● 電動ポットなしで30数年生きてきました
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象印のマイコン沸とう電動ポット「CD-ZS15」
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実を言えば、筆者はこれまで電動ポットなるものを自分で買ったことがない。いや、もちろん他人の家や会社等で使ったことはあるけれど。
一人暮らしの頃はカップラーメンもよく食べたが、湯はすべてヤカンをコンロにかけて沸かしていた。結婚した折に電動ポットを買おうかという話もあったが(妻も電動ポットを持っていなかった)、そのうちにと思っているうちに何年も経ってしまい、相変わらずヤカンで湯を沸かしている。夫婦2人だと、ずーっと保温しておくのも何だか無駄な気がしてしまう。
それに、これまで発売されていた電動ポットには、イマイチ食指が動かなかった。狭いテーブルの上にどかーんとでかいポットが鎮座するのは見苦しい。それに、いざ熱々の湯が欲しいという時には結局再沸とうで待たされるから、ヤカンの方がよっぽどいいだろうと思っていたのだ。
それでも、秋、冬となると熱いお茶を飲む機会も増えるから、多少の不便を感じていたのも事実ではある。
● 電動ボット+電気ケトルのハイブリッド製品?
ところが今時のポット界隈(なんていうのか?)は、事情が変わってきたらしい。大きな変化は、少量の湯を必要な時に沸かして使う、電気ケトルの人気だ。筆者のような人間の潜在需要は少なくなかったということだろう。どうでもいいが、電気を使わないモノは「ヤカン」というのに、家電になると「ケトル」なんていうのは妙にしゃらくさい感じがする。
それはさておき、象印がこういうトレンドを捉えて面白げな製品を出してきた。その名も「マイコン沸とう電動ポット CD-ZS15」。1.5Lの小型電動ポットである。何だただの電動ポットかと思うなかれ。この製品がユニークなのは、「1200Wターボ沸とう」機能を搭載している点だ。要するに、必要な時にお湯をさっと沸かして使う、電気ケトルとしての特徴を備えている電動ポットなのだ。
メーカー | 象印マホービン |
製品名 | CD-ZS15 |
希望小売価格 | 15,750円 |
購入価格 | 9,720円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
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上面のデザイン。電動ポットには珍しい、スリムな形状がよくわかる
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側面。上面のラインが注ぎ口へ滑らかにつながっている
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500mlのペットボトルとの比較
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● カップ2杯分なら2分で沸かせる、再沸とう機能は確かに速い
CD-ZS15の外見はやや小振りな、まさに電動ポット。上面から操作パネルに続く曲線が優美で、安定感とスリムさがうまく両立している。操作パネルの中央には大きな給湯ボタンがあり、その脇に再沸とうボタン、ロック解除ボタン、下に保温ボタンが配置されている。
さっそく水をカップ2杯分ほど入れてみる。自動的に再沸とう機能がオンになり、しばらく待つ……というほどの間もなく、保温モードに切り替わった。早っ。
時間を計ってみると、カップ2杯分(300ml)で2分20秒、満タンの1.5Lで7分58秒(再沸とうのランプが点灯してから消えるまで)。ターボ機能は伊達ではなかった。水温を厳密に計ってはいないが、タンク内はいったん室温程度まで戻してから再沸とうさせている。ちなみに普段使っているヤカンをガスコンロ(強火)にかけて同じように湯を沸かしてみたところ、300mlで1分30秒、1.5Lで7分15秒だった。
また、湯を沸かしている間、思ったよりも湯気が出ない。説明書によると、これはヒーターのパワーを制御することで蒸気を出さないようにする、蒸気セーブ機能のおかげらしい。
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操作パネル部。ロック解除ボタンでカフェドリップモードを切り換える。保温ボタンを押すと、90℃→80℃→オフの順に切り替わる
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蓋を開ける時は開閉つまみを押して持ち上げる
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● 保温モードをオフにして、電気ケトルとして使う
一般的な電動ポットでは、保温中の温度が低くなると自動的に再沸とうを始めるようになっている。CD-ZS15では、90℃と80℃(煎茶に最適な温度)の保温モードがあるのだが、保温モードをオフにすることもできる。電動ポットでありながら、電気ケトルと同様に、その都度沸かして使えるわけだ。特に、熱湯の利用頻度が低くなる夏場に、保温モードを切って使えるのはうれしい。
ワットチェッカーを使って、消費電力を計算してみた。
1.5Lの水を沸騰させると、8分で消費電力は0.13kWh。電気代換算で、だいたい2.86円。90℃で12時間保温した場合は0.29kWh、電気代は6.38円となる。今時の省エネ機能のついた電動ポットだと24時間保温しても電気代が6円程度のものがあるので、それに比べると割高に感じる。1日2回1.5Lの湯を沸かし、90℃でずっと保温するなら、1年間の電気代は約7,000円。湯が必要な時に沸かし、長時間使わない時には保温モードをオフにするという使い方をした方がよさそうだ。
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上蓋の裏側
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内容器はフッ素加工されている
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上蓋を取り外す時は、ヒンジ部の着脱ボタンを押す
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底面は本体が回転できるようになっている
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電源ケーブルはマグネットで脱着するタイプ
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● カフェドリップ機能で少しずつ湯を注ぐ
先述したとおり、私がこれまで電動ポットを使う気になれなかった理由の1つは圧迫感のあるサイズだったのだが、CD-ZS15はテーブルの上においてもそれほど気にならない。大型のポットには電源ケーブルなしでの給湯機能を備えているものもあるが、CD-ZS15にはそうした機能はない。基本的にテーブル上で使うことを念頭に置いて設計されているからだろう。
細かいところでは、通常の60%程度の勢いで給湯を行なうカフェドリップ機能も便利だ。コーヒーを入れる時のように、ちょっとずつ湯を注ぎたい時に重宝する。
やや気になったのは、水量表示。水を入れると目盛りのストライプが太く見えるという仕組みなのだが、満タンの時とか逆に空の時だと、ぱっと見、入っているのかどうか戸惑う時がある。色つきのバーなどでもう少しはっきり区別できる方がよかった。
また、CD-ZS15は電動ポットと電気ケトルのいいところ取りをしているが、ベースはあくまで電動ポットである。そのため、電気ケトルのように、蛇口から直接水を注ぐ作りにはなっていない。この辺りの取り回しに関しては、今後改良の余地がありそうだ。
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水量表示部。カラの時
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中程まで水が入っている時
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満水時
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● 単身者や夫婦2人の家庭に適した使い勝手
CD-ZS15は、年中保温しておくのではなく、その都度沸かして飲む使い方をメインにするのがよいだろう。単身者や共働きの夫婦2人の家庭で、昼間は保温モードを切っておき、帰宅後から寝るまでは保温モードにして使う。こういう用途において、CD-ZS15のコンセプトは成功しているように思う。
■URL
象印マホービン株式会社
http://www.zojirushi.co.jp/
製品情報
http://www.zojirushi.co.jp/syohin/electricairpot/CDZS.html
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2008/09/22 00:04
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