コラム：やじうまミニレビューMoMA「SKY UMBRELLA」

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やじうまミニレビュー
MoMA「SKY UMBRELLA」

～雨の日でも“晴れ"気分が楽しめる傘

Reported by 今西絢美

MoMA「SKY　UMBRELLA」

　梅雨の季節のこのジメジメ感は本当に苦手だ。せっかくのお気に入りのバッグも雨でびしょ濡れになるし、外へ出るのもなんだか億劫になる。近頃は女性の間でお洒落なレインブーツが流行っているが、きっとあれは「雨の日だって楽しい気分でいたい!」という想いもあるのだろう。今回はレインブーツやレインコート以外に雨の日を楽しむためのアイテムとして、MoMA「SKY UMBRELLA」を紹介したい。メーカー希望小売価格は7,140円。MoMAの直販サイトで同額で購入した。

● 雨の日にこそ青空が見られる

　この傘の特徴は、何といってもそのデザイン。とはいっても外観は普通の黒い傘で、木の持ち手に黒いナイロン。お世辞にもお洒落だとは言えない。


一見すると普通の傘。とりたてて特徴はない	MoMAのロゴ入り。MoMAとはニューヨーク近代美術館のことだ

　この傘の特徴は開いたところにある。筆者自身、「普通の傘なのにレビューなんて書けるのだろうか?」と不安を抱きながら傘を広げて驚いた。傘の内側に青空が広がるのだ。まさに“スカイブルー”の空にはたくさんの白い雲が浮かんでおり、「雨の日にだけ見ることのできる青空」がこの傘に仕掛けられている。ナイロン部分は2枚に分かれており、外側は黒い傘の役割を、内側は青空を見せてくれる役割を果たしている。


傘の内側は青空のグラフィック。青い空と白い雲のコントラストで気持ちも明るくなる	表地と裏地。このように2枚になっている

　女性は華やかな色の傘を持つことが多いが、ビジネスマンの男性は黒や茶色など抑えた色の傘を持つことが多いはず。コンビニの傘立てにいくつも同じような傘があり、間違えてしまうこともあるだろう。「SKY UMBRELLA」ならもし間違えて手に取ったとしても、傘を広げた瞬間に気付く。間違えて傘を持った人はきっと驚くに違いない。人とは違ったオシャレを密かに楽しみたいという人にもオススメだ。

　このありそうでなかった傘はニューヨークのグラフィックデザイナー、ティボール・カルマンによるもの。彼のユーモア溢れるセンスを表す例として時計がある。その時計の文字盤には5時を表す5の数字しか書かれていない。というのもこの時計のコンセプトは「僕たちに一番大切なのは仕事が終わる5時」だという。この話を聞くと、オン/オフの差がはっきりあるこの「SKY UMBRELLA」のデザインセンスに通じるところがある。

● 細部にもこだわりが詰まっている

　デザインはかなり突飛な発想によるものだが、使う人の立場に立って考えられている部分もしっかりある。まず、持ち手部分に本物の木を使用しているという点。プラスチックとは違い、木の温もりを感じられる。そして、傘の先端には金具がついており、傘が痛みにくいようにという配慮がされている。また、開いた時の直径は97cmもあるので大柄な人でも濡れにくい。また、これだけの直径があれば台風などの大雨の時でも「傘を差しているのにずぶ濡れ」という状態は免れるだろう。骨の部分もメタル素材なので、風にも強い。


本物の木でできた取っ手部分はちょうどいい太さが手にフィットする	先端に金具が付いており傷がつきにくいよう工夫されている	しっかりした骨組みなので、少々の雨風は大丈夫


男性が使っても、背中まですっぽり隠れる大きなサイズ	横から見るとこんな感じ。これなら大きな荷物を持っているときでも安心

　いい点も非常に多いのだが、問題が1つだけある。傘自体が少し重い。日頃、ビニール傘など安物の傘を愛用しているせいか、長時間持ち歩くのにはしんどいと感じた。あと、長さが90cmもあるので、小柄な人には使いにくいかもしれない。そういった点さえクリアできれば、この傘はかなり楽しくて使える傘だ。


ビニル傘に比べるとなかなか大きい上に重い	傘立てに並べてみた。一番長いのが「SKY UMBRELLA」

　もしも雨の日に異性から「入れてあげるよ」と言われて入った傘の内側に青空が広がっていたら……筆者ならハートを鷲掴みにされてしまうだろう。そこまでいかなくても、雨の日のちょっとした話のネタになるのは間違いない。

■URL
　 MoMA(三洋電機株式会社　MoMAstoreプロジェクト)
　 http://www.momastore.jp/index.html
　製品情報
　 http://www.momastore.jp/search/item.asp?shopcd=11111&item=005-010-PA

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