、効率の低下という問題も発生していた。今回の製品ではオールインワン化することで、こうした問題が解決できる」(宮前浩二副参事)

 価格は、低電圧1回路、標準1回路を搭載したJH-S9L11が247,800円。低電圧2回路、標準1回路を搭載したJH-S9L12が313,950円。それぞれ300台、150台の月産目標としている。


コンパクトにして設置性を高め、対応できる家を増やして増販を狙う 複数のモジュールを組み合わせて様々な屋根に柔軟に対応する 各家庭に合わせてセミ・オーダーメイド方式で販売する

 同社が、ルーフィット設計対応太陽電池モジュールを東京都内から発売する背景には、様々な形状の屋根があること、小さな屋根が多いことに加えて、補助金制度のメリットを生かそうという狙いがある。

「1kWあたりのシステム価格を70万円とした場合、政府の補助政策により、63万円となる。さらに、これに東京都の補助金を利用することで53万円になり、さらに自治体の補助制度を利用すれば50万円前後で導入できるようになる」(吉岡所長)からだ。

 足立区の場合だと7万円の補助金が出ることから、1kWあたり46万円で導入できるという。

「東京都では、補助金制度の導入により、太陽光発電システムの導入が3.5倍に増加すると見込まれるほか、全国の5分の1を占めるものと予測される」(吉岡所長)

 同社では首都圏地区にリサーチセンターを設置し、ルーフィット設計に関するノウハウを蓄積して、全国展開への足がかりにする考えだ。





URL
  シャープ
  http://www.sharp.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/090303-a.html

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( 大河原 克行 )
2009/03/03 14:13

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