家電Watch logo
記事検索
バックナンバー
【 2009/03/30 】
やじうまミニレビュー
DO-SEE「LEDライト付きスタンドルーペ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
ツインバード「コンパクトフライヤー EP-4694」
[00:01]
【 2009/03/27 】
家電製品ミニレビュー
三菱「蒸気レスIH NJ-XS10J」
[00:02]
やじうまミニレビュー
L.L.Bean「ボート・アンド・トート・バッグ」
[00:01]
【 2009/03/26 】
やじうまミニレビュー
アイリスオーヤマ「サイバークリーン」
[00:01]
家電製品長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」(4/4)
[00:00]
【 2009/03/25 】
やじうまミニレビュー
オーエフティー「自動給餌機 Newビストロ」
[00:01]
家電製品ミニレビュー
日立「クリエア7 EP-CV1000」
[00:00]
【 2009/03/24 】
やじうまミニレビュー
「家庭菜園 かいわれくん」
[00:02]
長期レビュー
シャープ「プラズマクラスターイオン発生器&加湿空気清浄機」 (4/4)
[00:01]
【 2009/03/23 】
やじうまミニレビュー
撥水ペーパーのメモ帳と“現場仕様”のボールペンを試す
[00:01]
長期レビュー
三洋電機「eneloop bike」 (3/4)
[00:00]

やじうまミニレビュー
サーモス「保温燻製器イージースモーカー RPD-13」

~ガスコンロで簡単に燻製が作れる燻製機
Reported by 安部 陽子

 おつまみで欠かせないのが、ビーフジャーキーやサラミなどの燻製だ。燻製は、旨みだけを凝縮したような濃い味に、深い味わいがある。そんな燻製を、手作りすることができるらしい。初めて知ったことなので、ちょっと調べてみた。

 燻製には「温燻」「熱燻」「冷燻」という方法があり、よく食べるビーフジャーキーやベーコンは「温燻」、スモークサーモンは「冷燻」の燻製だ。個人で手作りできるのは「熱燻」というやり方で、燻製用の木材(スモークチップ)から出る煙で食材をいぶし、高温で加熱する。

 「熱燻」ができるスモーカー(燻製釜)には、いろんな商品があるようだ。たいていは、アウトドア専門の製品なのだが、サーモスの「保温燻製器 イージースモーカーRPD-13」は家のガスコンロで熱燻が簡単にできるというもの。これならば作ってみたいと思って購入した。メーカー希望小売価格は10,500円、Amazon.co.jpでは7,500円で販売されている。今回は、100gのサクラのスモークチップが一緒になっているものが楽天市場で販売されていたので、そちらを購入した。購入価格は送料別で8,000円だった。


サーモス「保温燻製器 イージースモーカーRPD-13」。大きさは、285×225×140mm(幅×奥行き×高さ) 鍋とフタ、保温容器、網。それに、レシピ集とサクラのスモークチップ、焼きイモ用の石が付属する 保温容器は、縁と底にゴム製の滑り止めを装着する

魔法瓶のような高い保温力で燻す

 煙がでるのだかから、きっとストーブのような形で、熱に耐えられるよう金属だろうと思っていたら、「RPD-13」はまったく違う。鍋とフタがあって、しかも素材は、陶器だ。見た目はまるで、1人用の小さな土鍋のよう。この鍋に、付属の保温容器と網をセットして使うのである。ナベを保温容器にセットすると、全体の大きさは285×225×140mm(幅×奥行×高さ)で、重さは約2kg。このほかに、レシピ集と焼き芋用の焼き石が付属している。

 使い方は、鍋の底にスモークチップを敷き、網をおいて、食材をのせる。鍋をガスコンロで加熱し、チップから煙が出始めたら、弱火にしてフタをする。約10~15分間、そのまま加熱して、あとはナベごと保温容器にセット。そのまま所定の時間(約20~25分)保温すればできあがりだ。

 鍋とフタは、400℃以上の温度差に耐えられる構造のため、チップが高温になっても、鍋が割れたりすることはない。また、保温容器は魔法瓶と同じ真空断熱構造になっており、高い保温力で温度を保つことができる。

 レシピ集に丁寧な説明が載っているので、初めての私でも、燻製のことがよく理解できた。スモークチップも付属しているので、食材を用意するだけですぐに始められるのはありがたい。


手順は簡単。短時間の加熱後、容器にセットして待つだけ

 さっそく、燻製を作ってみよう。

 まずは、プロセスチーズを燻製にしてみる。鍋にチップを5g入れ、網をおいて、チーズをのせる。ガスコンロの強火で加熱すると2分ほどで、チップから細い煙が立ちのぼってきた。弱火に変えて、鍋にフタをし、そのまま5分間、加熱する。周りにはサクラチップの独特の香りが漂ってくる。あとは、鍋をそのまま保温容器にセットするだけだ。


鍋の底にチップを5g入れる 網をおいて、チーズをのせる ガスコンロの強火で加熱すると、煙がでてきた

弱火にして、フタをする 鍋は熱いので、ミトンをして持ち、保温容器にセット。15分間、待つ できあがったチーズの燻製。燻製前のチーズとは全く違う茶色い色になった

 説明書によると、中の温度を保つために途中でフタを開けないようにとあったので、一度も中の様子を見ないまま、15分後フタを開けると、チーズが茶色になっていた。触ると温かくて、柔らかい。食べてみると、外側は固い皮だが、内側は溶けていて、まだトロトロだ。外側の皮は、おつまみとして市販されているスモークチーズと、同じ感じだが、中の触感は全然違う。プロセスチーズとも、スモークチーズとも違う、別の、柔らかくて香ばしいチーズを食べている感じだ。


