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セガトイズ「くるりんアイスクリン」

~くるくる回すだけでアイスクリームが作れるオモチャ
Reported by 今西 絢美

セガトイズ「くるりんアイスクリン」
 そろそろアイスクリームが恋しくなる季節。食後やお風呂上りに、冷たいアイスは最高だ。もちろん、夏だけでなく冬にもアイスは食べる。暖かい部屋でコタツに入りながら食べるアイスも格別だ。でも出不精な人にとって、コンビニやスーパーまで、そのためだけに買いに出かけるのは面倒だろう。家でアイスができれば楽なのに……。

 そんなことを考えていた筆者の元に届いたのが、セガトイズの食育玩具「くるりんアイスクリン」だった。メーカー希望価格は7,140円。Amazon.co.jpでの購入価格は5,415円だった。


おもちゃのような見た目

 製品の見た目はやはり子供向けのおもちゃだ。子どもの頃にキャラクターのついたアイスクリームメーカーを持っていた記憶があり、外観はおそらく十数年前に見たそれと何ら変わりはない。

 そうはいったものの、実はこのアイスクリームメーカー。実は「2008年日本おもちゃ大賞」のハイターゲット・トイ部門で優秀賞を獲っているなかなか本格的な製品なのだ。

 本体の仕組みはいたって簡単。冷やした冷却ポットに材料を入れ、ハンドルを回すと羽が回転する。この羽により、ポットの内側に凍りついた材料をかき落としながらかきまぜると、冷気がまんべんなく伝わり、材料は空気を含んでなめらかに冷え固まるというわけだ。


パッケージはおもちゃ屋に並んでいるとしっくりくるような、少し懐かしい感じのデザイン
セットするとこんな感じ。羽が回ることにより、凍った材料をかき落とす
冷却ポットの注意書き。ちなみに対象年齢は8歳以上。おそらくこの冷却ポットが危険なのだろう

付属の説明書とレシピ本。レシピ本は定価1,000円で別売りもされている
 「回し始めて約15分でできあがる」と説明書には書いてあるが、昔のアイスクリームメーカーだとその15分間ずっと回し続けないといけなくて、1回作るのがかなり重労働だった覚えがある。とにかく、まずは試しに定番のバニラアイスクリームを作ってみた。

 ちなみにレシピ本が付属品としてついており、このレシピ本には41種類のアイス、シャーベットの作り方が書いてある。書店でも売られているものらしく、セット内容にこんなに充実したレシピ本があるのはウレシイ。


市販のものよりも柔らかい仕上がり

 バニラアイスの作り方は簡単。あらかじめ、アイスクリームメーカーのポットを冷凍庫に7時間入れて冷やしておく。ボウルに牛乳、生クリーム、卵、砂糖、バニラエッセンスを入れて混ぜ合わせ、凍った状態のポットに材料をゆっくり流し込む。そして、ふたをしてハンドルを回すのだ。説明書では、この一連の作業は手早くするようにとある、確かにもたもたしていてはポットも材料も温度が上がってしまうだろう。


バニラアイスの材料を混ぜ合わせたところ。卵はあらかじめ溶いておいたほうがいい
冷却ポットに材料を入れる。最初に羽部分を冷却ポットの中央に立てておき、その周囲にそっと流し込む

 冷却ポットの内側に材料が凍り付いてくるので、すばやく時計回りに回し続ける。右に回しにくい場合は、左に回しても構わない。とにかく回すことに専念しなければいけない。

 とはいうものの、最初から最後までずっと回し続けなくてもいい。説明書には「(1) はじめは休まずくるくる回す。(2) とろみが付いたらときどき回す。(3) ソフトクリーム状になったらゆっくり回して仕上げる」とある。

 「とろみがつくまでか~」と思いながら無心でハンドルを回していたのだが、いっこうにとろみが出ない。というよりも、その“とろみ”というものがどれぐらいのものなのかがよくわからないのだ。

 「失敗かもしれない」と思いながら回し続けること10分、ハンドルが少し重くなった。どうやらこれが“とろみ”なのだろう。こうなったら、回すスピードは少し落としてもいい。そのまま回していると、いつの間にかソフトクリームくらいの固さになった。「よし、ゆっくり回して仕上げるぞ」、そう思い、ゆっくり回していたときに、ふとクッキーを入れてみたくなった。

