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家電製品ミニレビュー
ヤーマン「バイブホット AYS-14」
~高速振動で脂肪をゆらす
Reported by 本誌:阿部 夏子
ヤーマン「バイブホット AYS-14」
楽して痩せたい……そう思う人は少なくないようだ。試しに「楽して痩せる」でググってみると、713,000件もヒットした。夏が近づいているこの時期、今なら間に合うかもという最後の希望を託して駆け込みダイエットにいそしむ人は多い。
私はというと、もう1カ月も前からダイエットしている。怪しげなサプリに手を出したりしながらなんとか続けているもののこれがなかなか――若いころは痩せようと思えば2kgぐらいすぐだった。20代後半を迎えて「体重を落とすのってこんなに難しいことなんだ」というのを改めて実感している。
とはいえ、私にはここであきらめきれない理由がある。実は9月に結婚を控えており、そのために“どうしても”痩せたいのだ。一生に一度の晴れ舞台などと言われるとおり、その日、花嫁はまさに360度からフラッシュを浴びることになる。脇腹がはみ出てるとか、二重顎になってるとか、普段なら笑い飛ばせる、いや笑い飛ばすしかないデブネタもこの日ばかりは別だ。友達の友達、親戚の親戚、誰が見るかもわからない結婚式の写真ぐらいは自分の納得する体型で迎えたい。
すでに色々なダイエットを試してみてはいるものの、なかなか数字に結果が表われないので、まさにワラにもすがる思いで購入したのがヤーマンの「バイブホット VIB-HOT AYS-14」。ブルブルと高速で振動し、筋肉や脂肪を刺激するというアレだ。本体は、ベルトのような形状をしており、ウエストやヒップ、二の腕、背中など気になるところに巻き付けて使うというもの。メーカー希望小売価格は13,800円。Amazon.co.jpで、12,075円で購入した。
製品パッケージ
高速振動で脂肪をゆらして脂肪燃焼を促進するという
本体は専用ケースに入っている
ベルトタイプのダイエット製品というと一昔前に流行った電流を利用したEMSベルトが有名だが、AYS-14は電気を使った筋肉刺激ではなく本体が直接振動して筋肉に働きかけるという製品。ヤーマンでは“テンテン”というブランドで振動でのダイエット効果を謳った製品をいくつか展開しているが、AYS-14はその最新機種にあたる。最大の特徴は振動にひねり運動が加わったことにあるという。また、振動中に本体が50℃まで加熱される。製品情報によると、脂肪を温めることで、効率よく脂肪燃焼しやすい状態になるという。
製品は、振動する本体部分と、本体に取り付けて体に巻き付けるベルトからなる。本体の電源はACコードで、アダプタを経由してコンセントに差し込んで使う。付属品としては、まず本体に取り付けて使用するベルト、サイズが大きい人用に使用する補助ベルト、電源コード、アダプタのほかに、衣類の摩擦を緩和するために本体に取り付ける遠赤保護マットが付属する。
本体上部
本体背面
ベルト調節は金具とマジックテープで行なう
本体のほかに、ベルト、リモコン、ACアダプタが付属する
衣服の摩擦を緩和するために本体に取り付けて使用する遠赤保護マット
コードは本体から直接つながっている
本体と、コンセントをつなぐにはアダプタを経由する必要がある
注意書きの紙が付属していた。
電源コードを差し込んでも最後まで入らなかった
操作は本体とコードでつながっているリモコンで行なう。電源スイッチは特になく、電源コードを差し込むと電源が入っている状態になる。リモコンではスタート/ストップボタンのほか、本体が熱くなるように設定する「ホットボタン」、振動のコースを選択する「コースボタン」、振動のレベルを設定する「レベルボタン」が配置されている。
本体とコードでつながっている操作リモコン
操作ボタンはわかりやすくシンプルだ
搭載されているコースは4つ。それぞれのコースは以下のとおりだ。
・コース1「連続振動」
強い力で連続的に左回転を振動を行なう
・コース2「複合ひねり振動」
時間を変えながら左回転と右回転を繰り返して振動を行なう
・コース3「リズムひねり運動」
一定の時間左回転と右回転を繰り返して振動を行なう
・コース4「左右ひねり運動」
強い力で左回転と右回転を繰り返して振動を行なう
コース1以外は、振動中に一定時間、運転が停止し、回転方向が変わる。説明書によるとホットボタンは、運転前にあらかじめ押しておいて、本体を先に温めてから使用することもでき、その方が効果がより期待できるとあった。1回の運転は10分間。同じ場所に続けての施術は禁止されている。
●
本当にこれで効くの?
