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家電製品ミニレビュー
オムロン「メディクリーン HT-B453」

~横と縦、2つの動きで歯をキレイにする電動歯ブラシ
Reported by 本誌:阿部 夏子

オムロン「HT-B453」
 とにかく歯が弱い。歯医者に行くたびに「若いのに」とため息をつかれる。歯磨きは毎日しているし、寝る前に甘い物を食べるようなこともしていない。唾液の性質が関係あるのか、歯磨きの方法が悪いのか。とにかくこのままでは30代で入れ歯に――なんてことになりかねない。なんとか対策を練らなければ。ということで電動歯ブラシを導入することにした。

 私自身はこれまで電動歯ブラシを使ったことがないのだが、周りからの評判はすこぶる良い。使った方が良いよ、という言葉をこれまで何度もかけられていたものの、口の中に電気製品を入れることにどうしても抵抗が抜けずにいたのだ。しかし、いつまでも続く歯医者通いに嫌気が差して、これで改善されるならばと思い切って導入を決意した。

 今回選んだのはオムロンの音波式電動歯ブラシ「メディクリーン HT-B453」。メーカー希望小売価格はオープンプライス。Amazon.co.jpで6,955円で購入した。色は黒と赤の2色が用意されているが、今回は赤いボディにシルバーのラインが目立つレッドを購入した。

 パッケージに内装されているのは、本体、充電器の他に3本の替えブラシ。この3本のブラシを用途や目的に合わせて本体に付け替えて使用する。ブラシの種類は「トリプルクリアブラシ」「極細マイルドブラシ」「すき間みがきブラシ」の3つ。


左から本体、トリプルアクアブラシ、極細マイルドブラシ、すき間みがきブラシ、充電器 充電器に本体と付属のブラシをセットしたところ

充電器には本体のほかに付属のブラシも設置しておける
充電器

 まず、3種類あるブラシの説明を先にしてしまおう。

 「トリプルクリアブラシ」は3種類の種類の違う毛が植毛されている。3種類の毛はそれぞれ高さも、色も、触った感触も違う。ブラシの中央部分にあたる毛が一番短くなっていて、両端が高めになっている。歯の形を考えて作られているらしいのがわかる。

 「極細マイルドブラシ」は名称通りに、細い毛がびっしりと埋まっているブラシで、毛の種類は1種類。触った感じはトリプルアクアブラシに比べるとかなり柔らかい。

 「すき間磨きブラシ」は、毛で作られたドリルのような印象。固めの毛が密集して植えられていて、先端部分に向かって長めの毛が配置されている。歯並びの悪いところや、モノが詰まりやすいところを磨くのに適している、とある。


左から極細マイルドブラシ、トリプルアクアブラシ、すき間磨きブラシ。それぞれ、毛の種類や植毛の仕方が異なる 正面からみたところ。左からすき間磨きブラシ、トリプルクリアブラシ、極細マイルドブラシ ブラシの根本部分には本体と合わせる凹凸がついている

 次に、この製品の最大の特徴でもある運転モードについてだ。搭載されている運転モードは3種類。まず「ノーマルモード」はHT-B453の基本の動きと考えて良い。ブラシ全体が横に動くので電動歯ブラシに不慣れな私でも扱いやすそうな印象。

 「ワイドスィングモード」は毛先がノーマルモードよりも大きく横方向に動き、スピードも上がる。ノーマルモードから切り替えて使うと振動も大きくなり、明らかなパワーの差を感じる。歯と歯ぐきの境目をブラッシングするのに適しているという。

 「ポイントスィングモード」は、縦方向の振動が大きいモード。このモードにしたときが一番音と振動が大きくなる。ブラシが縦方向に動いているので、横に動かす動きには向いていない。歯の裏や、奥歯、歯並びの悪いところを磨くのに適したモードだという。

 3つの運転モードの切り替えは本体側面に配置されているスイッチで「SWINGモードスイッチ」で行なう。使用開始時は電源をいれると「ノーマル」モードでの運転になっている。
「SWINGモードスイッチ」を一度押すと「ワイドスィングモード」もう一度押すと「ポイントスィングモード」更にもう一度押すと「ノーマルモード」に戻るという仕組み。運転の切り替えは「SWINGモードスイッチ」の中にあるLEDライトの色で確認できる仕組みで、ワイドスィングモードの時はオレンジ、ポイントスィングモードの時はブルーだ。ノーマル運転時はランプはつかない。


ワイドスィングモードの時はオレンジに点灯する ポイントスィングモードの時はブルーに点灯する ノーマルモード運転時には、電源スイッチだけが点灯する

 そのほかスイッチ類は本体側面に集中して配置されている。上下の矢印がついた速度切り替えスイッチにはさまれてあるのが電源ボタン、本体の電源はここで切り替えする。その下にSWINGモードスイッチ、電源表示ランプ、充電表示ランプがそれぞれ配置されている。

 さっそく使ってみよう。とはいっても本体を使い始めるのには、事前に16時間以上の充電が必要。本体を充電器に差し込むと本体の充電表示ランプが赤く点灯し充電が始まる。これは購入してすぐ使いたいという人には少々もどかしく感じるかもしれない。なにはともあれ、購入したらすぐに充電を始めた方が良さそうだ。1回16時間の充電で、朝晩2回づつの使用で約5日間の使用が可能だという。