チーズの裏には、網目がついている
ちぎると、中はまだトロトロだ

 コンロで燻製を作るのは、とても簡単だった。加熱して、保温容器にセットするだけなので、難しいことは何もない。調理時間の25分のうち、作業をしているのは、最初の10分だけ、あとは保温調理なので放っておける。注意点は、ガスコンロで加熱した鍋を保温容器に移動するとき、鍋がかなり熱いので、持つ時に必ずミトンをすることだ。

 作りはじめる前に心配だったのは、煙である。あらかじめキッチンの窓を開け、換気扇を回しながら作業をすると、煙はそれほど気にならなかった。煙がたちのぼるのは、ほんの数分だけなので、室内で焼肉をした時に比べるとずっと少ない。煙そのものより気になったのは、チップの香り。かなり強く、周りに広がるので作業時の換気は必ずした方がいいだろう。

 できたての燻製を食べたのは、初めてだったが、市販されているモノとは違う新しい触感と味だった。ここまで簡単で、おいしいのなら作るのが全く苦にならない。そこで、他の食材も試してみた。

 次にチャレンジしたのは、アーモンド、胡桃、カシューナッツなどのナッツ類。これは、加熱時間5分、保温時間15分、合計20分ほどで完成した。途中、ナッツが網の穴から下に落ちてしまい、黒焦げになって、いくつかは食べられなかった。編み目より大きめのナッツで作った方がいいだろう。ナッツの燻製は、カリっとした食感がいい。


燻製にする前のナッツ
できあがった、ナッツの燻製。網の穴から落ちるので、大きいナッツで作った方がいいようだ
簡単に燻製になった

 次は甘塩の鮭を燻製にする。一度に作れる量は、切り身でちょうど2切れ分だ。加熱時間10分、保温時間20分、合計30分ほどで燻製になった。作っている時に漂ってきたのは、サクラチップと鮭の香りが混ざった、とても甘い、おいしそうな香り。味の方は、ロースターで焼いた時よりも、鮭の味が濃くなり、油がのっている。


チップを10g入れる
網を置く
鮭の切り身を2切れ、のせる

強火で加熱し、煙が出てきたらフタをしめ、弱火にして10分間、加熱 保温容器に移して、20分保温したら、できあがり 「熱燻」なので、スモークサーモンではないが、魚焼きロースターで焼いた時よりも、甘い香りがするジューシーな焼き鮭になった

 肉の燻製もやってみよう。肉の燻製は下準備が必要だ。レシピ集を参考に、牛のもも肉を3時間乾燥させて下準備する。網にのせられる肉の固まりは、200~300gだ。加熱時間15分、保温時間25分の合計40分で、今回作った中では一番手間がかかったのだが、オーブンでローストビーフを作るよりも簡単だ。

 できあがった燻製は、表面が均一に茶色く変わって見た目がよく、おいしそうな油が浮かんでいる。味はローストビーフに似ているが、ローストビーフよりも牛肉の臭みが無い。


3時間乾燥させた、牛のもも肉200gを燻製にする
ローストビーフのようなできあがりになった
スライスすると、はじめ、内側はピンク色だが、温かいので、すぐに内側も茶色に変わる

 どんな食材でも燻製にでき、食材の幅の広さは、本格的なスモーカーと同じだ。ただ、「熱薫」をするものなので、保存食としての燻製は作れない。じっくり熟成させながら作るという燻製のイメージとは違って、食材を煙で燻しながら、油を落として加熱するという加熱調理の方法の1つとして捉えた方が良いかもしれない。

 「RPD-13」で、熱燻がこれほど簡単にできるのは、鍋が小さく、スモークチップを少量しか使わないので、加熱が短時間で済むこと。また、フタは、重く密封性があり、このフタで少量の煙を鍋に閉じ込めて、保温容器で鍋全体を温めるという作り方になっているからだろう。鍋が土鍋なのも、土鍋の高い蓄熱性で保温を助けるためだと思われる。


使用後の、スモークチップ
 お手入れ方法は、本体の鍋、フタ、保温容器などすべて丸洗いできる。保温容器は、水に浸け置き洗いすることはできないが、流水で洗う分には問題ない。使用後、鍋に残ったスモークチップはまだ熱いので、完全に冷えるのを待ってから捨てた。また、魚や肉などの脂が落ちる食材を燻製にした時は、チップと油が混ざっているので、鍋底を丁寧に洗う必要があった。


1~2人分の燻製を、手軽に作って楽しむ

 本来なら、外で長時間、火とにらめっこしながら作る熱燻を、家のキッチンで簡単に作れてしまうのとてもいい。食べたい時にさっと準備し、保温している間に、お酒の準備をすると、できたての熱い燻製をおつまみにできる。鍋は、それほど大きくないので、大人数より、夜のおつまみに1~2人分を作って、ちょこっと食べるのに向いているだろう。

 卵や、スペアリブ、鳥のササミなども試してみたが、私の一番のおすすめは、魚肉ソーセージだ。


ゆでたまご。たまごは塩水に浸して、下味をつけておく
魚肉ソーセージ
骨付きのスペアリブ

ゆでたまごの燻製
スモーク魚肉ソーセージ。今回作った中では一番のおすすめ
スペアリブの燻製。骨はついてない部位の方が食べやすいようだ

 付属のサクラのスモークチップは、魚の燻製に向いているようなのだが、調べると、魚に使うスモークチップは、まだほかにもあった。燻製を初めたばかりでも、さまざまな食材を試したり、スモークチップの種類を変えたりと、すぐに興味を広げていけるのが面白い。おつまみをひと工夫してみたいという人にはぜひおすすめだ。





URL
  サーモス株式会社
  http://www.thermos.jp/
  製品情報
  http://www.thermos.jp/Products/kitchenware/RPD.html



PR  




2008/09/05 00:08

- ページの先頭へ-

家電Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.