 某ファーストフード店に売られている、シェイクを思い出したのだ。ちょうどクッキーも材料と一緒に買っていたので、砕いたクッキーをここに混ぜてみる。最初の材料が入っている段階でポット内は8割ほど埋まっており、そこへ急にクッキーを足したものだから、少し溢れそうになったので焦った。


とにかく回す。少し固まるまでは休まずに回したほうがいい
少しとろみが出てきた。約10分ほどでとろみが出てくる
クッキーを投入。4枚ほど入れたのだが、溢れそうになった

 それから5分ほど回したが、あまり固くはならなかった。説明書には「固いアイスクリームが好みなら別の容器に移して30分ぐらい冷やせ」と書いてある。このまま溶け始めても困るので、説明書の指示どおりに冷凍庫に入れることにした。このときのアイスの固さはまさにシェイクを少し固くしたような感じ。お店で食べるジェラートはおそらくこれぐらいの固さだろう。少し溶けかけたアイスが好きな人はこのまま食べてもいいが、筆者はしっかりとした固めのアイスが好きなので、すぐに食べたい気持ちを何とか抑えて冷凍庫に入れた。


約15分回したところ。シェイクのような溶け具合だ
もう2分ほど回したところで完成。できあがりは少し柔らかい
冷却ポットについたアイスを取るときは傷のつきやすいものは使わないように。今回はケーキ用のプラスチックへらを使った

クッキー入りバニラアイスの完成。自分で作ったとなるとおいしさも倍増だ
 冷凍すること30分。早速食べてみると、かなりおいしい! 30分ぐらいの冷凍だと固すぎず、柔らかすぎず、ほどよい固まり具合だ。次の日に食べるとはもう少し固い仕上がりになっていた。あまり冷やしすぎると、せっかくの“手作り感”が薄らいでしまうので、できれば出来上がってすぐに食べるようにしたい。ちなみに「冷凍保存する場合は1週間以内に食べてしまうように」とレシピ本には書かれている。


材料さえあればカンタン

 バニラアイスの場合、1回で200gの生クリームを使用することになっている。それ以外の材料はどの家庭にでもあるようなものなので、いつでも気軽に作れるのが嬉しい。

 また、自分で作るので、砂糖の分量を調節できるのもいい。甘いのが苦手な人や、ダイエット中でも、自宅で作るのなら砂糖の分量を加減できる。

 また、食品添加物などを気にする人にとっては、乳化剤や着色料を使用していないアイスを食べられるというのも魅力だろう。余分なものが一切入っていない“本物のアイスクリーム”が味わえる。


シャーベット作りに挑戦

 次はシャーベット作りに挑戦した。が、すぐに作り始めることはできない。というのも、本体を1回使用したら、本体を室温に戻し、また7時間冷やさないといけないのだ。この7時間というのが少し面倒に感じるが、手作りアイスを作るためと思い、ここは我慢だ。

 作ったのは「野菜ジュースとハチミツのシャーベット」。材料は野菜ジュース、豆乳、ハチミツとかなりヘルシーなもの。材料を冷凍保存用ビニール袋に入れてよく混ぜ合わせ、冷凍庫で1時間冷やす。ビニル袋が見当たらなかったので、ボウルで混ぜ合わせて冷やしたのだが、特に問題はなかった。

 この後に問題発生。冷やした材料を「くるりんアイスクリン」の冷却ポットに移し、アイスを作るときと同じようにくるくる回すのだが、どうもポットリングが冷却ポットにしっかりはまらない。はまっていないので、ハンドルを回しても冷却ポットごと回ってしまい、どんどん材料は固まってしまう。結局シャーベット作りは断念し、材料を再び冷凍庫に戻して冷やすことにした。


材料は冷凍庫で1時間ほど冷やす。冷凍保存用ビニル袋がベストだが、今回はボウルで代用した
少し凍った材料を冷却ポットに投入。思った以上に固まっている
ポットリングが冷却ポットにきちんとはまっていない。押し込んでみるが、すぐに外れてしまう

 出来上がったシャーベットは冷凍しただけだったのでなめらかさが出なかったが、味はおいしかった。これがきちんと「くるりんアイスクリン」で作れていたらと思うとかなり悔しい。市販のものと違う点を挙げるなら、ばさばさになって1つにまとまらないことだ。裏技としてマッシュポテトやおからなどを入れると、固まりやすくなるそうだ。