本体充電中は、「CHARGE」のLEDライトが点灯する スイッチ類はすべて本体側面に配置されている。上から速度切り替えスイッチ、電源スイッチ、スウィング切り替えスイッチ

 16時間の長い充電時間を終えてようやく使い始める。まず、ヘッド選びから始める。3種類の毛が混じっていていかにも見た目が一番ハイテクそうな「トリプルクリアブラシ」を選ぶ。ブラシの凹部分と、本体の凸部分を合わせながら差し込み、ブラシ本体に表示されている矢印方向にブラシを回せば取り付け完了だ。

 まずとまどったのが本体スイッチを入れるタイミング。何も考えずに電源スイッチを入れてしまったのだ。そうすると、ブラシの先端についたハミガキやら水が周りにババーと飛び散ってしまった。これも電動歯ブラシユーザーには当たり前のことらしいのだが電源スイッチは口の中に入れてから押すというのが常識だという。普通の歯ブラシを長年使っていた私にとってはこんな小さなこともなかなか慣れずに、寝ぼけた頭で口の中に入れる前にスイッチをいれてしまうということを繰り返した。

 さて、肝心の使い心地だ。試しにいくつかの運転モードを試してみての印象は次の通りだ。

 まず「ワイドスィングモード」はこれまで電動でない歯ブラシを使ってきた私にとって一番使いやすく感じられた。電動歯ブラシを口の中でどう動かせばいいのかすらわからなかった私にとっては、これまでどおり横に動かす動きに一番フィットした。

 「ノーマルモード」は「ワイドスィングモード」の動きに慣れてしまうとやや物足りないように感じたが、振動が一番穏やかなので、使い始めや不慣れな時はノーマルモードのまま使用することが多かった。

 一番強烈だったのが「ポイントスィングモード」だ。縦にブラシが上下するというのは普通の歯ブラシではなかなかできない動きということもあって最初はその振動に驚いた。ブラシの柄の部分や、歯に振動が直接響く感覚だ。今ではだいぶ慣れてきたものの最初は、振動で口を閉じることができず、ヨダレがダラダラと垂れてしまった。歯ブラシを横に動かそうとするとかなりの抵抗力を感じる、歯をブラシで打ち付けているようなイメージ。歯の裏や、歯石が溜まりやすく集中的にキレイにしたい場所に使っている。

 ブラシはトリプルアクアブラシばかりを使っている。これも慣れだと思うのだが、1度トリプルアクアブラシを使うと、極細マイルドブラシの刺激が物足りなく感じてしまうのだ。ちなみに私は、普通の歯ブラシもブラシの固さは「かため」を好んで使っている。

 感動したのが「すき間みがきブラシ」だ。数日前に歯医者で歯石を取ってもらった後に使ったのだが、まるっきり歯医者みたい! な使い心地だ。歯と歯の間の歯石を集中的に掃除することができる。この感覚は歯石ブラシとも、爪楊枝とも違う、今まで味わったことのない種類の驚きだった。とにかくブラシの先が細くて固いので狙った所を確実に掃除することができる。すき間みがきブラシを使って集中的に歯磨きをした後は、舌で歯の裏を触るとしっかりと歯の形を確認できて「あーキレイになった~」と満足感を得ることができる。


一番使用しているトリプルクリアブラシ。中央部分の毛が短くなっていて歯を包み込むような形状になっているのが特徴 極細マイルドブラシは毛が細くて柔らかいのでやや物足りなく感じた すき間磨きブラシはこれまで体験したことのないような使用感だった。先が細くなっているので歯と歯の間までパワーそのままに磨くことができた

 導入には難色を示していたものの、正直いうと最近は歯みがきにハマってしまっている。だが、歯みがきにハマってしまったからこそ感じる不満が1つある。電源を入れてから3分後には自動的に電源が落ちてしまうことだ。ああでもないこうでもないと鏡をみながら大口を開けて歯を磨いているときにいきなり電源が落ちてしまうのではっきり言って興ざめである。

 3分で電源が切れるという仕組みは「少なくとも3分間は歯を磨きましょう」という目安的な設定なのだが、歯みがきにハマッている私にとっては3分じゃ短い! と感じてしまうのだ。タイマー機能があるから3分キッチリ磨けるという人も多いのだろうが、ここら辺は変更可能にしてもいいのではないかと思う。

 もともと歯磨き嫌いの私をここまで変化させたのだから、電動歯ブラシの威力はやはりスゴイ。人間の手ではおよそ不可能な動きを再現してくれるので手で磨いているのとは全く違う感覚だ。7,000円前後という価格は電動歯ブラシとしては中級クラスにあたるが、使用感、パワー共に充分満足いく製品だった。

 歯磨きは習慣化されていることなのでいきなりやり方を変えるというのは抵抗があるかもしれないが、電動歯ブラシ未経験の人は是非一度使ってみて欲しい。手で磨くのとは明らかに違う仕上がりを体験できる。





URL
  オムロン株式会社
  http://www.omron.co.jp/index3.html
  製品情報
  http://www.healthcare.omron.co.jp/product/htb453_1.html

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2008/02/15 00:04

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