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大河原克行の「白物家電 業界展望」
日立アプライアンスのリサイクル拠点を見る
~「環境ビジョン2025」実現の一翼を担う拠点
Reported by 大河原 克行
株式会社関東エコリサイクル
日立アプライアンスは、同社の環境に対する取り組みについて発表した。また、同時に、リサイクル拠点である株式会社関東エコリサイクルの様子を公開した。
日立グループは、環境ビジョンとして、中期計画の「環境ビジョン2015」、長期計画の「環境ビジョン2025」を策定。「地球温暖化の防止」、「生態系の保全」、「資源の循環的な利用」の3点を柱に、CO2を出さないエネルギーを作ること、エネルギーを使わない製品をつくること、完全リサイクル社会をつくること、クリーンな大気・水・土壌をつくり生物多様性を守ることに取り組み、「持続可能社会への開拓」を目指している。
具体的には、2025年時点で、日立製品による年間1億トンのCO2発生の抑制を目指すほか、2015年には、エミッション・ニュートラル実現の目標を早期達成するために、直接環境負荷の提言と環境適合製品比率の拡大を目指すという。
推進体制としては、古川一夫社長直轄のもと、昨年12月に最高環境戦略責任者(CEnO)を任命。さらに今年1月には、長期計画の実現に向けた活動を行なう地球環境戦略室を設置。個々の環境施策の立案および実行、専門プロジェクト活動を行なう環境本部と連携して、環境に対する取り組みを行なう。
なかでも、日立アプライアンスは、「商品の省エネルギー」として、商品を通じた家庭でのCO2排出量の削減への取り組みによって社会的環境負荷の削減を目指すほか、「工場の省エネルギー」によって、直接環境負荷量の削減を実現。2015年度には、環境適合製品の開発による製品の使用時や廃棄時のエネルギー削減量による「社会的環境負荷削減量」と、製品生産時の素材重量やエネルギー使用量をCO2排出量に換算した「直接環境負荷」を同量とするエミッシュン・ニュートラルを目指す。
また、減量化、長寿命化、再資源化、分解性などのアセスメント評価点が基準点以上の製品を対象に、環境適合製品社内登録制度を実施。登録率を各事業が競って向上させるほか、「今後投入する製品は、基本的に100%環境適合製品とする」(日立アプライアンス環境推進部・吉田隆彦担当部長)と語る。
日立物流との連携によって、鉄道とトラック輸送の併用化や、海上、鉄道コンテナ共通ラックの使用によって、年間約1,600トンのCO2排出量削減効果を達成するといった取り組みも見逃せない。
同社では、これまで「ずっと使うから日立」をスローガンとしていたが、今年から、「ずっと使うから、日立のエコ」に変更。また、「日立のエアコンのキャラクターとして定着している白くまの体重を365kgとし、1人が年間、白くま一頭分のCO2削減をノルマを目指す」としている。
日立のエアコンのキャラクターでもある“白くま”を用いて、年間365kgのCO2削減を目指している
日立アプライアンス環境推進部・吉田隆彦担当部長
一方、関東エコリサイクルは、栃木県下都賀郡大平町にある日立アプライアンス栃木事業所内にある。
同社の敷地面積は1万7,700平方m。建物面積は約5,200平方m。
資本金は3億6,000万円。そのうち日立アプライアンスが3億円を出資。三菱電機、ソニー、三洋電機、シャープ、富士通ゼネラル、日立キャピタルが各1,000万円ずつを出資している。対象品目は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目。その他、産業廃棄物の再生処理も行なっている。
関東エコリサイクルの処理能力は一日189.6トン。台数換算すると、月9万4,000台、年間約110万台の家電リサイクル品の処理が可能だという。
2007年度の見込みでは年間71万5,000台のリサイクル品を処理するとしており、そのうち、テレビが35%、洗濯機が25%、冷蔵庫が25%、エアコンが15%。「年間5,731トンのプラスチックを処理しているが、そのうち95.1%をマテリアルリサイクル化している。2003年度にはわずか22.9%しかマテリアルリサイクル化できなかったが、これが大きく進化している」(関東エコリサイクル・上原勝治社長)とする。また、廃プラスチックでは2007年度見込みで1.2%となり、2001年度の29.4%から大幅に削減している。廃棄物量はテレビの処理量が増加したことで10.1%と前年度よりも増加したが、それでも2001年度に比べて3分の1程度となっている。
関東エコリサイクル・上原勝治社長
「全国唯一の家電製品の生産工場と、リサイクル拠点を一体化した拠点」(上原社長)として、「製品設計部門、開発部門の技術者が、リサイクル現場で学習して、そのノウハウを生かすことができる。また、再生部品を低価格で調達し、部品の生産に生かすことができる」といった同一敷地内のメリットを訴える。
同社の特徴は、解体時に部品および部組品を徹底して外す点。さらに、テレビのブラウン管や、冷蔵庫のドアパッキンなどの国内で処理ができないもの以外は、原則として国内の協力会社を利用して処理するようにしているという。
「昨年6月にはエアコン前処理工程を改造し、前処理台数を30%向上。また、今年1月にはテレビ処理ライン能力の向上によって、前処理台数を15%向上した」(同)という。
リサイクル品には、再商品化基準が設けられているが、関東エコリサイクルではこれを上回るリサイクルを達成している。冷蔵庫は50%に対して実績が72%。洗濯機は50%に対して85%。エアコンは60%に対して87%で、大幅に基準値を上回っている。今後も、再商品化基準の向上に取り組んでいく考えだ。
では、関東エコリサイクルの様子を写真で見てみよう。
内部の様子
関東エコリサイクルの外観
リサイクルラインに持ち込まれたテレビ
キャビネットとブラウン管を分離する
電子銃部分が切り取られたブラウン管
ブラウン管をファンネルとパネルに分割する装置。4台ある
分割されたあとはこのなかで洗浄する
ファンネルの洗浄前と洗浄後
パネルの洗浄前と洗浄後
鉛入りパネルは別に置かれている
テレビのキャビネットを破砕する機械の全景
キャビネットはこの中で破砕される
破砕される前のキャビネット
破砕されるとこうした破砕片になる
破砕片を加工して、車輪止めや線路脇にあるトラフなどに再生される
リサイクルラインに持ち込まれた冷蔵庫
冷蔵庫のリサイクルラインでは、まず大きな部品を取る
フロンガスを抜き去る作業。揺すって最後まで抜き取る
冷蔵庫から取り出したフロンガスを入れたボンベ
取り外されたコンプレッサー
部品を徹底して外すのが関東エコリサイクルの手法
素材ごとに区分けされて置かれる
洗濯機のリサイクルライン
洗濯槽を分離する
洗濯機のホースもこの通りに分類される
洗濯槽などのプラスチックを破砕する機械。昨年10月に2台目を導入した
エアコンのリサイクルラインに持ち込まれる室内機
こちらはラインに投入される室外機
室外機から冷媒フロンを抜き取る作業
取り外された熱交換機
室内機の解体作業の様子
室内機のカバー部分だけがまとめられた
ここから粉砕器に入る。エアコンと洗濯機は共用
こちらがエアコン、洗濯機共用の粉砕器
こちらが冷蔵庫専用の粉砕器
冷蔵庫の断熱材フロンの回収装置
粉砕器から粉砕片が出てくる
社員が作業が終了した時に利用するエアシャワー。昨年6月に導入した
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URL
日立アプライアンス株式会社
http://www.hitachi-ap.co.jp/
株式会社関東エコリサイクル
http://www2.hiplan.co.jp/karec/
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