まずは気になるお腹周りから始めてみよう。ベルトの調節は、端にあるマジックテープで行なう。前述したように振動するのは本体のみ。腹部でも、背中側が気になるときは本体を後ろ側に、前の方が気になるときは本体を前側にセットする。
コードを差し込むとリモコンの液晶部分が青く点灯する。まずはコース1から試してみる。スタートボタンを押すとすぐにブルブルブルと振動が始まる。コース1では、同じ動作が10分間続く。振動レベルは9段階に調節が可能。最初だからと思って、1に設定したものの、レベルを上げても充分対応できそうだったのですぐにレベルを最大の9まであげて使用した。
電源コードを差し込むとリモコンの液晶画面が青く点灯する
ホットボタンを押すと液晶には「ホット」の文字が点灯する
振動レベルは運転をスタートしてからでないと調整できなかった
運転中の音はかなり大きめ。テレビを見ながらやるというのは無理がありそうだ。同じ部屋でテレビを見ていた妹はすぐに音量を2つほど上げていた。振動そのものの動きは小さいものの、1分間に1,200回という振動ですぐにお腹の部分が熱くなってくる。本体や、ベルト周りのお肉はもちろん、しゃべると声まで震えるような強い振動だ。ただし、お腹が痛いとか、ツライと感じることは特になく、これで効くのかなというのが最初の感想だ。
困ったのが運転中のリモコンの置き場所。リモコンの裏側にはおそらくベルトにはめて使うためのクリップが設置されているのだが、振動がものすごいので、はめてもすぐに外れてしまった。結局リモコンを手に持ったまま10分間の運転を終えた。
後から説明書を見ると「リモコンを本体に収納したままご使用になると振動により故障する場合があります」とあった。確かにあの振動ではそうだろうなとも思ったがでは、なんのためのリモコンなのか……改善の余地はありそうだ。
ベルト部分にリモコンをさして使おうにもマジックで固定されているため差し込めない
後から説明書を読むとリモコンを本体に収納しながらの運転は禁止とあった。結局手でリモコンを餅ながらの施術になった
腹筋運動というとツライというイメージがあっただけに、なんだか拍子抜けする楽に感じた。同じ箇所への続けての運転は禁止されているので、そのまま今度はヒップ部分へ施術する。今度はホットボタンを押して、コースを2に設定して運転を始めた。
コース2では振動が左回転と右回転を繰り返すとあったが、実際にしてみた感じでは回転の違いはあまりわからない。ただし、運転開始後5分後ぐらいから、本体はどんどん熱くなってくる。50℃といっても、衣服の上からなので、熱い! という温度ではないのだが、そこに振動も加わるので体感温度としてはそれ以上に感じる。運転終了後、本体を外してみると本体の下は汗をかいていて、振動と熱で肌がかゆくなってしまった。すぐにお風呂に入って洗ったので良かったが、あせもが出来やすい体質の方や、肌が弱い方にはちょっときびしいかもしれない。また振動が直接的に加わるので、食事後や飲酒後の施術は避けたい。
ただし汗をかくので、脂肪燃焼には効果がありそう。汗をかくことで新陳代謝は確実によくなるので代謝が悪い人にはお勧めだ。
本体を腹部に巻いたところ
ホット運転にしたところ、振動による摩擦と熱で肌がかぶれてしまった
二の腕に施術しようとしても腕とベルトのバランスが悪く、密着させることができなかった
2カ所続けて運転をすると、さすがにちょっと疲れを感じた。が、筋肉が痛くなるようなことはなく、次の日以降に筋肉痛になるということもなかった。
この製品は二の腕や、背中などへの施術も可能なので、それぞれ試してみた。
まず、二の腕は本体よりも細いため、本体をしっかりと密着させることができない。そのため、なるべく本体部分が上になるようにしながらちょうど二の腕からぶら下げるような形での施術になる。振動は確かに伝わるものの、密着度が少ないため、ホット運転での効果はあまり期待できなそうだ。
背中への施術は、本体をたすき掛けのようにして設置する。ただし、この巻き方だと振動が首に伝わってしまい、運転中頭がずっとがくがくしてしまう。ベルトの位置をずらすなどなんとか工夫してみようとしたものの、斜め掛けにしてやる方法だとどうしても頭にも振動が伝わってしまい、しばらく続けると気分が悪くなってきてしまった。これ以降、背中への施術は行なっていないが、どうしても背中もケアしたい場合は、胸辺りにベルトを巻き付けてやる方法が良いかもしれない。
●
体重変わらず……体脂肪率は3%減
この手の製品は続けて使用しないと効果がわからないので、今回は一週間毎日、ウエストとヒップ部分、更に、余裕のある時は二の腕などほかの部位への施術も行なった。
本来ならば続けることが一番の難題になることが多いダイエットだが、この製品の場合疲労感が少なく、なにかをやりながら出来るので毎日やることがそれほど負担にならなかった。ホット運転にしてない限りは、汗をかくということもほとんどないので、出かける前でも躊躇せず施術できた。
実際、私の場合も出勤前に用意しながらとか、テレビを見ながらやることが多く、施術のために特別に時間を設ける必要はなかった。一点だけ残念だったのが本体の電源がACアダプタで本体とコンセントがコードでつながっていること。充電式だったら、家事をしながらなどもっと活用の場が広がったように思う。
一週間後に体重を測ってみたところ、残念ながら体重は変わっていなかった。が、体脂肪率はなんと3%減っていた。期間中、これ以外の運動は一切していなかったので、一定の効果は期待できそうだ。ちなみに製品を試す以前から、脂肪燃焼を促進するサプリも併用していた。
●
運動が苦手な人向き
振動が強力なため施術箇所が限られる、ホット運転の際の肌への負担など、いくつか不満は残るものの、施術の手軽さや楽さは、やっぱりかなり評価出来る点だ。また、期待していた痩身効果のほかに、お通じが良くなる、血行がよくなるなどの利点もあった。おそらく強い力で振動が加えられるために内臓も刺激されるのだろう。
ちなみに製品を試した次の週に腹筋を50回する機会があった。すると次の日にしっかり腹筋が筋肉痛になってしまった。この製品は脂肪を燃焼させることに注力した製品であって、筋力がアップするというような効果は期待できなそうだ。例えば、普段から体を動かしている人や、ジムに通っている人にとってはマッサージ器ぐらいの感覚で使う方がいいかもしれない。
劇的な変化を望む人には向かないが、ダイエットしてる意識はしっかりつけられるので、本当に運動が苦手な人や、事情があって自宅を離れられない人、毎日忙しい人が手軽に始めるダイエット機器としてはちょうどいい製品のように思う。「なんとかしなくちゃいけないのは分かってるけど……」という人、ダイエットのきっかけとして使ってみるのはいかがだろうか。
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URL
ヤーマン株式会社
http://www.ya-man.com/
製品情報
http://vibhot.ya-man.jp/
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