コラム：家電製品ミニレビューテルモ「ES-P321」

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家電製品ミニレビュー
テルモ「ES-P321」

～腕帯式で設置場所を取らないコンパクト血圧計

Reported by 山口真弘

製品本体。背面の腕帯ホルダーに腕帯を乗せたところ

　前回、ナショナルの上腕測定タイプの血圧計「EW3152」を紹介した。この製品は、腕を直接本体に通せる筒状タイプとしては非常にコンパクトな造りだったが、あくまで据置での利用が前提の製品であった。

　今回紹介するテルモの「ES-P321」は、設置面積がハガキサイズ程度のコンパクトさを誇る、腕帯式の自動血圧計だ。外寸比でいうと、ナショナル「EW3152」のおよそ1/3程度であり、持ち歩きも十分可能な大きさにまとめられている。メーカー希望小売価格はオープンプライス。楽天市場での購入価格は8,925円だった。

● ハガキサイズのコンパクトな設置面積。測定は腕帯方式

腕帯と機器本体の間はゴム製のチューブで接続する。取り外しも可能

　本体のカラーリングは白とシャンパンゴールドのツートン。筐体デザインが直線主体であること、また液晶画面に使われているフォントがややメカニカルなこともあってか、シャープかつ未来的なイメージを醸し出している。

　本体の設置面積はハガキ大と、非常にコンパクト。液晶の表示面は傾斜があり、上方から見た際に視認性が高くなるよう工夫されている。重さは機器本体と腕帯をあわせておよそ500g(電池除く)。500mlのペットボトル1本分と考えれば、おおよその重さを想像しやすいだろう。

　測定時にはゴム製のチューブを用い、腕に巻く「腕帯」と機器本体とを接続する。腕帯は腕の太さに応じてマジックテープで調節する方式。血圧計としては馴染みのある方式だ。ちなみにこの腕帯はオプションとして単体購入も可能なので、汚れたり破損したりした場合は手軽に買い換えることができる。

　本体の背面には取り外し可能な腕帯ホルダーがあり、未使用時にはここに腕帯を置くことができるようになっている。このホルダー自体それほど収まりがよいわけではない上、未使用時はふつうに腕帯を机上に置けばいいだけの話なので、個人的にはあまり必要性を感じなかった。奥行きを取るのがいやであれば、このホルダーは外しておいてもいいだろう。


腕帯ホルダーを取り付けた状態。やや奥行きを取る	腕帯ホルダーは取り外すことも可能だ


側面。上から見やすいように傾斜がつけられている	腕帯。上腕部に通して使用する。手首には利用できないので注意したい

　電源は、単3電池×4を利用する。およそ200回の利用が可能とされているので、仮に朝晩2回した場合、3～4カ月に1回交換する計算だ。現実的にはそれほど苦にならない回数だろう。

● データは朝と夜とで分けて記録可能。人数は1人分

測定画面。ボタンは大きく押しやすいが、フォントは線が細く、年齢層が高いとやや視認しづらいかもしれない。店頭でよく見比べて決めたいところだ

　記録されるデータはごく一般的で、測定時刻、最高血圧、最低血圧、脈拍数の4つ。これらを朝と夜それぞれ60件ずつ記録できるようになっている。血圧というのは「早朝高血圧」という言葉があるほどで、朝と夜ではかなりの差があるため、朝と夜を別々に管理するのが望ましいとされている。本製品ではそれに準じた機能を備えている。なお、60件を超えたデータは古いものから順に削除される。

　表示機能としては、過去の記録値をさかのぼって見る以外に、平均値を表示することもできる。平均値であれば、直近1回の値に比べて、比較する際の対象としては信頼性が高いので、有意義な機能だといえるだろう。

　なお、これらのデータの保管は一人分しか行なえず、家族がそれぞれのデータを分けてメモリーすることはできない(ただし取扱説明書には、家族2人で使用する場合に、1人が朝、もう1人が夜に分けてメモリーすることで、2人分のデータを分けて保存するというワザが紹介されている)。また、データをエクスポートする機能も搭載されておらず、どちらかというと初めて血圧計を買う層向けの製品であることが分かる。

● 旅行や出張の多い単身者向けの製品。設置場所のコンパクトさも魅力

前回紹介したナショナル製電子血圧計(左)との比較。本製品のコンパクトさが分かる

　実際に試用して感じたことだが、他製品と比較してのメリットは、やはりそのコンパクトさにある。筒状タイプは腕を通すだけで手軽に測定できるメリットがあり、こうしたタイプを数カ月間利用してきた筆者はマジックテープ式の腕帯に多少なりとも違和感を感じたが、では筒状タイプを持ち歩けるかというと否である。その点、この製品であれば、ちょっとした旅行や出張でもカバンの中に十分収まるサイズである。ACアダプタ駆動ではなく、電池駆動であるという点もぴったりだ。

　これに加え、データのメモリーが一人分であることも考慮すると、基本的には単身者にフィットする製品であると言える。健康上の理由で毎日の血圧測定を医者から義務付けられているような場合、旅行や出張中の血圧測定が困る。手軽に持ち歩きが可能な本製品は、そのような場合において、強い味方になってくれそうだ。もちろん、なるべく設置スペースを取りたくない家庭内での利用にもおすすめしたい。

■URL
　テルモ株式会社
　 http://www.terumo.co.jp/
　製品情報
　 http://www.terumo.co.jp/healthcare/products_ketsuatsu/p321.html

■ 関連記事
・テルモ、朝と夜の平均値を個別に表示する血圧計（2007/11/14）
・家電製品ミニレビュー
ナショナル「EW3152」（2007/12/25）
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2008/02/14 00:03

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