市販のものよりパサパサしている。マッシュポテトやおからなど、何かつなぎになるものを入れるといい
なんとか完成。今回はきちんとアイスクリームメーカーが使えていないが、味はさっぱりしていて健康的なおいしさだ

 失敗の原因は何だったのだろうか。原因がわからないので、セガトイズのお客様相談センターに問い合わせてみた。すると「一度目はきちんと使えたということは、不良品という可能性は少ない。おそらく、冷却ポットを冷やす際に、ポットに水滴が残っていたのではないか」という回答だった。そのため、冷却ポットの大きさがわずかながら変わってしまい、ポットリングにしっかりはまらなくなってしまったのだ。

 一応水分はふき取ってから冷やしたつもりだったのだが、ここはしっかり拭き取れということなのだろう。ちなみに説明書にも「洗った後、乾いたふきんなどで水気を拭き取り一度常温にもどしてから、冷凍庫に入れてください」と書かれている。常温に戻すことで、水滴がつくことを防ぐのだ。


枝豆アイス作りに挑戦

 バニラアイス、シャーベットの次は、応用編として「枝豆とハチミツのアイスクリーム」に挑戦した。枝豆を使うと夏バテ防止にいいらしい。応用といっても作り方はバニラアイスやシャーベットとほとんど同じ。ボウルに牛乳、生クリーム、卵、ハチミツを加えて混ぜ、それらを冷やした冷凍ポットに移して回す。固まり始めたら薄皮をむいてみじん切りにした枝豆を混ぜれば出来上がりだ。


枝豆は後半で混ぜるので、最初は別にしておく。薄皮をむいてみじん切りにするのは少し手間だがおいしいアイスのためだ
だんだんなめらかになってきている。バニラアイスとは違い、蜂蜜を使用しているが、とろみがつくのはやはり10分ほど回してから
枝豆を投入。オレオのときのように溢れそうになるほどではない

完成した枝豆とハチミツのアイスクリーム。枝豆は夏バテに効くので、仕事終わりのお父さんに食べてもらいたい
 初めて「くるりんアイスクリン」を使ったときに「こんなに柔らかいアイスになってしまうのは材料の温度が高くなってしまったせいだろうか?」と考えたのだが、今回もやはり同じくらいの柔らかさになった。どうやら、このアイスクリームメーカーはあまり固くは仕上がらないらしい。

 そして、シャーベット作りで問題となったポットリングなのだが、やはり完璧にははまらなかった。しかしシャーベットの時と違い、材料を入れた段階が液体なので、ハンドルを回して冷却ポットがくるくる回ってしまうことはないので問題はなかった。シャーベットの場合は冷却ポットに入れた段階でほとんど凍った状態だったので、上手くできなかったのだろう。1時間ほど冷凍庫に入れていたのだが、もう少し時間を短くすればスムーズにいったのかもしれない。

 できあがった枝豆アイスはなんだか不思議な味だった。特別「おいしい!」ということはないのだが、健康に良さそうだし甘みも少ない。これはこれで“アリ”なアイスクリームだろう。こういった変り種アイスが作れるのも、家庭用アイスクリームメーカーならではだ。


楽しくて手軽なアイスクリームメーカー

 「くるりんアイスクリン」のいいところは、準備に手間がかからず、「アイスが食べたいなぁ」と思ったらすぐに作れるところがいい。もちろんその際には冷却ポットを7時間以上冷やしておかなくてはいけないが、毎回使い終わるたびに冷凍庫に入れておけば、いつでも使える。

 もう1つ気に入ったところは、いろんな種類のアイスが付属のレシピ本を見ながら簡単に作れるところだ。コンビニやスーパーで味わうことの出来ないレシピがたくさん出ているので、「今日は何にしようかな」とその日の気分で選べる。慣れてくれば、自分だけのオリジナルレシピを開発してみてもいい。

 自宅にお客様が来たときに、「このアイスは自家製なんです」と言って出せば、きっと驚かれるだろう。今年の夏はコンビニアイスを卒業して、手作りアイスで涼しくなってみるのもいいかもしれない。ただし、おいしいからといって、食べすぎには要注意!





URL
  株式会社セガトイズ
  http://www.segatoys.co.jp/
  製品情報
  http://www.segatoys.co.jp/kururin/index.html

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2008/07/25 00:02

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